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エピローグ

事件ではいろいろな謎があった。


最初の謎は、長谷川というAIのエンジニアは、マジダに存在しなかった。

最終審査の直前に市場に発生したAIトラブルというのは陽動で、あのタイミングを狙われたのだろうか。

そもそも、誰がなんの目的で?

そのあたりの原因追求、問題点抽出、対応策は総務部門が主管となって行うらしい。

あの日、デュランダルの中で相当怖い思いをした、岩国総務本部長が自分事として、徹底的にやってくれるだろう。




次の謎は、なぜ、デュランダルはハッキングに対して反抗できたのか。

基本どの車も同じシステムを搭載している。

何が違ったのか、なぜ!?

誰にも納得できる・論理的に説明のできる回答をできるものは一人もいなかった。

何度、再現実験をしても、再現しなかった。

おかげで?その影響で?健一は新たに作られた、自動運転セキュリティ推進室の室長に任命された。

これから、研究して原因を突き止め、いいものを見つけ出し、会社の技術にしていく部門だ。


最終審査に参加していない、車達もハッキングされていた。

しかし、ハッキングが始まった直後に、試作課の熊谷が声をかけ、車という車、全てをジャッキアップして、タイヤが空回りして、動けなくしていた。

全ての車がハッキングされたのだが、被害には至らなかった。

目に見えないファインプレーと、自動運転の脆弱性が露見していた。


深刻な問題は、戦艦だ。。。

大砲が大いに問題になっている。

なぜ大砲を積んだのか?

実弾が積めたのはなぜ?

もし、人に当たったらどうするつもりだったのか?

新規事業開発部の呉さんは、袋だたきにあっていた。

海外赴任か退職か、選ばなくてはならなくなっているそうだ。


でも、最後にアキはハッキングを完全排除して、自力で砲撃までした。

報告書ではハッキングの影響で暴発したとなっている。

だが、実際は着弾地点には、ネットワーク機器やフィールドスコープの残骸が残っていた。

きっと、ハッカーの場所を認識して、狙ったんだろう。

そこへ砲撃することが、ハッカーの攻撃をやめさせると、判断したのか、

それとも、AIが人間を狙って砲撃した?

いろいろ、当時の状況を知る人間が欲しいと要望し、呉さんを自動運転セキュリティ推進室に来てもらうことにできた。

呉さんには、とても感謝してくれて、健一は強力なメンバーを得ることができた。

これからの助けになってくれるに違いない。

信頼とはそういうものか。。。。


健一の車、サマンサは完全に壊れた。

クラウド上にデータは残っているが、個性パーソナルを形作っているローカル部分が完全に破壊された。

車なのに、機械なのに、代わりのいない唯一無二の家族を失ったような気分になった。


会社も、今回の事件で死者を出さなかった、功労者と認めてくれている。

今日は、代わりに新型車の1号機をモニターとして使用することになったので、受け取りに来た。

サマンサ シリーズは生産終了となっていたので、後継モデル。

マジダ タバサ EX-7

これが新しい車だ。


運転席に乗り込むと、ウェルカムコメントが聞こえてきた。

「はじめまして、マスター。

マジダ タバサ EX-7です。

これから、マスターの運転の楽しみ、生活へのお役立ちのために頑張りますね。

あと、マジダ クラウドサービスで、ユーザ様の好みをより早く、前の車から、新しい車に引き継がれる、レガシーサービスがあります。

先代のサマンサからのメッセージに、わからない記述があったので、教えてもらいたいです。

「健一マスターは、みみっちい事をすごく大切にされる・こだわる?わだかまる?ので、頑張れ!」との事でした。

私には、みみっちいという言葉がわからなかったので、これから少しづつ教えて下さいね。」



「みみっちいか・・・・僕の性格だからな。」


車を受取、走らせていった。





おわり


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