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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律


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34/73

33.クリスの評価

 ジョブを教えて貰ったし味方は欲しい。自分の立ち位置が分からないからな。だから初めて自分のジョブを伝えた。

 ただ、具現化が有能なのは俺の異世界知識のせいもあるから、そこは想像力だと誤魔化した。


 ロキは驚いてその紫の目を開く。

「それは…凄いな」

 そしてクリスがその具現化ジョブで具現化した具現化ジョブの人型だと言えば、完全に固まった。


「えっ、えっ…」

 そこからはひたすら撫で回されたクリスを微笑ましく見ていた。

「凄い!」

 服を脱がされそうになって、流石にクリスが嫌がった。

「夜に風呂でも入るか?」

 と言えば頷くので、クリスを解放して貰った。


 この際だし、トーカまでは紹介しよう。

「トーカ、おいで」

 手のひらに着地するトーカ。いつもは俺のローブのフードの中にいる。基本、見えないらしい。だからこれはクリスがロキにも見えるようにした。


 手のひらに乗っているトーカは白い髪に青い目の可愛い子だ。見た目だけな!

 ロキがまた目をまん丸にして

「か、可愛い…」

 トーカを指で撫でた。あれ?素直に撫でられてる。

(フン、カミスと違って裏がない)

 まんまお前が裏だろ!突っ込んだ俺はきっと悪くない。


「見た目だけは可愛いけどな…それと優秀だけどな…口がとにかく悪い」

「えっ?こんなに可愛いのに?」

 頷く。激悪だぞ。

「クソとか死ねとか頭悪いとかケッとかな。俺にはキツイぞ」

 小さな頭を指でくりくりする。風が飛んで来て吹き飛んだ。


「カスミ!」

 起き上がると

「いつもの事だ」

 肩をすくめる。

「トーカは透視で、まぁ色々視える。必要な情報しか聞かないけどな。裏のある相手は分かるんだ。トーカがロキは大丈夫だと言ったから」


「主、トーカのことをちゃんと話さないと分かりませんよ。ロキ殿、トーカは主のスキルを私が具現化した存在です。いわば実態のあるスキルです。で、そのスキルが透視と言うわけです。主は全く口下手でして…」

 あ、そうか。スキルって言ってなかった。


 あれ、ロキがトーカを見て止まったぞ。

「ロキ…?」

 そっとトーカを両手で包むとじっと見つめる。

「凄い!本当に…?」

「俺に気が付いてなかった時点で、賢者は使いこなせてないな」

 と言った。


 ロキは真剣な顔で

「そうなんだ。今世は有名な賢者がいない。それに、隠してるのもあって師事することが出来なかった。だから僕は使いこなせない」

 トーカを見ると

(目覚めてない…)

 どうしたら?

(自分で殻を破るしかないぞ)



 まさかその殻を破る、に俺も巻き込まれるとはこの時は知らなかった。



「やがてその時は来る…焦らず待てばいい。良くも悪くもカスミは手本になる。まだ若いんだから焦るな!」

 やっぱりトーカ優しい。俺にも優しさの大盛りプリーズだぞ!

 ぐはっ空気砲が来た。

 ロキはトーカに頬ずりしていた。見てる分には眼福だな。


 とカミングアウトしたので、お互いに力を隠さずゴブリンの巣に挑む。




 瞬殺だった。

 クリスが足元を泥化、動けなくして火魔法を纏わせた風の刃で首チョンだ。

 ロキは魔法の風の刃でやっぱり首チョン。

 50匹ほどの群れは10分かからず殲滅した。


「クリス、耳の切り取りを頼む」

「はい、主」

 一瞬だった。多分、耳だけを切り取る何かを具現化したな。

 血の匂いはイナリとコハクが土をかけ、ロキも風魔法で散らした。


 少し戻って休憩する。

「僕はまだ基本属性と氷魔法、治癒魔法しか使えないんだ」

 話を聞けば、賢者とは全ての魔法が使える。基本属性の火、水、土、風にスキルのある人しか使えない雷、氷、空間、治癒。


 空間魔法には空間操作と転移がある。闇魔法と呼ばれる属性だ。治癒は光魔法で結界も治癒魔法だ。

 それらが全て使えるのが賢者。なのに、ロキはまだ基本と一部しか使えない。治癒はそれこそ切り傷程度しか治せないと。


「ずっと模索してるんだ…」

 トーカは

(自分で習得しないと意味がない。多分、必要に駆られていない)

 あーなるほど。切実さがないから使えないと。

「ロキ、それはいい意味で恵まれてる」

 驚いて俺を見る。


「切実に使えないといけない場面がなかったんだろう」

 俯いて考えてから顔を上げる。

「僕はお金に困っていない。死ぬようなケガもしていない」

 多分な。

「だから今まではそれで良かった。ただ、習得したいのなら、厳しい場所に自分を置かなければならない。それを本当に望むか?」


 息を吐くと

「ありがとう、良く考える…」

 その後ふっと笑うとトーカを撫でて

「カスミとの出会いは、必要だったんだな…」

 まぁな、出会いは必然って言うし。

 そのまま歩いて森を出た。


 そこでお昼だ。

「この間の魔魚が食べたい」

 ロキのリクエストだ。あー魔魚という名のワニな。

 普通に串焼きにして柚子胡椒で食べるか。薄くパンを焼いて巻いて野菜と食べるのもありだな。

 小麦粉を練って薄く伸ばして網で焼く。

 肉を串に刺してこちらも焼く。包む方には味を付けた。

 クリスと共同作業だ。


 トルティーヤ風のパンに肉と葉野菜を包んで、串焼きには柚子胡椒、スープはコンソメ風だ。

 イナリとコハク、カラスとスズメの分も取り分けてロキにも渡す。

「お美味しいな…これ」

 柚子胡椒だな、美味いよな。


「この間のスープに入っていた丸いのも美味しかった」

 肉団子だな。

 追加でつくね風の串焼きを作る。

「こっちもどうぞ」

 パクリッ

「柔らかくて美味しい…」


 食べ終わるとロキに風魔法で体を浮かせる方法を教えてスイスイ帰って来た。

 帰り道で、ロキから提案された。

「カスミを守るためにもこの話は僕のパーティーとセイルさんに話さないか?」

 俺とトーカを見ながら真剣な顔で言った。


「有だな!こいつはポケッとしてるからな。いつ足元をすくわれるか分らん」

 トーカ、言い方。もっと優しくね?

 うんうん頷かないで、ロキ。決してポケっとしていない、筈。

 クリス、なんでジト目なの?コハクまで器用に頷かない。

 カラス、羽で器用に腕を組むみたいなしぐさやめて!全方位で肯定されるのは傷つくぞ!

 イナリが

(大丈夫!僕は味方ー)

 イナリ、うれしいけどフォローになってないよ?前提で肯定してるじゃないか。


 まぁロキが俺を心配してくれているのは間違いないし。

「そうだな。今日にでもまたご飯食べながら…は危険か」

「大丈夫!」

 ということで街に戻ったらギルドで依頼達成の報告をしてセイに伝言をお願いした。お酒はいらないって付け加えて。

 どうやら俺とセイは飲み過ぎると記憶をなくすみたいだから。


 ロキに結局、記憶が無い時にどうだったのか聞いたが、教えてもらえなかった。



 実際は、甘い表情で迫るロキと朗らかに近寄るセイルールに挟まれ、俺にはコハクがいると宣言して全身キスをしまくっていた。

 それを見たロキとセイルールが白玉とイナリを撫でまわした。

 カスミは襟元が乱れたロキの鎖骨を眺めていてそれを見たセイルールが服を脱ぎ、カスミも脱がせて上半身裸で抱き合っていたのだ。

 その勢いでコハクにキスしているつもりでロキやセイルにむちゅうとしていた。


 酔ってシャツを脱いだロキとセイルールもイナリや白玉とキスしているつもりでカスミとキスをしていた。

 アマランとウルグはやはりシャツを脱いでどちらの腹筋が割れていると言いあい、腕相撲をはじめそれらを斜に構えてルキが眺めていた。

 ルキもカスミたちに混ざりたかったが、プライドが邪魔をして眺めているだけだった。


 そのまま眠ったカスミの上にロキが裸で乗って抱きしめ、後ろからセイルールに裸で抱きしめられていた。

 痴態というほどでもないが、カオスな夜だったのだ。

 それをカスミとセイルールは覚えていない。酔ってもロキは記憶が飛ばずに全部覚えていたのだ。


 その時のカスミの白くて細い体とか勢いでキスした唇の感触を。

 ロキが人に興味を持たないのをパーティーメンバーは知っていたので、カスミをまっすぐ見るロキをほほえましく見ていたのだ。

 カスミもロキを特別な目で見ていないのが分かっていたから。

 意外なところで中身のおっさんが役立ったのをカスミは知らない。




酔っ払いあるあるですな…

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