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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第1章 転移した

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78.オランジュ・デュ・パルシェン

誤字報告ありがとうございます…

見直してる筈なのにたくさんある謎

助かります



 俺は慌ててコハクを掴む。

「そばにいて欲しいんだ、コハク」

 耳元で囁けば大人しくなった。危ない、コハクまで参戦したらオランジュが死ぬぞ、本当に。

 しかし、全く空気を読まない奴が…マジか。

 バリバリッ

 あぁオランジュが痙攣して倒れた。


(仮死状態…)

 うわぁ、やめてくれ!慌てているとロキが細い指を振った。

 ビリビリッ


 …ロキさん、何してやがるんだよ?

「起こした」

 オランジュが目を開けた。ほんとだ。

「ショック療法」

 怖え…ロキ怖えよ。


 仁王立ちするクリスに唸るイナリ、ふんふんしているリクに殺気を放つ双子。

 カオスだな、これ。

 うん、これは順番に進めるか。


「クリス、おいで」

 クリスはハッとして振り向くと下を向いた。

「クリス、そばに来て」

 とぼとぼと歩いてくる。両脇は双子が固めているから、俺の後ろに立った。俺は振り返るとその頭を撫でた。


「ありがとな、俺の気持ちを汲んでくれて。スカッとしたぞ!」

 驚いたクリスは顔を上げた。

「ちゃんと手加減して偉いな!」ぐりぐり撫でると顔を赤くして抱き付いて来た。


 当たり前だが俺のジョブだ。俺の気持ちはそのまま伝わる。もやもやした思いを吹き飛ばしてくれたんだ。

 それに本当に吹き飛ぶ程度で、どこもケガしていない。あの馬鹿力の暴力女みたいに力任せじゃなかった。そこにクリスの俺への想いを感じた。

 だからありがとうだ。


 ひとしきり撫でると手を離して

「イナリ、おいで」

 チラッとこちらを見てしっぽを振る。もう一度

「イナリ、ここにおいで」

 膝を叩く。シュンと飛んで来た。


「イナリ、しっぽ痛く無いか?」

(大丈夫…)

「イナリのしっぽは俺のだぞ?他のやつに触らせて欲しく無い」

(主の?)

「そうだぞ!こんな可愛いもさもさしっぽは俺だけが触れたらいいんだ」


(可愛い…?)

 しっぽをもさもさすると、風が飛んで来た。

(馴れ馴れしいわ!)

 ふふふっイナリらしい。これでもう大丈夫かな。しっぽ以外の攻撃は…仕方ない。


 次に振り返ってリクの頭をかかえる。

「リクも威力をすごくすごく弱めてたよな、すごいぞ!」

(ふん、当たり前の前田さんだ!)

「ぶはっ、俺の真似かよ。リクってば俺のこと大好きだろ?」

(ケッ弱っちいからな!)

 首をもふもふしてふかふかの胸にだいぶしたら顎で押し除けられた。やっぱりリクはリクだ。


 最後にロキを見る。

「仮死状態を解除?してくれたんだな。魔法も完璧じゃないか!」

「ん、クリスの教えがいい」

「な、クリスかよ!」

「ふふっカスミも少しだけ」

「酷えな…」

「ふふっ」

 これで大丈夫かな…?


 セシア兄様が

「カスミ…」

「セシア兄様は悪くないよ!」

「しかし、私の子供たちが」

「子供だって自我がある。いくら大人が教えても、それを受け止めるのは子供自身だ。その子が理解しなければいくら教えてもダメなんだよ。セシア兄様はとても立派だ。こんな平民上がりの俺にちゃんと頭を下げて謝れる。立派な大人だ。もう何回も謝ってくれたよ。セシア兄様。だからもう謝らないで。充分伝わったから」

「カスミ、君は本当に…」


 俺はオランジュを見る。

「今回のことは貴族の間で話題になってる。俺は王立学院に入れば攫われた傷物として見られるんだ。それがどういうことか分かるか?それを誰がしたかももちろん、分かるはずだ。お前らは自業自得だ。でもな、俺は完全な巻き込まれで、傷物と認定されるんだ。双子が俺との婚約はそのままで、シュプラール侯爵家もそれを認めてくれた。しかしな、普通なら破談になる。傷物になったかどうかじゃない。攫われたことで瑕疵が付く。俺はもうそういう瑕疵が付いたんだ。自分のせいではなく」


 それを聞いてオランジュはようやく少し理解したようだ。

「俺は別に貴族じゃなくで生きられる。助けてくれる仲間もいる。お前が貴族じゃなくなったらそばにいてくれる人はいるのか?助けてくれる人は?仲間は?嫌な記憶を思い出してでも、俺の為に奔走してくれる人がいる。俺のそばにいたかったはずなのに、辛い記憶と向き合って…そんな人がいるか?自分のために泣いてくれる人は、宝だ。地位や名誉よりも、爵位よりも大切な宝だ!」

「僕は…」


「オランジュ、カスミの言う通り、カスミは自分に過失がないのに既に貴族としては瑕疵が付いてしまった。お前たちの勝手な嫉妬と要らないプライドのせいで。貴族がすることは、周りを大きく巻き込んでしまう。だからその言動には責任を伴う。カスミはそれが分かっている。オランジュも無傷ではない。レムリアの事は広まってしまうだろう。それは自分でした事だ。カスミは違う。分かるな?」

「ご、ごめんなさい…」


「今更謝ってもな、何も変わらない。俺が人に触れられないことも…」

 ハッとして顔を上げたオランジュ。俺と双子の微妙な距離に気が付いたんだろう。


「兄さん、オランジュ。もう帰るといい。何も好転はしない。気持ちを入れ替えて挽回するしか無いんだ。カスミにはその機会も無いけどな。何もしてないんだから、挽回することも出来ない」

 オランジュは俯きながら、セシア兄様は辛そうに帰って行った。

 こうして誘拐からの一連の騒動は後味の悪い終わり方で幕を引いた。




 季節はもうすぐ夏だ。

 だからセイと青い稲妻に提案した。夏の間、バカンスをしたいと。

 そう、あの湖で。街からそんなに遠く無いし、自然豊か。ギルドに行くのもそんなに難しく無い。金もある。いつ使うの?今でしょ!ってなもんだ。


 街を歩くのにびくびくするのも嫌だし、リフレッシュだな。

 そう言ったら

「家どうすんだよ?」

 至極まともなことをウルグに言われた。


 それはもちろん、考えている。俺にはクリスがいるんだ。セイとヒルガさんも賛成した。タウロスさんも何故か賛成だとか。

 で、何か問題が無いか調べてもらったけど特に何もなかった。

 敢えて言うならやっぱり家どうすんだって話だ。


 それについては考えがあるからと話をして、しばらく森でキャンプした。

 リクも入れるように…で、こっちはこうで…大きな居間も作って。

 おぉ、いいんで無い?


 ベッドも完璧。

 今はリクたちとぎゅむっとして寝てるから、リクが入るサイズのベッドだ。ふふふっ、実はリクの毛刈りをした。ふっかふかのもっふもふの毛が取れた。でもリクはつるってしてしまった。やっぱりふかふかがいいから、リグに回帰させた。そしたらリクに蹴られた。


(暑いだろーが!)

 だってさ…ふかふかが良いよ?

 ぐほっ…蹴られた。痛いさ。


 ならリクが暑く無いようにクーラーかな。風魔法を固定化して、動力は魔石で。そよそよ…冷たく無いな。

「スイ、風を冷たくしたい」

(はぁい)

 スイの分身がそよそよの前で氷になった。


「えっ?スイ、体大丈夫?」

(大丈夫ー本体はここだし?)

 ドンッと押された。

(涼しい…)

 リク、吹き出し口にドカッと座ったな。まぁ、空気は循環させてるから問題無しだ。


 なんちゃってクーラーだ。ってか氷を固定化したらいいのか?

「スイ、分身を戻していいぞ」

(はーい)

「クリス、氷を固定化」

「はい、主」


 クリスは礼儀正しいけど少し距離があった。それがこの間のことがあってからその距離が近くなった。もちろん、俺のジョブだから怖さは無い。

 ただ可愛い。最近はデレてるのがほんと可愛いんだ。


 こうして準備は整った。リクの毛?洗浄して布団の中綿にしたぞ!スイに作って貰ったひんやりした接触冷感布だ。量産化はクリスの担当だな。


 こうして約1ヶ月ほどで形になった。その間、双子が寂しがるので湖で毎日会っていた。俺が色々やってる場所とは別の場所でな。まだ秘密だから。

 双子との距離はまだ戻らない。お風呂はダメだし、寝るのもまだ無理だ。それでも触れられるのは大丈夫になった。


 ある日、ルキに言われた。

「隣にいるのが当たり前だったカスミがいなくなって、とても寂しい」

 ロキにも

「カスミの隣がいい」


 なんかえらく懐かれたみたいだ。そう言う俺も少し寂しいと思う。なんだかんだで近くにいると面白くて飽きないからな!


 そして、いよいよお披露目の日が来た。




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