97.パーティー衣装
予約忘れてました
よし、完成だ。
レイラシティから帰って来て、ずっと籠るのは流石に無理で。リクたちが外を走らせろと言ってくるからな。
で、夜な夜な作っていたんだ。
その間、セイも双子も何か言いたそうだったが何も言わないで大人しくしていた。
ただな、部屋に入る前にやたらと濃い魔石を俺に贈るのはやめて欲しい。
そして、1週間後に完成した。
いよいよお披露目だな。
その日は朝から作業していたので、昼前に終わり久しぶりにおひとり様定食を作って食べた。刺身天ぷら定食だぞ!美味いな。やっぱり魚も徐々に脂が乗ってきた。贅沢だ。
今日の夜は鍋でもするか…なら土鍋がいる。
「リク、散歩行くか?」
(行くに決まってんだろ!)
だよな。しばらく籠ってたからな。
ヒルガに声をかけて外に出る。例の湖だ。
そこでクリスと土鍋を作る。1人に一つ。しかも大きい奴な。やたらと食うからな。で、後はきのこと山芋の採取。リクがボアを狩ったから牡丹鍋かな。
それにイガに包まれた実を見つけた。やっぱりか、栗だ。こりゃスイーツを作らないとな。
マロングラッセ、モンブラン。
風魔法で集めてせっせと採取。
中身を取り出したらリグに回帰させた。大きな栗は背負い籠10個分くらい集まった。うほーい。
こうしてほくほくして帰った。
そのまま厨房に向かう。
「カスミ坊ちゃん、どうしました?」
「今日の夕飯、変えられる?」
タウロスはニヤリと笑うと
「お出かけになったんで、もしやと思い…ふふっ大丈夫ですよ!サラダと前菜しか作ってませんから」
流石だ。
カバンから土鍋、きのこと山芋を取り出す。そこから2人で人数分の土鍋にせっせと作った。
出汁は昆布。どこかで大豆を見つけないとな。味噌を作りたい。味噌ベースの鍋が食いたい。
今後の課題だな。
〆はやっぱり雑炊かな。そちらも炊いておく。
味見だな。タウロスとパクリ…おっ猪肉美味い。脂が上品だ。背脂って言うくらいだからな。臭みも生姜で上手く緩和されてる。これならいける。
「ボア肉なのに、臭みがありませんな…さすがカスミ坊ちゃんだ」
「これならみんなも食べられるな」
「はい!」
俺はリクたちに鍋を持って行く。裏口から出て厩舎に向かうとリクが足踏みして待っていた。可愛いぞ!
「熱いから気を付けてな」
ふかふかの頭を撫でてから屋敷に戻った。
部屋でお披露目前の確認だ。
時期的にはコートまではいらないだろうから上着。詰め襟風の膝上丈。色は双子がライトグレー、セイはダークグレー。襟と袖に双子は銀糸でセイは金糸で精霊紋を刺繍。
ズボンは裾に向かって細くなるタイプで、裾にごく小さく精霊紋。
シャツは双子が黒でセイが白の立襟で袖と襟にやはり精霊紋。袖はカフスボタンで留まるように。そこに嵌るカフスは俺の魔石を紫にしたもの。
合わせるペンダントは俺の目の色で水色。
サッシュと手袋は黒で、サッシュは内側に、手袋は手首部分に精霊紋と守護はバッチリだ。
靴は黒で、内側にやはり精霊紋を刻印。
部屋のドアがノックされる。
開けるとヒルガが
「夕食です」
と言うので、ヒルガの後ろでウロウロしていた双子に指ちょんのエスコートで食堂へ。
中ではいい匂いが充満していた。
最近は残業で、一緒に食べられていなかったセイが一緒だ。
ヒルガ曰く、カスミ坊ちゃんがいないと腑抜けでして、だとか。
「みんなお帰り」
「ただ今」
「おう、ただ今」
「えらくいい匂いがするよな」
「ふふっ新作だよ!色々取りに行ったから」
「期待してるぞ!」
「うん、期待して」
そんな会話をしていたらワゴンに土鍋が載ってきた。いい匂いだ。
各自の前に土鍋が置かれて、蓋が外される。みんなはガン見中だ。
「熱いので、手前の深皿にとってお食べ下さい」
ヒルガが説明する。
アマランとウルグは早速鍋から皿に取る。案の定、双子とセイは固まっていた。ある意味、予想通りだ。
立ち上がってセイのそばに行くと、鍋から皿に取り分ける。嬉しそうに笑った。
次は双子だな。ルキとロキの鍋からそれぞれ取り分けてやる。嬉しそうに笑う。
「熱いからふーふーして食えよ!」
頷いた。
さて、俺も食うか。
ふうふうぱくん、おぉ美味い!いや、味見してるから知ってるがさらに味が染みている。美味いなぁ。
パクパク食べる。
「あ、汁は適度に残せよ。後で〆があるからな」
返事なし…食べるのに夢中で頷いた。
美味いってことだろ。
落ち着いたところで
「ヤバいな、身体があったまるぞ」
「あぁ、これは美味いな」
「きのこって美味しかったんだね」
「芋もすごく美味しいよ」
「あぁ、疲れが吹き飛ぶな!」
「良かった。やっと出来上がったらな、リクたちと湖まで食材を取りに行ったんだ。そしたらちょうどリクがボアを狩ったから。美味いだろう?」
「あぁ、どんなものでもカスミが作るものはうまいが、これはまた絶品だ」
「服、楽しみ」
「後で試着してくれるか?」
「おう」「「うん」」
「「「ありがとう」」」
具がくなる頃合いにタウロスが鍋を回収。ご飯を入れて卵を割り入れるとたまご雑炊。
みんなの目が鍋に釘付けだ。皿によそって食べる。
ほふっ美味いなぁ。セイと双子?もちろん俺がよそったぞ!はふはふ食べるみんな。満足だろう。
食べ終わると
「美味かった」「ヤバいな」
「「美味しかった」」
「あぁ最高だ」
良かった。鍋料理は簡単で種類も多くて美味い。今後のために餠と豆乳、大豆を探そうと誓った。
居間に移動してほうじ茶を飲む。鍋の後だからな。
栗は手を付けられなかったからまた後日だ。セイの話や青い稲妻の話を聞いて雑談タイムだ。
セイと双子がソワソワし始めた。
「試着するか?」
「「する!」」
「おう」
ヒルガにも見てもらうことにして、セイと双子と俺の部屋に向かった。
掛けてある服を見て絶句した。
「これはまた…」
「凄い」
「カッコいい」
順番に着付けていく。うん、やっぱりイケメンは凄いな。普段からカッコいいんだが、正装だと萌える。俺ですらそう思うんだから普通の女なら確かに惚れるな、これは。
本番風に髪の毛もセットしてやる。双子とセイのピアスが色っぽい。
おぉ…これは自画自賛していいのでは?凄く似合う。
婚約者だから双子の手を摘んでエスコートする。居間に入ると
「ほお…」とヒルガ。
「マジか」「うわ…」アマランとウルグだ。
目を細めたヒルガは全員をしっかりと見ると
「大変素晴らしいです、カスミ坊ちゃん。こんなに素敵な衣装は初めて見ました」
「こりゃまた凄えな、追いかけられるのも分かる」
「あぁ、ヤバいだろ。こりゃみんなの目が」
ふふふっ、大丈夫さ。
「大丈夫だよ!みんなの目にはちゃんと見えてるだけ。ほら…」
「あれ?」「これは」「おっ?」
他人にどう見えるのかをみんなに実践した。
「どう?ボヤけて見えない?」
「印象に残らないな」
「ほんとだ。誰とも判別できないぞ」
「認識阻害と隠蔽の重ねがけだからね」
解除した。
「参加の義務があるから、最初の入場だけ認識させて、後は適当に魔法で誤魔化せばいいよ」
「凄いですな…これなら確かに追いかけられますまい」
双子とセイに抱き付かれた。
「「ありがとう…採寸で触られなくて済んだし、パーティーでも追いかけられなくて済む」」
「俺もだ。助かった、ありがとうカスミ」
3方からキスされた。切実な感謝の言葉を聞いて、改めて作って良かったと思った。
「アマラン、ウルグ。簡単でいいからさ、3人に殴りかかってみて」
意味を理解したであろう2人は手を振り上げた。それが触れる前に軽く空気で飛ばされた。分かっていた2人はちゃんと受け身を取っていたが。
「今のは威力を弱めてるけど、実際には今のよりかなり強く作用する」
「いや、分かってればまだしも突然でしかも今のより強いって…相変わらずやる事はえげつないな」
「当たり前だ。大切な人を守る為の守護なんだから」
と言えば双子とセイにまた抱き付かれた。
その後は過去にあった諸々を話を聞いて青くなった俺たちだった。だって襲われてると思って助けたら、そのまま半裸でのしかかられるとかな。恐怖だろ!
「誰かが襲われてても」
「無視が基本」
「演技かどうか分からないし」
「演技じゃなくても後が大変」
本当に襲われてても助けたら、求婚の使者が2ヶ月毎日訪れたんだってさ。いやマジで何やってんだよコイツは!
ルキが
「カスミも良く覚えておく事」
「手段を選ばないから」
「襲われたから責任取れとかな…」
これはセイだ。俺、貴族無理じゃね?
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