表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第1章 転移した

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/112

81.邂逅 アマラン

 俺の名前はアマラン、田舎の村出身の25才。

 職業は冒険者、誰でもなれるがその代わりなかなか厳しい仕事だ。

 がんばれたのは同郷のウルグがいたから。俺より一つ上の26才、タンクだ。俺が剣士だから前衛2人、それでもいい組み合わせてやって来た。

 1人だったらとっくに辞めていただろう。


 ランクが低いうちはそれだけでは食えない。野宿したり野草を食ったりとなかなかな思いをしながら、なんとかDランクに上がった。

 安定して食えるようになったのは12才で冒険者になって2年の、14歳になるころだ。拠点として選んでいたのは王都で、仕事はたくさんあったからな。


 で、やっと宿に泊まって飯が食えるようになった。そうすると依頼も順調にこなせるようになる。

 こうして気が付けば22才になっていた。その時のランクはBランク。冒険者としてはそこそこだ。しかしこれ以上ランクを上げたいならやはりパーティーメンバーを増やさなくてはならない。


 後衛を探しているとき、まだ王都のギルドで職員をしていたセイルールさんに声を掛けられた。

「期待の若手いるんだが、少々問題があってな…育ててやってほしい」

 聞けば一人は剣士で一人は魔術師だという、後衛を探していた俺達には願ってもない相み合わせだ。


 何か問題なのかを聞いたが笑って教えてくれたなかった。

 で、会ったのがルキとロキだ。王立学院に通う学生だと言う。ならば貴族だ。

 双子を見て驚いた。目が隠れて見えなかったから。長い前髪で顔を半分くらい隠していたのだ。


 ただ、話をしてみると問題ないと思った。

 貴族なのに平民の俺たちともごく普通に話をするルキと無口なロキ、それでもそれが苦にならない。無口なだけで話をきちんと聞くし、変な行動も取らない。

 試しに技頼を受けてみると、拙いながらもその技は確かで思ったよりも簡単に依頼を終えることが出来た。

 実践には不慣れたが、剣筋は確かで魔法の腕も安定していた。聞けば簡単たが治療法を使えると言う。


 すぐにパーティーに参加して欲しいと伝えた。驚いたようだが頷いてくれた。

 こうして青い稲妻は4人パーティーとして稼働を始めた。


 そして案外すぐに何が問題なのかを知ることになる。後を付けられていたのだ。

 気配がダダ漏れですぐに分かった、だからジェスチャーで伝えて様子を見ると

「どこ行った?」「今度こそ手に入れようと思ったのに」

 不穏な会話が飛び交った。その間、双子は体を縮めて震えていた。怒りが沸いた。


 前髪で隠れていたとはいえ、そのシャープな輪郭やきめ細かな白い肌は際立つ。淡い金色の髪もきれいだ。その顔はきれいなんだろうということは想像に難く無い。


 俺たちの大切なパーティーンバーに何しくさってんだよ!怒りがまた沸いた。

 だからウルダとぼこぼこにしてやった。もちろん背後から俺たちと分からないようにな。

 奴らが背後から襲おうとしていたんだからおあいこだ。そして、それ以降は見つけ次第ふるぼっこにした。


 そんなことがあった後に双子の顔を見た。見せてくれた。予想以上にきれいな紫の目と、顔だった。そしてやっと笑ってくれた。

 この笑顔を守るってウルグとその時に決めたんだ。


 それから3年が経ち、双子は学院を卒業した。てっきり卒業後は冒険者を辞めると思っていたら

「辞めない」「貴族嫌い」

 だとさ。まぁ親が認めてんならいいぜ?ってな感じでギルマスになったセイルールさんが移ったベルシティに俺たちも拠点を移した。

 ベルシティにも慣れて、ルキとロキはCランクに、そしてパーティーもCランクになった。


 そんな折だ、広場で何やらいい匂いがした。肉の販売か?にしては肉がない。

 売ってるのはまだ子供。そしてさらに小さな子供もいる。ビシッとしたスーツを着たちびっ子、物凄く目立つ。


 売ってる子も上品な顔立ちだった。話すと上品さは感じないが、粗野な感じもしない。普通の子だ。

 どうやら調味料を売ってる。魔獣のお肉が美味しく食べられるよ!ってまさかな。


 試食があると言うので食った。マジか美味いぞ。

 2種類まで無料で試食、どちらも美味い。他の調味料も食べたい。だから金を払うから全部食わせてくれと言えば、頷いた。

 ヤバい、どれも美味いぞ。


 金には困っていないが、節約できるならしたい。何より美味い!で、みんなで買った。お礼にと飴までくれた。

 それがカスミとの出会いだ。


 その後、ミスリルを運ぶ仕事を一緒に受けることになった。まさか、それでカスミが死にかけるなんてな、思いもしなかった。


 とんでもない能力のあるアルパカに、ちびっ子執事。謎ばかりだったが、カスミは強盗に襲われて、死にかけたが一命を取り留めた。神官に目を付けられそうになったが、それもなんとか回避。


 あの時、俺とウルグはカスミも守ろうとそう決めた。あんなに細くて小さな体で、青白い顔で横たわったカスミはもう見たくないから。


 ベルシティに帰る時には美味い飯をたくさん食わせてくれた。そして双子がカスミに顔を見せた。俺たちには半年はかかったのにな。

 カスミの反応は驚きだけだった。きれいだなって感じの反応。それだけ。


 それから双子のカスミに対する態度が大きく変わった。なんていうか、心地良いらしい。そして、別々の宿に泊まっていた俺たちも棚ぼたでギルドの宿に安く泊まれるようになった。双子が1番喜んだな。カスミの近くにいられるから。

 ギルマスなりの気持ちだろう。近くに俺らがいれば抑止力になるし安全が増す。


 そして、近くで暮らすようになったから飯を一緒に食う機会が増えた。カスミの作る料理はどれも美味い。しかも飲み物まで作った。酒もだ!

 しゅわしゅわする飲み物と酒は最高に合う。飲んだ翌朝、裸になってるのは謎だがとにかく美味いんだ。

 もちろん、食費は払ってるぞ!


 そして次は護衛依頼を一緒に受けた。カスミへの指名依頼だ。それが終われば双子はBランクに上がれる。俺は喜んだ。あのカスミが依頼先で美味いものが食えるって言うんだからな。


 いや、依頼なんだが楽しい旅だった。海のものってマジで美味いんだなって思った。

 そして、何故かルキとロキとカスミが婚約することになった。正式には挨拶待ちらしいが、めでたい!また飲んだ。酔っ払った。  


 その後もカスミが攫われて双子が暴走して、と盛りだくさんだった。ま、双子とカスミの絆は深まったみたいだから良かったんだろうな。

 受けた依頼の報酬も良かったし。


 ベルシティに帰ってからしばらくして、ルキとロキとカスミの婚約の挨拶に、ギルマスの実家があるラグナシティへ俺とウルグも護衛として向かった。

 そこでカスミがまた攫われて…一悶着あった。

 ってか色々と巻き込まれすぎだろ?


 しばらくは双子も実家に戻っていて帰らなかったし。俺たちはギルマスとカスミとベルシティに戻った。ただな、騒動の影響でカスミが人に触れなくなって。

 戻った双子とはカスミから少しずつ距離を詰めている最中だ。


 やっと落ち着いたら、カスミが今度はしばらく街を離れると言って出て行った。いや、近くの森にいるんだがな。

 夏が来たら、そこで過ごすと張り切って何やらやっていた。寂しがるルキたちの為に毎日、カスミが湖畔で待っていて美味しいお菓子とお茶を振る舞ってくれた。お土産にもらうお菓子は毎度の争奪戦だ。


 そして夏本番を迎える少し前に

「出来たよ!」

 と言うカスミに付いて湖に行った。そこで見たのはツリーハウスだ。木の上に家がある。凄え!年甲斐もなくはしゃいだ。


 いや、マジで最高のバカンスだった。ツリーハウスだぞ?びっくりだ。居心地の良い空間にはベッドもふわふわの毛布まである。大浴場もあって毎日入れるんだ。最高かよ。


 貴族のボンボンのギルマスですら最高だってよ。しかも、本職の料理人もいて、カスミと料理を作る。不味いはずがない。


 さらに、シュワって美味い苦味のある酒。エールなんて子供騙しに思えるくらい美味い酒。ウイスキーはコクがあってこっちもマジで美味い。飲みすぎて起きたら湖に浮かんでた時は焦った。

 こうして楽しいバカンスは終わった。


 俺はカスミの指名依頼をこなしたことでAランクに上がり、パーティーはBランクだ。カスミと出会って俺たちは変わった。いや違うか。根本は何も変わらない。なのに、安定した。カスミ様々だ。


 今日も美味い飯と美味い飲み物で乾杯だ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ