31.夕食とお酒
とそんな感じで狩り過ぎは良くないから適度に残したよ。それでも40体ほど狩った。ほんとうじゃうじゃいたから。
ワニは肉が食べられる。皮も製品にできる。何かに使えるかもと分けてもらった分(16体)は解体もしないで返してもらうことにした。人が食べない部分はリクたちが食べるからね。
常設だけどCランクの依頼だったから、1体辺り5000リラ。全部売ると素材が1体当たり15000リラだって。俺は売らないけどな!
そう言ったら肉は半分俺に進呈だって。助かる。
肉に困ったら(困らないと思うけど)時々取りに行こう。3体くらいあれば余裕だからね。
なんで俺が16体ももらったかって?それはリクとイナリとコハクがね…雷魔法でドドン、バリバリとさ。5体も狩ったんだよ。だからその分僕が多い。
それでも手加減したって。うちの子たちってば優秀だよね。
で、青い稲妻のみんなにも夕食にお誘い。喜んでたよ!せっかくだし魔魚づくしだ。
茹で肉のカルパッチョ、茹で肉と生野菜のサラダ、焼き鳥風串焼き、塩焼き黒胡椒味、スープは肉団子だ。
ドヤッ魔魚は美味しいお肉なのだ!
キリッ
味見にリク、カラス、白玉、イナリ、コハク、スズメ、クリス、トーカ、リグまで群がって来た。
ふふふっみんな無心で頬張ってるな。可愛いぞ!
クリスに手伝って貰ってセッティングする。セイは貴族っぽくなくても大丈夫だけどね。
で、炭酸を作った。ほら…炭酸発生器?あれをね。魔道具だよ。で、前に買った果物で果樹酒を作った。果物が甘いから炭酸で割るだけで充分。
ついでもジンジャーエールも作った。もし、お酒飲みたいなら持って来てって言っていたから。炭酸系のお酒じゃなければ割ってもいいかも。
約束の時間になると、まずセイがやって来た。
「お疲れ様、いらっしゃい!」
「あぁ、邪魔する。いい匂いだな」
焼き鳥風の匂いだな。
「楽しみにしてて。青い稲妻のみんながお酒持ってくるかも」
「何?なら俺も何か持ってくるかな」
家に帰ってたら時間かかると思ったら、ギルドに置いてあるって。いいのか、それで。
で、またクリスとお皿に料理を並べていたら、青い稲妻のみんながやって来た。
「よお、さっきぶり!」
「邪魔するぞ」
「持って来た」
「これ…」
どうやら炭酸じゃないお酒。
「これは?」
「濃いお酒。割って飲む」
ちょうどいい。
「ならこれ試してみて!少し辛いしゅわしゅわ」
俺の説明が下手すぎるのかみんな首を傾げた。
「エールのような泡の飲み物です。ピリッと辛いので、強いお酒を割ると程よいかと」
クリス、お前がいて良かった。そしてその残念な子を見るみたいな目はやめてくれ…。
セイが戻って来た。
「持って来たぞ!」
おぉ、なんか高そう。琥珀色のお酒だ。ウイスキーかな。
「おっ、ギルマス、それ高い奴」
「ふふっ、あと少しだけしかないからな」
ニヤリと笑う。自分だけなのな。
「セイ、良かったらこれで割って。ほんの少しで試したらいいよ」
わいわいと青い稲妻のみんなもコップにお酒を少し入れてジンジャーエールで割る。しゅわしゅわだ。
「凄え」
「しゅわしゅわ…」
だろ?
コクンといち早く飲み込んだウルグさん。カッと目を開くとお酒をドバドバ入れてジンジャーエールで割った。沢山あるよー。作れるから。
「あ、おまえだけ抜け駆けするな!」
「早いもん勝ちだ」
「寄越せ!」
大人気ないなぁ。
セイもコップに少し注いでジンジャーエールで割る。コクンと一口。驚いてからドバドバと、注いだ。えっと多くない?
ジンジャーエールで割ると、ゴクゴク飲んだ。
「美味い!」
ほどほどにね?
「食事もどうぞ!」
みんなはわいわい美味い美味いと食べながら、お酒を飲む。炭酸の作り方を教えて、生姜汁を渡せば勝手に作る。楽だ。
俺はリクとイナリのお世話。良く食べるからな!自分はジンジャーエールを飲む。ほんのり甘くして。
セイが
「いやぁ、カスミの料理はどれも美味いな」
「だろ?マジで助かるんだ」
「依頼中に外でこの飯が食えるんだ」
「堪らんだろ」
「本当にな…まだ小さいのに」
心はおっさんだからな!
セイが少し飲まないか?
とお酒のお誘いだ。こちらでは厳格に未成年はお酒禁止とかが無い。自己責任だから、緩いのだ。
かく言う俺も1人酒盛りを何度かこの体でしてるしな。
有り難く貰う。
「薄めで…」
にっこり笑うセイは一見全く変わらないけど酔ってはいるみたいだ。手元がな…薄めって言ったのに、そこそこ入ってるぞ?
ま、飲めるけどな。どうやら酒は空になったみたいだ。
セイと2人分作って、コップを渡される。乾杯した。
コクン、お…芳醇な香りが口に広がる。美味いな…これ。くぴくぴ飲んだ。うん、美味いぞ!
なんか楽しいな。膝の上のコハクにチューをした。ふふふっ可愛い。顔もなめとくか。ペロン、身を捩るコハクが可愛くて頭にチュッパとした。
「なんだ、カスミは獣好きか?ここにいい男がいるぞ!」
アマランさん、じゃなくてこれはロキさん。いつも殆ど喋らないのに、お酒が入るとよく喋る。
横にドカッと触ると肩を組んで来た。絡み系かな?横を見ればきれいな顔が間近にあった。思わず引いた。横を見たら唇が触れそうなくらい近かったから。
「僕じゃダメ…?」
はい?ロキさんが酔ってる。ヤバい。助けを求めようとしたけど、無理だった。
アマランさん、1人で黄昏てる。
「クソッ俺だってモテたいのに…誰か抱かせてくれー」
叫んでいた。こりゃダメだ。
「チッ俺も剣士が良かった。タンクはモテない。サーシャちゃんのぽよよん…ダイブしてーぞ、クソッ。なのに優男と…うわぁ!」
ウルグさん、カオスだ。
「むさいおっさんしかいない…やっぱり商業ギルドの受付か…」
ルキさんも肉食獣なの?きれいな顔なのに。
「もふもふーもふもふー」
イナリと白玉を交互に撫でてご機嫌なのはセイ。
「ねぇ…カスミン」
誰だよ!それ。ってうわぁヤバい。
ロキさんてば男なのに色気が迸ってる。いたいけな12才に酒飲んでマジ絡みは勘弁してくれ。一瞬、新しい扉を開きそうになったぞ。
潤んだ目で下から俺を見上げる美形。ちょっと本気でやめてくれ。息が頬にかかる。
「ほら、飲め飲め」
セイに言われてグイッと飲んだ。うん、楽しいことは良きかな!
男がなんだ!上等だー!!
(クリス、止めなくていいのか?主が暴走気味だが)
リグが心配して声を掛ける。
(大丈夫でしょ、中身はおっさんだし)
とクリス。
(絡みじゃなくて普通に親愛だな、ありゃ。いいんじゃね?別に)
トーカはロキの本心が分かるだけに好きにしろという態度。リグだけは本気で心配していたが、どうやらクリスは興味がない。トーカは面白がってる節もある。
主人を傷つける意図がないと分かってるからか。
ま、最悪…戻せばいいか。リグも静観することにした。
翌朝、目を覚ます。ん…頭が痛い。しかも重い。目を開けると、暗かった。なんだ?触るとすべっとして温かい。ゆっくり身体をずらして状況を確認した。
アマランさんとウルグさんは仰向けで豪快に寝ている。何故か上半身は裸だ。
ルキさんはリクを枕に寝ていた。ふかふかそうで少し羨ましい。
セイは…真横にいた。で、多分上に乗ってるのが消去法でロキさんか。どういう状態?
するりと髪の毛を撫でられた。そして上からロキさんが降って来た…。




