61.海ものフライと鱧鍋
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします…
俺は幸せに午睡をして、目を覚ますとコハクを抱きしめていた。背中にはイナリが張り付いている。もかもかしている。
そして起き上がってベッドに腰掛けるとルキとロキが跪いて俺に求婚した。始めは意味が分からなかった。俺は純粋な男だ。双子ももちろんナニ持ちだ。
不思議そうな顔をしているとどうやら条件付きで同性婚が認められるという話を聞いた。そして双子は同じ人と結婚するそうだ。
何故俺なのかは分からないが、この間の学院で裸の男がベッドで寝ていたとか、下着姿の女性に抱き着かれたとか、教室に閉じ込められて追いかけ回されたとか、そんな話を聞いていたからか、すんなりと俺を守るためだと理解できた。
そして、まぁ見てるだけなら眼福だしそれも有かと思って頷いた。緊張で泣きそうな顔をして俺を見る双子が愛おしく、ほんとうにちょっと愛おしく思ったのもある。
そしたらコハクに頭を噛まれた。甘噛みだが地味に痛い。だからコハクが一番だと言えば前脚で胸をけりけりした。可愛いぞ?
頭にキスをして耳をもんで腹にキスしてやった。大人しくなった。しっぽに顔からダイブしたら固まった。
「夜にたっぷりな?」と言えばすり寄って来た。ふふふ、可愛い奴だ。
双子にも抱きしめられた、まぁなんだ、どうやら結婚するらしい。
その時の俺は結婚することで生じる体の交わりについて知らなかった。
かわるがわるキスをされた後でもじもじと告げられた衝撃の事実に固まった。マジか?俺は…マジか。
「優しくする」「婚約中はなるべく我慢」
おい、なるべくなのかよ!そこは俺の成人まで我慢してくれ。
まさかこの年でか、少し遠い目をした。とはいえ、そもそもが沈黙している俺の分身。なるようになるか?
中身がおっさんの俺はノーマルだが、まぁそこは女性に夢見る年頃でもない。正直、きれいな男の方がいいかもしれない。経験はないから知らんが。
で、諦めた。
双子は相変わらず俺を弟枠でしか見ていない。出来るのか?それが顔に出ていたからか。
「問題ない」「抑えてるだけ」「カスミならいい」「出来る」
断言された。それはそれでどうよって思ったぞ。
正式に婚約する前に双子の両親とセイの両親に会う必要があるらしい。まぁなるようになるか。
俺の本当の出自を知らせる必要があるかどうかは分からない。トーカによるとセイも双子も言わなくてなんら問題はなさそうだ。
純粋に好意を持っているみたいだから。性的なことを求めているわけじゃなく、そちらは単純に年頃だからってことみたいだ。
その日の夜ご飯は昨日食べられなかったから、海鮮バーベキューその2とフライ、そして鱧鍋だ。
カニクリームコロッケ、カニツメ揚げ、アジのフライにホタテのフライ、そしてもちろんエビフライだ。
タルタルソースはザーサイがないのでなんちゃってだ。
たこ焼きソースも少し使う。
そして鱧鍋。ネギや青菜、きのこも入れて食べる。美味い!ふわふわの鱧は絶品だ。なんか泣きたくなるくらい美味い。鱧とは季節が違うが、フグもあった。こっちは季節感がないのか?有り難いけどな。
こうして衝撃的な事はありつつも無事に3日目が終わった。婚約って指輪とか交換するのかな?
明日の朝、海岸で何か探そう。シーグラスとかあったらクリスに前に取った鉱物で指輪かブレスレットか、作ってもらおう。
記念は大切。
セイが今日は酒なしって言ってたくせに
「めでたい!」
って酒を出して、ヒルガさんまで飲んでた。俺は相変わらず果実酒のソーダ割りだ。
一応、主役だからとルキとセイと乾杯した。酔った。まだ仮だが婚約者になったから、双子の距離感はゼロになった。それを見て一応、一線を引いていたんだと分かった。無くなった線、俺大丈夫だよね?
「楽しみは取っておく」
「父様に紹介してから」
だそうだ。いやいや、紹介したら諸々解禁なのか?
まだ早いって言って欲しいと切実に思った。
で、酔って寝た。記憶は、無い!
そして夢を見た。
懐かしい匂いと姿。猫足の豪華なベッドに白い髪の美形。あぁ、コハクだ。すぐに分かった。
複雑な顔で俺を見る。
「コハク、おいで!」
タタッと走って来て俺を抱きしめた。ふわりと森の匂いがした。
その温もりには確かに覚えがある。
「コハク、何度か会ったよな?」
「ふん、覚えてないくせに」
「忘れてただけだ!思い出したぞ」
そう言って髪の毛を撫でれば嬉しそうだ。柔らかいほっぺを突いて撫でる。すべらかであったかい。
「ふふっコハク可愛い」
顔を赤くして俺の胸を叩く。
「浮気者!私が伴侶なのに…」
「コハクが1番だろ?ずっと一緒だ」
それでも俺の胸をポカポカ叩く。可愛いな、おい。人の形になったコハクも俺より少し大きい。その腕にすっぽり包まれる。髪の毛にキスをして、唇が触れた。不思議だ。夢なのにちゃんと感じる。
「夢じゃ無い!私の亜空間に呼んでいる。ここには伴侶しか入らない。カスミと私だけの空間」
「凄いな!呼んでくれたのか?」
「今日で3度目だ」
「そうか…」
コハクが俺の手を引いてベッドに押し倒した。
「何度もこうして…」
そうしてコハクと肌を触れ合わせた。いたした後、コハクがチラッと俺を見て
「子供ができる」
と言った。マジで?えっとコハクは確か聖獣とかだよな。子供はキツネか?
「カスミは…その」
目線と逸らすコハク。キツネならもふもふのもさもさだし、人でもコハクに似れば可愛い。
「可愛いだろうな、コハクの子なら!いつだ?」
「楽しみ?」
「当たり前だろ!コハクと俺の子なんだろ?楽しみに決
まってる。もさもさか?」
頷くコハク。とても嬉しそうだ。
「ありがとな!」
単純に嬉しかった。こちらの世界にいてもいいと言われたみたいで。
それから聖獣として生まれるという子供の話をした。半年くらいで生まれるんだって。コハクが生むみたいだ。決まった性別はないが、産むことはできる。不思議な生態だ。
もさもさのしっぽを持つ小さなキツネ。想像しただけで可愛い。
その後もコハクが俺を離さず、朝まで寄り添っていた。双子より更に細くて華奢だから、女性みたいだ。
金色の目で恥ずかしそうに見るコハクはツンが取れたひたすらデレていた。とっても可愛かったぞ。
目が覚めると腕の中にコハクがいた。いつもと違って頭が俺の顔側にある。耳を触ってキスをする。後ろ脚で蹴られた。可愛いな、目が覚めてるんだろう。耳元で
「大切な伴侶だぞ」
と囁くと目を開けて甘えて来た。うわ、マジか…可愛すぎるだろ。ふかふかの耳を俺の頬にすりすりしてるぞ!
もふもふは耳毛すら愛おしい。体中撫で回した。
ごふっ、痛いよ。
「昨日散々な…?」
と言ったら前脚で顎を蹴られた。ふふっツンデレ来たな。
しかし、双子と婚約の運びになるわ、コハクと致すわ。俺まだ12才だ。大丈夫だよな?
双子は俺にそっちは積極的に求めてないし、ある意味利害の一致なだけだから安心だ。とは言え、彼らも年頃だ。他で発散してくれたらいいけどな。無理だとやっぱり相手は俺なんだろう。優しくするって言ってたからな。
ふふふっ、俺も発情期を迎えたらコハクをにゃんにゃん、キツネだからコンコンか…すればいい。
セイの顔を見る。寝てても整った顔だ。酔って寝たけど一応、部屋には戻ってたみたいだ。セイは細身だけどガッチリしていて、その腕の中は安心感しかない。
酔った時に、人に触れると感情が分かると言っていた。マジで?顔きれいとか、ちょっと残念とか考えてるのモロバレだったのか!と思ったら頭を撫でられた。
そんな風な感想なら歓迎だよ、だって。どんな感情を拾ったんだろうな?
目を開けたセイがあれって顔して俺を見て脱力した。
「良かった、守ったか」
何がだ?不思議そうに見たら
「カスミにはまだ早い」
だって。その言葉の意味は後で知ることになる。
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