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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律


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68.パルシェン公爵家

「セナリック・ド・パルシェンだ。隣は妻でカトレア、カトレアの隣が長男のセシリア、そして次男のセレーニア、そして長女のセレスティアだ」


 胸に手を当てて頭を軽く下げた。


「ほぉ」「まぁ」「ふうん」「へー」「うん」

 頭を上げるとカトレアさんが目を爛々と輝かせていた。ゾクリッ悪寒がした。

 スッと立ち上がると目の前にすべるように移動し、頭をそっと抱きしめられた。あの…頭がぽよよんに当たってます…。あわあわしているとセイが隣で笑っていた。


 顔を動かすことも出来ずに固まっていたら

「こら、カトレア。カスミが驚いている」

「あら?」

 腕が緩まった。上から俺を見ている気配。両頬に手を添えるとおでこにキスをされた。

 白くてすべすべした指だった。驚いて見上げたら優しく微笑まれた。

「ふふっきれいな目ね…髪の色も素敵よ!」


 カトレアさんはライトグレーの髪に薄い緑の目だ。その色合いもすごくきれいだ。セナリックさんとセシリアさんは淡い金髪に水色の目、セレーニアさんとセレスティアさんはライトグレーに薄い緑の目だ。

 セイはセナリックさんの色だ。


 本当にたまたま、俺はカトレアさんの髪色とセナリックさんの目の色なんだな。

 セイがアレだけの美形だから当然だがみんな美形だ。美形の博覧会だ。その中で俺は普通。なんか恥ずかしい。


 カトレアさんがソファに座るとセナリックさんが話を始めた。

「突然、セイルールが養子にしたい子がいると言って驚いたよ」

 そこから家族として迎えて、さらに養子にする方がいいとなった。で、血族の契りをして…


「魔力を渡すのはとても、そのなんと言うか…特別なんだ。子供達の中でもとくにきれいなセイルールは苦労してね…だから驚いたんだ」

「人に興味が持てなくて。スキルの所以もあってな」

「それがそばにいて触れても平気とかな」

「真横で寝てても顔がきれいだなぁとか眼福とか思ってるって聞いて、笑ったよ」

「邪な気持ちとか独占したいとか、皆無って」

「そりゃ気になるよね」


 中身のおっさんの勝利か?

 俺のジョブの話になってクリスとトーカを呼んだ。リグは封印で。この部屋にはコハクだけ連れて来た。

 みんなはコハクのもふもふなしっぽに興味津々だ。

「触ります?」

 と聞けば首を振られた。恐れ多いだって。お膝抱っこのコハクは可愛いだけなのにな。


「こほん、そのカスミはしっぽが多いキツネは聖獣だと知ってるな?」

「はい」

「それでも撫でるのか?」

 聖獣と撫でるの関連がわからない。

「父上、カスミには聖獣だからって感覚はありませんよ」

「イナリ、ここにいないしっぽが3本の子は腹を空かせていて助けて。この子、コハクは押しかけなので」


「…腹を空かせてた?」

「…押しかけ?」

「テントを出たらリク、アルパカが保護してたのがイナリ、テントの中に入り込んで毛布にまで潜り込んでたのがコハク」

 一瞬の間の後に爆笑された。あれ、そんな反応?貴族って人前では笑わないんじゃ。


 セイを見たら

「みんなカスミの反応が可愛くて仕方ないんだ」

 可愛さの判断基準が不明だ。

「またなかなか」「うふっ」「面白いな」「押しかけ…」「くふっ」

 まいっか。コハクを見て耳にキスをして抱きしめた。


「で、そちらが…婚約者候補かな」

「初めまして、シュプラール侯爵家のルシアーノとロシアーノと申します」

「暴食の、かな」

 セナリックさんがそう言った。難しい顔をして。なんだろ?これは歓迎されていないとか。


 無意識に隣に座ったルキの手に手を重ねる。俺を見て薄く笑うと俺の手にもう片方の手を重ねた。

「そう言う呼び名もありますね…。つい先日も魔力暴走しましたが、カスミが簡単に止めました。引き金はカスミが傷付けられたことですが。その姿を見たカスミはカッコよかったと、守ってくれてありがとうと言ってくれたんです」

 前髪は下ろしたままだけど、しっかりと言い切った。


「私たちにはカスミが必要です」

「それは君たちだけの想いでは?」

「カスミを守れるのは私たちだけです。その能力と見た目で、これから群がるであろう貴族から、私たちなら守れます。その覚悟も、あります」


 その言葉で2人がどうしようとしているか悟った、悟ってしまった。だから

「ダメだ!使い潰される未来しか無い。反対だ!それが無くても、俺を守れるだろ」


 俺はセナリックさんとカトレアさんを見て

「俺…私が2人と共に在りたいんです」

 言ってしまった。

 セナリックさんは眉を上げて

「頼み方があるだろ?」

「そうよ」

 えっ、なんかダメだった?


 ルキが耳元で「家族なんだから…」

 あ、そう言うことか。でも…チラッとセイを見ると頷いた。

「お、お父様、お母様、私がルキとロキと共に在りたいのです。どうか婚約のお許しを」


 恥ずかしい…顔が赤くなる。お父様なんて初めて言ったぞ。俺の言葉を聞いたセナリックさんとカトレアさんは優しく笑った。

「父上も母上もお人が悪い。カスミが可愛いからと言って…」 


 ん?セイを見ると

「カスミに父と母と呼んで欲しかったのだよ。ルキとロキの事も…わざとあんな呼び名を」

 試されてた?セナリックさんとカトレアさんは眉を下げている。思わず脱力してセイにもたれかかった。


「カスミ、その…」

「良かったぁ、反対されてるのかと…」

 ポツリと呟くとなんか和やかな雰囲気になって

「カスミはモテモテだな」「やるな」「男たらし」

 って最後の誰だよ!セレスティアさんか。


「しかしなぁ、まさかの落ちない双子が…」

「私たちの家族になるとはなぁ」

 顔を上げるとセナリックさんが頷いた。

「詳しい話はまた侯爵がいらしてからだな」


 良かった。それからセナリックさんとカトレアさんにはお父様、お母様と呼ぶように言われた。セシリアさんとセレーニアさんにはセシア兄様、ニア兄様と呼ぶように言われた。

 だからセイを見て

「セイ兄様?」

 と言ったら顔を赤くして抱きしめられた。なんだ?

「ティアは俺のことをただ兄様としか呼ばないから…嬉しくて」

 思い入れでもあるのか?


 話が一段落した所で

「カスミ、コーヒー飲みたい」

 とセイが言った。ここで?

「カップなら用意済みだ」

 ヒルガさんがワゴンを押して来た。だから

「クリス、焙煎機出して」

 と呼べばどこからか現れるクリス。みんなが驚いてるな、ジョブだからいつでもどこでもジャジャジャジャーンなのだ。


「いつも通りで」「畏まりました」

 俺はフィルターをセットしてクリスが時短で煎った豆をミルで粉にする。フィルターに載せて上からお湯を注ぐ。魔法で出した奴だ。


 ゆっくりと茶色い液体が溜まっていく。それをそれぞれのカップに注ぐ。

「苦いので、お好みで牛乳と砂糖を入れてください」

 セイがブラックで口を付ける。双子は当然みたいに動かない。はいはい、牛乳な。混ぜて渡すとこくんと飲んだ。俺はブラックだ。コクン、はぁ落ち着く。


 父上がそっと匂いを嗅いで口を付ける。

「おっ、美味いな」

 みんなも飲んで驚いている。ティア姉様(そう呼んでと言われた)は牛乳と砂糖を入れた。お母様は砂糖を、セシア兄様はブラックでニア兄様は牛乳入り。

 案外好評だった。


 今回、訪ねるのに合わせて作ったものを披露しようか。

「セイ、お皿ある?」

 ヒルガさんが出してくれた。どこから?

 そこに袋から出したものを盛り付けた。こんなもんか。

 コーヒーのおかわりはクリスが淹れた。

「良かったら、ちょっとした甘味です」


 俺が手を出すより早くお母様が食べた。早い!毒味とかいいのか?

「まぁ、美味しい…もしかしてチョコレートかしら?」

 頷く。チョコチップクッキーだ。焼いてみたんだ。

 双子も素早く口に入れる。

「美味しい…」

 甘さ控えめだ。セイも食べると「美味いな、コーヒーに合う」

 そうだろそうだろ。

「それで、カスミ。その子は?」

 あ、クリスの説明してなかった。




ルキとロキは自分たちのジョブを公にしてもいいと考え、それに気が付いたらカスミが止めようとしています

剣聖と賢者は国に抱えられるので、下手すれば婚約すらなかった事にされるくらい危険です

2人はそれほどまでにカスミを守りたい、と言う覚悟でした



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