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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律


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54/73

53.旅の途中

今日はクリスマスですね…

オマケで夜にも投稿します

 みんな思い思いに遊んでいる。俺の膝に乗ったヒナを見てカラスがくちばしで突く。お世話だ。

 目を閉じて恍惚とした顔をするヒナ。見様見真似でスズメもお手伝い。可愛いぞ!


 双子が両隣に座る。なぜか横座りで俺にもたれる。

「ここはカスミの匂いがする」

 ルキが言えばロキが頷く。

「匂い?」

 えっ、ちょっといや、かなり嫌だ。


「匂いって体臭とかじゃねーぞ!魔力だ。お前の魔力そのもの、それを匂いと表現した。香りとかお前自身とも同義だな」

 さらに気持ち悪い!


 双子は澄ました顔で

「心地よい。カスミの魔力は透明、透明で心地よい」

 俺が魔石を作るとほぼ無色だ。ほんのり水色が付くくらいか。

 ルキやロキにははっきりと色がある。

 ルキは青、ロキは紫だ。ジョブに関連する色らしい。


 キモくないならいいか。

 向かい合う位置にアマランとウルグがドカっと座った。

「すげえな、これ」

「あぁ初めてだが心地よいな」

 臭いって思われてないよな?


「匂いと双子は言いましたが、主の魔力を感じているというのが正しいです」

「良くも悪くも欲望がないからな、心地いいだろ!」

 トーカが優しい。むんずと捕まえて頬ずりした。

 空気で飛ばされた、だから痛いよ!

「変態が!」


 ふふっ逃げられないぞ、お前は俺のスキルだ!ふんすっと鼻息を吐くと回りから笑われた。

「カスミは人気者」

 空気で飛ばされた状態がどう人気なのか不明な俺だった。


 その場でロキが手に魔石を作った。それは約3㎝ほど、いつものサイズより大きかった。

 そしてアマランとウルグが魔石を作れた。2㎝程度ではあるが凄い。アマランは赤でウルグは緑だ。

 あまり最初から飛ばすのも何だから、テントに戻った。


「ヤバいな、カスミから離れられないぞ」

 アマランの言葉にほかの3人も頷いた。何でだ?

「おほん、主は少々にぶくてございまして」

 おい、誰がにぶいんだ。全員で頷くのはやめろ!


「単純な話、めちゃくちゃ便利ってのもあんだけどな。なんてーかよ、ジョブは凄えのに緩さが心地いいっつーか」

「それな。必死さが無いのが返って心地よい」

「僕たちを見てもがっつかないし」

「食事とお風呂の世話もしてくれるし」

「「とにかく便利で安心」」

 まんま安パイ君じゃねーか!さらにはお世話がかり。


 ま、それはそれで危険なんだろうがな。

「いつもはそれなりに気を張りつめているからな。適度に気が抜けていい。もちろん、染まることはないからな!気を抜いたらヤラレル」

 重い言葉だった。



 テントに戻って1人寝だ!



 …なんで双子がいるんだよ!しかもまた挟まれてる。

「予行演習」「大事」

 意味が分からん。コハクを抱きしめて寝た。

 翌朝もぎゅうぎゅうだ。暑苦しくないのか?ま、寝ている顔は眼福だからな、その柔らかい頬を突いてコハクを撫でまわした。


 恒例の朝散歩とリクたちのお手入れだ。ベルの馬たちも一緒にお世話する。

 そして朝食の用意。堅パンを適当な大きさに風魔法で切って器に入れる。

 小さな玉ねぎの皮を剥いて芯を取ると丸ごと器に投入。

 人参は豪快に半分に切って入れて、たっぷりのコンソメスープ、その上にチーズ。


 クリスに作ってもらったなんちゃって簡易オーブンに放り込む。時間促進して、あつあつほこほこだ!

 取り出すと各自に配る。どこその有名なメーカーよろしくホーロー鍋。

 赤、黄色、青、緑、オレンジ、ピンクと色とりどりのホーロー鍋にドドンと作った。


 今日は白竜とトルフも参加だ。

 まずはリクたちの分を取り分ける。そして各自の皿に取り分けてから

「お替わりは各自でな!」

 と言って食べ始めた。


 俺は熱いのが苦手だからちいさな鍋に自分のお替わり分まで取り分ける。

 俺の膝に陣取るコハクにはコハクの皿からふーふーして食べさせるのだ。

 全身もふると嬉しそうだ。伴侶だからなと言えば後ろ脚で蹴られた。解せぬ。


 朝ごはんのパングラタンは好評だった。熱々だからな!

 食べ終わると出発。

 トルフと白竜も感動していた。そんなにか?ま、喜んでもらえたならいいけどな。

 そして出発した。今日は昨日の雨が嘘のように晴れ。今度は暑さ対策か?どちらにしろ、俺は結界をしてるから、暑さ寒さは比較的大丈夫だ。

 やっぱり馬だろうな。


 貴族の馬車は揺らさないように静かにゆっくり走るよう調教される。だから早く走るということが出来ない。馬車なしならもちろん走れるが。

 で、距離を稼ぐ為にベルから昼休憩は他の休憩同様に、短くと進言した。俺もそう思う。

 それでも空間魔法で浮かせたお盆があるから俺たちは大丈夫だ。


 ベルがしっかりとお世話をしたからか、午後になっても貴族の馬車は速度が落ちることなく、予定の野営場にたどり着いた。

 その日の夜も手抜きで豚丼だった。手抜きもいいな!

 早々に寝ると、夜に気配を感じた。


 双子から転移で抜け出すとイナリとコハクも付いて来る。外に出たら囲まれていた。

 もっとも囲まれているのはベル、白竜のテントと馬、騎士たちのテントと貴族の馬だ。

 囲んでるのはゴブリン。


 こっちはというと、完全にスルー状態。これはクリスが作った隠蔽工作による。

 テントや人、もちろんリクたちも認識できないようにしているのだ。

 なのでピンチなのはあちらだけ。とはいえ貴族はいいとしてもベルの馬車は護衛対象。


 双子は俺の防御もりもりのテント故か、すやすや寝ている。俺は白玉の気配で起きたが。

 アマランとウルグはやはり不穏な空気で起きたようだ。ゴルが起こしに行く前に気が付いたらしい。

 双子はどうするかと思っていたら、アマランが首を振った。


 スッと俺に近づくと

「カスミは馬と荷馬車を頼みたいから、待機だ」

 小さな声で言う。そもそもそのつもりで少し移動して馬も荷馬車も俺の防御圏内に入れた。


 ちなみにリクは臨戦態勢。なぜかカラスもだ。スズメは俺の肩に避難してきた。イナリとコハクもいつも間にかテントから出て伸びをしている。この状態で緊張感ねーな!


(弱いし)(弱いから)

 だそうだ。頼もしい限りだ。

「ぷもぷも!」

 白玉が怒だ!気配に敏感だから、起きてしまった。だから不機嫌極まりない。

 前脚の爪をシャキーンと出して角も何やらキラキラしている。


「魔力をため込んでるな。攻撃が来たら白玉の角から広範囲攻撃が出る」

 おい、トーカ早く言えよ!慌ててアマランに伝える。

 アマランからゴルへ、ゴルからトムたちへ速やかに伝わった。


 そして静寂を破るように

「ぎゃぎゃー!」と汚い声が聞こえ一斉に飛びかかって来た。俺?念のためお馬さんのそばに待機だ。

 バリバリバリードンッ

 白玉の角から迸った光はゴブリンの群れに降り注ぐ。器用に白玉は360度一周した。

 終わるとぴょんぴょん跳んだ。トーカが寄り添っている。


 ざっと1/3くらいがマヒしている。いや、手前で直撃した奴らは即死だ。

 そこからは入り乱れての混戦。俺は遠くの方に風の刃を飛ばし土を泥化する。これが地味に効くんだ。

 リクが囲んだゴブリンに突っ込んで掻きまわす。リクが走った後には緑また緑。


 トルフは相変わらず左右に緑のお山を作っている。

 白玉が鳴いた。

「頭を下げろ!」

 俺の声に呼応するように頭を下げる面々。しかし、聞こえなかったのかいっぱいいっぱいなのか、騎士の一人が立ったままだ。

 白玉は構わず魔法をぶっ放し、その人は体を痙攣させて倒れた。


「トーカ!あいつは?」

「仮死状態…ほっとけ」

「いいのか?」

「そのうち目が覚めるだろ」

 そんなんでいいのか!取り敢えず俺は倒れた騎士に向かって怒りをぶつける。


(ゴブリンごときにいっぱいいっぱいになってんじゃねー!お嬢様を守るのが務めだろ!周りをよく見て戦え。数が多くても弱い敵だ)

 倒れた奴の前を他の騎士が守る。しかし後ろから緑が接近した。


 ドカッ

 リクの蹴りがさく裂。さらには倒れた騎士を咥えて貴族の馬車の屋根に放り投げた。

「ぐっ」

「戻って来たな、仮死状態からは脱した」

 ならば無視でいいだろう。


 苦戦気味だった貴族の方には、リクが参戦することで余裕で終わった。トルフが頑張っても全方位は無理だからな。ってか騎士弱いな。やはり対人戦特化なのか?


 今回一番活躍したのは白玉だ。そして次に活躍したのがリク。俺の従魔が無双ってる件。

 みなちに俺の泥化でゴルが大活躍。シーフはアサシン的な戦闘が得意だから動かない敵は敵じゃないみたいだ。


 で、後始末はお任せして俺は大活躍の白玉を抱きしめてテントの端で毛布を掛けて寝た。イナリは足元にコハクは背中に張り付いて久しぶりのもふもふ祭りだ。




 …なんでこうなる?目が覚めたらしっかりと双子にホールドされていた。俺はテントの端でもふもふに囲まれて寝たよな?

 双子の謎行動…そして重い。ロキの頭が肩に載っている。弟の予行演習なら押しつぶすぞ!




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