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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律


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27.依頼の後

 書類にサインをした後

「まだしばらくは自由にしてて大丈夫だぞ!」

 まだしばらくの意味が分からないが、まぁいいや。

「依頼はどうだ?」

 とノナさん。


「終わったよ!ボア10匹」

 みんな驚いてる。どうしたの?

「全部か?」

「うん。群れでね」

「…ノナ、解体場で確認を」

「おう、行けるか?」

「うん」




 連れ立って部屋を出るカスミを見送った。

「どう思う?」

 私はヒルガに問いかける。

「テイマーではありませんね」

 やはりか。上級ポーションは教会が販売。一定数はギルドにも入ってくるし、販売もする。が非常に少ない。

 カスミがギルドから買った記録はない。

 もちろん、錬金術師や魔術師から買うこともできるが、とても高い。


 ならば、彼が作ったとしか思えない。

「村人か…」

「ガゼルです」

「何?」

 ガゼルか。


 国の端にあると言われる辺境の村だ。何故ガゼルが辺境なのに知られているか。それは過去に有名な冒険者を輩出した村だからだ。しかも何度も。

 ガゼル出身者は、だから気にして見守る。ハズレもあるが、今回は特大の当たりか。当たりすぎてか困るくらいの。


「あの村の出身者は、上品なものが多いですな。カスミ殿も食べ方やマナーがきちんとしております。話し方こそ普通ですが、何と言いましょうか…あり方が上品です」

 そう、まさにそれだ。昨日のテーブルマナーも当たり前にしていた。俺の方をほとんど見ずに。


 頭の回転も早い。あのちびっ子執事の存在も気になる。何者なんだ?

 カスミの着ている服は一見ごく普通だが、いつでも清潔できれいだ。汚れもほつれも無い。カスミ自体が小綺麗で、いい匂いがする。


「だとしても…少々強引でしたな」

 それは自覚がある。何と言うかな、目が離せない。そばに置きたいと私が思ってしまったんだ。

 人に執着される事はあれど、自分が執着したのは初めてだ。カスミ…不思議な子だ。


「書類は急ぎ旦那様に確認をして貰いましょう」

「頼む」

 音もなく部屋を出て行くヒルガを見送る。さて、実家の反応はいかに?




 俺はノナさんと解体場にやって来た。血生臭い。仕方ないだろうが…慣れない匂いだ。

「出せるか?」

「あぁ」

 ドンッ


「…おぅ、威勢の良いこったな」

「首を切り落とした、こちらは急所を一突きか…」

 泥で動けなくしたからね!

「確かに!で、これはどうする?」

「お肉と皮は半分戻して欲しい。解体もお願いする」

「解体は1匹1000リラだな」


 窓口に戻って

「討伐は5000リラ。1匹1000リラ追加で1万5千リラだな。カード」

 渡すと手続きをしてくれた。そして解体費を除いた5千リラのお金とカードを預かる。

 手元が陰った。横を見ると受付の怖いお姉さんだ。仁王立ちして手を挙げている。なんだ?

「よせ!」



 バチンッ



 後ろに吹き飛んだ。さらに



 ドンッ



 っ痛っ…何が?ぐっ…お姉さんに襟を掴まれて持ち上げられる。ぐ、苦しい。

「やめろ!」

 低い声でノナさんがお姉さんの手首を掴み

 ゴキッと音がした。手が離れて俺は床にドスンと尻餅をついた。


「ゲホッゲホッ…」

「大丈夫か?」

 マークさんが駆け寄る。


「痛いっ離しなさいよ!」

 ノナさんがお姉さんの手を捻って床に組み伏せた。そして背中を膝で押さえると

「ギルマスを呼べ!」

 他の職員が走って行った。動こうとして激痛で倒れた。苦しい…ゆっくりと意識が遠のいていった。




(リグ、治すなよ)

(分かってる)

(痛みを和らげる薬を散布します…主。申し訳ありませんが、我慢して下さい)

(カスミ、カスミ!)

(死にはせん)

(でもカスミが!)


 みんなの声か?初めて聞くコハクの焦った声に可愛い奴だななんて思っていた。そばにおいでって言いたいけど、体が動かない。

 コハク、大丈夫だ。お前を残して簡単には死なないぞ!

 面倒見てやらないとだからな。

 でも痛みがあって目が回る。ぐるぐるぐるぐる…。気持ち悪い。呼吸も苦しい。




 目を覚ます。ん…ここは?知らない天井だ。ボーッと見ていると扉が開いた。入って来たのは男性。表情のない顔で俺を見る。

「気分は…?」

 話そうとして咳き込んだ。

「ゲホッ…」

 背中をさすりながら、手にコップを持たせてくれる。


「ゆっくり飲みなさい」

 何故か手が震える。支えて貰いゆっくりと飲む。ケホッ…息が苦しい。

「骨が内臓に刺さっていた。そのせいで息苦しい筈だ」

 ふうふう、それでか。ケホッ。


「私はベルシティの教会所属の神官でラウラだ。重症だったので呼ばれた」

「そう、ケホッ…ぜいぜい」

「君はギルドの職員に蹴られて、胸の下の骨が折れて…背中を壁に強打して、背骨もヒビが入っていた」

 ドンだけ怪力なんだよ。ヒュウヒュウ…息が苦しい。


「顔も殴られて、鼻の骨が折れていた。骨は繋いだし、内臓も治したが。完全にくっつくまでは安静に。ここはギルドの治療室だ。では…」

 淡々と話をすると、部屋を出ていった。


 つーかとんでもない暴力女だな。何で俺が蹴られなきゃならないんだ。咄嗟のことで受け身すら取れなかった。

 なんか、俺って運悪くない?またコハクが悲しむ。

 そういや、みんないないな…。1人はなんだか寂しく感じる。痛みに耐えながら目を瞑って、また眠った。



*****



 私は慌ててギルドに向かった。まさか、実家に顔を出しているタイミングで…カスミ!

 治療室に入ると神官に睨まれ、外に連れ出された。

「お静かに…眠っています」

「カスミは?」

「鼻と頬の骨が折れて、肋骨と背骨も折れてました。肺に刺さっていたので、危なかったです」

「なん、だと!クソッ、アイツは殺す」


 神官は切れ長の目を細めて私を見ると

「原因の一端はあなたでは?」

「はっ?んな訳あるか!一職員に恨まれる覚えはない」

 呆れたような顔で私を見る。


「自分の事も分からないとは。あなたに触れられて、あなたを好きにならない人はいない。そう私の患者たちは言いますが?」

「意味が分からん。私はスキルを使ってるだけだ!」

 少なくとも邪な気持ちは…カスミにだけは少しあったかもな。だが、他の奴にはそんな気はない。


「あの子は私の患者です。また来ます」

 そう言ってソファに座った。チッムカつく野郎だが、腕は確かだ。そして、何よりカスミが心配だ。

 部屋にそっと入ると青ざめた顔のカスミが苦しそうに寝ていた。


 おでこに手をやる。体を撫でれば、骨は完全には繋がっていないし、内臓もまた完全には治っていない。

 確か子供の骨は完全に治すと成長を阻害するからダメだと聞いたことがある。

 分かってて出来る範囲で治したんだろう。でもこれでは痛むな。頬にキスをする。簡易な祝福は痛みへの耐性が付く。


 またギルドの不始末で、カスミに怪我をさせてしまった。項垂れて、その小さな体を見た。しばらくおでこを合わせたままカスミのそばに寄り添った。




 さて、後始末に行かなくては。はぁ、全く勘弁してくれ。俺も処分されるな、これは。それもいいかもな。少し休もう。不始末ばかりで報告も大変だ。

 しかも本部から監査が来るという。やめて欲しい。


 

 

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