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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第1章 転移した

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96.事の顛末

 シュプラール侯爵家の厩舎で寝た日の翌日、リクたちに囲まれて寝ていたのだが、その後がちょっと大変だった。


 俺を見つけた双子が(クリスが隠蔽を解いた)声を掛けたが俺は多分、寝ぼけてて双子の顔を見ても眠くてまたリクに顔を埋めて寝た。

 双子はどうやら泣く寸前の顔をしてたようだ。全く覚えていない。


 で、俺が黙って寝たから怒っていると勘違いした双子は(カスミが自分たちを無視しないと言う絶対の自信により)厩舎の隅で小さくなって震えていた。

 もちろん、そんなことは知らない俺はすやすや寝ていた。


 で、やっぱり俺を探しに来たアマランとウルグが従魔に囲まれて寝ている俺と、隅で縮こまっている双子を発見。双子にどうしたと聞いても、カスミに嫌われたと泣くだけで埒があかない。


 で、俺を起こした。

「ん、ふわぁ…アマラン?おはよう」

 俺がアマランに普通に返したことで余計に双子は俺に嫌われたと誤解。えぐえぐと泣いていたのだ。


「ルキたちはどうしたんだ?」

 と聞けば

「お前に嫌われたと泣いてるが?」

 全く意味が分からなかったが、何やら放っておけない感じかな。リクから立ち上がって双子に近寄る。その髪の毛を撫でながらしゃがみ込む。


 顔を見ると、なんか凄いことになってた。ポケットからティッシュを出すと双子の鼻に当てる。

「ほら、チーンして」

 くしゃくしゃになった顔を浄化してきれいにする。


「嫌い?」「嫌?」

 なんでそうなる?

「大切な婚約者だが?」

 ぐえ、変な声が出た…両側から抱き付かれた。全く子供かよ。まぁ子供か、まだ18才だ。髪の毛を撫でるとまた泣き始めた。下から俺を見上げると口を突き出してきた。マジか…アマランたちいるぞ!


「やっぱり嫌?」「嫌い?」

 また目が潤む。だー違うわ!

 仕方なくしっかりたっぷり唇を合わせてやった。軽いのだとまた、やっぱり嫌い?とか言いそうだからな。

 ふははっ、コハクも力が抜けるくらいの濃いやつだ。ドヤッ!


 俺は俺を探しにお父様が今まさに厩舎に来てその現場を目撃していたことを知らなかった。


 力が抜けた双子はそのままの勢いで俺を押し倒した。やめろ、当たるだろ…なんで朝からヤローのナニを感じなきゃならんのだ。だから太ももを絡めるな。匂い嗅ぐな、体を撫でるなー!




「ふははっ…」

「想像通りすぎる…くはっ」

「あははっ、またこれは…いいものを見たぞ」

 ん?最後の誰だ?双子越しに見て、おい、見えないだろ!待て、やめっ…濃いのが返ってきた。しかも両側から。こら、息が苦しい。交互にするな…息が。


「おほん、主人が死にます」

 クリスが引き剥がしてくれた。唇だけな。体はガッチリと俺に抱き付いて離さない。

 やっと首を回して入り口を見て、固まった。まさか…?


 お父様とその後ろからお母様まで。扇子で口を覆っているが目が爛々と輝いている。

 マジで、見られたのか。ぶわっと顔が赤くなる。双子は全く頓着せずに体を押し付けてくる。

「こら、ルキ、ロキ。離れろ」

「嫌だ」

「婚約者」

「「仲良くする」」

 離せー!


 カスミの叫びが屋敷にこだました。




 その後は

「ごゆっくり」

 と言うとお父様たちは屋敷に戻って行った。

 よし、魔法の言葉だ。

「朝ごはん」

「食べる」

「その前にカスミを、つまむ」

 おい…!

「少ししたらまた来る!」

 アマランとウルグも厩舎からそそくさと出て行った。

 待ってくれ、置いてかないでー!


 双子が満面の笑みで俺を見ている。

「する?」「しよ」

 やーめーろー!

 俺の意見は全無視だった。




 疲れ切って朝ごはんを用意する。今日はクレープだ。セイとは食べたがまだ披露していなかった筈。

 生地の材料を混ぜてドンドン焼く。羞恥心を忘れる為に、とにかく黙々と焼く。

 トッピングを出してそれぞれ巻いていく。


 そこにアマランとウルグが戻って来た。

「いや、朝からいいもん見たぞ」

「羨ましいなー朝からきれいどころと」

「…棒読みだが?」

 爆笑された。

 やけ食いだから生クリームとチョコ、バナナも用意。

 後はシンプルなオニオンスープ、玉ねぎチャツネ入り。


 皿におかずクレープを載せる。もちろん、リクたちにもあるぞ。

「うまそ」

「いい匂いだな」

「美味しい」

「匂いだけで美味しい」

 食ってから言えよ。


 みんなが食べ始める。俺も食おう。はぐっうん、うまい。ハムとチーズにシャキシャキ野菜。美味いなぁ…。

 次はツナマヨだ。こっちもうめえ。温かいスープも絶品だな。朝は少し冷えるからなぁ。

 俺は次で最後だな。チョコバナナクレープ。甘さもほどほどでマジ美味え。

 みんなもしっかりガッツリ食べて満足そうだった。


「カスミごめん」「嫌わないで」

 双子が涙目で見て言う。あーあの部屋か。

「別に構わないぞ」

 1人居酒屋は楽しかったとは口が裂けても言えないが。


「嫌ってない?」

「全く。嫌いな奴にキスしないだろ?」

 顔を染めて

「濃いの」「凄かった」

 朝からヤローのもじもじとか誰得だよ…



 こうして侯爵家の騒動が落ち着いて、挨拶をして早々に商会へと向かったのだ。


 で、帰りは馬車じゃないから通常のペースより早いくらいで進み、野営を挟んで翌日の夜に帰宅した。半日くらいは早い帰りだ。だってな、例の風魔法でスイスイ。慣れたからみんな地面スレスレを歩くというか滑る。


 側から見れば歩いてる風なのにやたらと早い。

 魔獣にも会ったんだが、我れ先にと群がる従魔のお陰で何もしなくとも奴らはご臨終だ。


 昼は歩きながら食って、夜は手抜きの肉と魚のステーキだ。柚子胡椒かけたら大抵はうまい。

 スープとサラダに堅パンで楽をしたぞ!


 ちなみに普通の野営は堅パンかマズイ干し肉にせいぜいが紅茶。

 まるでフルコースの如く、サラダにスープが出て来てメイン料理まである。食後にコーヒー付き。

 簡単だとカスミは思っているが、とても凄い料理なのだ。まったく無自覚にやらかしているカスミ。


 青い稲妻のみんながカスミから離れたくないと思う程度には、突出してやらかしていたのだ。




 こうして突貫レイラシティ訪問は幕を閉じた。

 といっても、本番はこれからだ。みんなの服を誂えるからな。待ってろよ!

 帰った日の翌日から、俺は部屋に籠った。俺以外はしばらく部屋に入るの禁止と言い渡して。


 と言っても俺にスーツが縫えるわけがない。ただ、精霊紋だけは自分で刻みたい。

 クリスに相談すると、具現化を俺が使えばいいみたいだ。その服飾スキルを俺の体に具現化する。


 まず、糸と布に魔法をかける。それはいわゆる古代魔法で、それにより精霊布になる。

 精霊の力が宿るので、それ自体に守護の加護がつく。


 そして、生地に精霊紋の刺繍。服飾のスキルを具現化して自ら刺繍を施す。

 絵柄に意味があるらしいから、防御と防汚と隠蔽と認識阻害、くらいかな。

 シャツと襟と袖、上着の襟と袖、ズボンの裾にも。


 後はシュプール商会で靴用の革も買ったから、靴に仕立てる。クッション性があって、足に馴染むよう魔法をかける。防汚と後は風魔法と土魔法かな。これで何があっても飛行靴みたいに逃げられる。


 手袋にも魔法反射とか、対魔法を付けておく。あ、これはペンダントにも付けとこ。魅了とか精神操作系の魔法使われても効かないから。


 後は鑑定か。指輪に鑑定の機能を付けよう。飲み物や食べ物に毒とか媚薬とか、要は何かしら入っていたら反応するように。水色の石の色が紫になったら媚薬、黒になったら毒。

 と、こんなもんか。


 で、後は仕上げ。なんかやっぱり俺自身が作ってやりたくなって。だからちくちくと手縫いで作っていく。布のパターンを裁断はクリスに頼んだ。俺はそれを縫い合わせていく作業だ。


 最後にきれいに整えて、大きさは自動調整する。サイズは具現化したエアートルソーに合わせたから完璧だ。伊達に風呂でお世話はしていないぞ!ふははっ。


 よし、完成だ。




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