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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律


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50.依頼達成と同郷の人

祝50話…


先は長いです、気長にお付き合いください

 依頼を受けた筈が、俺は何もせずに茶碗蒸しの材料を取って終わった。

 山は恵みの宝庫だ。山菜はタラの芽と蕗のとうだ。季節感は春なのか?ポカポカ陽気だからか春みたいだな。

 夜は天ぷらか。紅生姜とミツバが欲しい。

 緊張感無く歩いていた。ふと、何か感じた。ロキを見ても反応しない。なんだろう…?


「ぷもん…」

 後ろ脚で立ち上がった白玉が反応した。

(あっち…)

 白玉の言う方向に逸れた。なんだろう?ナニか聞こえたような。


(…けて)

(怖い…)

(嫌…だ)


 途切れ途切れの声が聞こえる。走り出した。後ろからはロキが付いてきた。

 見えた!何か鳥が小さな何かを突いている。走りながら「クリス、鳥だけにロックオンだ!」

「はい、主」

 手を振り抜く。風の刃が飛んで鳥の首を刈り取った。

 そこにはクリーム色の塊があった。生き物だ、血の色が見える。

「リグ、回帰だ!」

「はい、主」


 ふわんとひかると赤が消えた。リグはケガをする前まで戻したんだろう。

 近寄るとヨタヨタと歩いて来た。回帰は元に戻すから、この子たちは本当にまだ赤ちゃんなんだろう。

 クリーム色の体、見た目は猫とうさぎにキツネのしっぽを付けたみたいな感じ。

 上に立った長い耳、ふさふさのしっぽ、丸い体。

 でも額には赤い宝石が嵌っている。


 眺めていると2匹が俺の膝に、1匹がロキの膝に乗った。そっとお尻を支えると、指に吸い付く。

 トーカを見ると

(魔力を取り込んでる。魔石を渡してやれ)

 なるほど、エサは魔力か。

 魔石を作ったら群がった。

「ロキも魔石を」

「無理」

 そうだったな。俺の魔石をロキの膝の子に渡す。抱きしめた。


「カーバンクルだな」

 なんだそれ?

「やっぱり…幻獣、だね」

 ふーん。もこもこで可愛い。目は猫みたいなんだ。なんかアニメに出てくるキャラクターみたいだな。可愛い。眉間を撫でたら溶けた。ぐにゃりを体が広がる。

 ロキが

「何した?」

「眉間を撫でた」

 ロキも撫でるとその子は溶けなかった。むっと考えるロキ。俺がロキの手を持ってそっと撫でると溶けた。

「カスミの手はすごい」


 何故頭を差し出す?だから上目遣いで見るなよ。仕方ないに、その髪の毛を梳かすように撫でる。

「ん、気持ちいい…」

 抱き付かなくていいぞ、全くパインなら大歓迎だがな、男はいらん。


 この子たちは親元に返すか?広辞苑で調べる。

 ダメか、どうやら時空の狭間から落ちたみたいだ。そもそも幻獣はこの世界にはいない。他の世界から堕ちてしまう子が迷い込むんだって。

 元の世界には戻れない。そう分かって親近感が沸いた。俺も同じだ。もっとも俺は選ばれてしまったんだが、似たようなもんだ。


「連れてくぞ!」

 ロキは頷いた。ってか服の中に入れてんじゃねーかよ。お持ち帰りは当然なんだな。

 ふわふわの子を1匹は手に、1匹は肩に乗せた。白玉が頭を舐めてお世話をしている。気が付いたのは白玉だからな。


 みんなは俺たちが離れた場所から進んでいた。待ってくれないのな。ま、信頼させれると思おう。

 山を出ると

「何があった?」

 アマランが聞く。ロキはシャツからカーバンクルを取り出す。驚いている。


「カーバンクルか…これは凄いな」

 珍しいのか。

「幻獣は偶然堕ちてくる。出会いたいと願って出会えるもんじゃねーからな」

 へー。

「分かってねーな、カスミは」

 うん、だって出会えたしさ、3匹もいるし。

 ルキが近寄って来て俺の手を見る。手の中の子を渡すとそっとくるんで頬に寄せた。


「名前付けてやれ!」

 誰が?ウルグを見ると

「カスミが助けた。ケガが治った…」

 アマランが厳しい顔で俺を見る。

「カスミは治癒魔法が使えるんだな?」

 まぁ使えるな。

「使える。が、今回のは俺じゃない」

「どういう事だ?」

「リグ、おいで」

 ふわりと顕現した。実際はクリスが見える化したのだ。


「俺のジョブだ。リグと言う」

「待て、お前はクリスが…」

「2つのジョブがある。ダブルなんだ」

 この世界では2つのジョブを持つ者をダブルと言う。そして俺はそのダブルだ。かなり珍しい存在だ。


「成程。クリスの話しかしていないなら、クリス以上にヤバいんだな?」

 アマランは流石だな。

「そうなんだ、悩んだけどな。青い稲妻は信用出来るから」


 そして、リグの力である回帰の話をする。流石に驚いた。そりゃそうだろう。時間操作のスキルと合わせ技で、時間を戻せるんだから。もっとも、単に美容のためにとかそういう使い方はどうやら出来ない。

 ケガを治すとか、そういう感じの回帰は可能だ。本来の使い方は人ではないからな。


「つまり、人に対しても使えるが物に対しても使えると」

 そちらが本命だろう。だから食べ物も、一度だけは回帰できると伝えた。


 その場で座るとマンゴウを出した。皮を剥いてみんなで食べる。そしてその皮からリグが元に戻した。

 目に見えると実感湧くよな。

「食べ物系は一度限りだな」

 流石に誰も口を聞かない。


「さっきはこの子たちに使ったんだね」とロキ。頷く。

「酔った翌日も回帰出来るぞ」

 と言えばみんなは変な顔をした後に笑い出した。

「ぐはっ、マジかよ…ふはっ、いや凄いジョブなのに…2日酔いに使うとかな。やっぱりカスミだな。ふう、安心した」

 何がだ?


「治すことも出来るが、ケガをした状態にも戻せるって事だ」

 考えもしなかったが、それもそうか。恐ろしい。青ざめた俺の頭を撫でた。

「カスミなら大丈夫だ。治すことは気が付いてもケガをさせる事は気が付かなかっんだからな」


 普通はいい方に戻すだろ?

「俺たちは全員、逆に考えた」

 よく分からん。トーカが

(こちらの世界では人に優しくとか人のためにという感覚が薄い。命が軽いし生きることに必死にならないとダメだからな)

 それは、安全な国で俺が育ったからか?分からない感覚だ。


「カスミはカスミ…」

「大丈夫、こんな凄いジョブで幻獣を癒したり、2日酔いに使う。人を傷付けることは考えてない」

 そらな、必要がないからしない。それだけだ。

「ああ、そうだな。金にも変な執着はないし、必死じゃないことが返って心地良い」

「なのに能力はあるからな」

「そんな善人じゃないがな。必要じゃないことはしないだけだ」


 何故かみんなに撫でられた。リクを見上げる。

(そんな野心が無いからこのジョブを選んだんだろ!)

 その通りだ。格言だな。


 こうして俺はみんなに重荷を一緒に背負って貰った。有り難い。変わらないでいてくれることが嬉しい。

 こうして街に戻って来てギルドに報告した。卵は必要数だけ納品して、食べることにした。

 俺は少し考えて

「リグ、2つほど回帰出来るか?」

「可能です」

「頼むよ」

 育てたらカラスみたいに卵を産むんだって。だから育てることにした。


 クリスが

「亜空間で孵化させましょう」

 産まれた途端に死なない?生き物は入れないでしょ。

「亜空間には入れます。亜空間収納は生き物は入りません」

 違いがわからん。また教えて貰おう。


 依頼達成の報告が終わったので、広場に向かう。

 お、いた!玄一郎さんだ。

 近づくと俺に気が付いて手を挙げた。横には幼い子供がいた。

「買いに来た!」

「足りんかったか?」

「周りがな、美味いから買いたいってさ」

「そうかの」

 幼い女の子は玄一郎さんを見て

「じいじ、売れてるの?凄い!」

 玄一郎さんは優しく笑うと頭を撫でた。


「おや、その子はまた珍しい」

 肩のカーバンクルを見た。

「玄一郎さんは分かるのか?」

「もちろん、鑑定じゃな」

 あー高い奴な、買ったのか。


 アマランたちが俺を突く。

「買いたいぞ!俺は10個くれ」

「俺は15だ」

「50」

 双子はえげつないな。顔が引き攣ったぞ!


 そこにベルがやって来た。

「カスミ、ここだな?私にも50くれるかい」

 女の子は驚いてから嬉しそうに笑った。

「凄い!じいじお金持ち」

 その可愛い言葉にみんなで笑った。

「手伝うぞ!」

 玄一郎さんに並んでたこ焼きを焼く。くるくるとひっくり返す。


「すぐに完売するのぉ。この後時間あるか?良ければワシの家に来なさい」

 ベルを見る。

「大丈夫だ、まだ手前の街に着いてない」

「行くぞ」




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