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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

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118.新婚旅行からの

 俺たちはベル、リノと白龍に、トルフ、セイと青い稲妻で旅に出た。荷物の護衛依頼だが、別名は新婚旅行だ。

 俺とルキ、ロキはもちろんだが、セイとクリス、アマランとトーカ、ウルグとリグが結ばれたのだ。

 本当に全部俺由来だな。


 で、まぁな…夜の見張りもセイ以外はカップルで行う。セイはそもそも単なる同行者なので免除。さらには相変わらず俺も免除。

「一緒にやるぞ」

 と言ったが

「ダメ」「気が散る」「襲う」「我慢できない」

 不穏な言葉が飛び出したので、諦めた。見張の最中に襲われたら見張にならないからな。


 荷馬車3台で進む。

 食事は前回同様に、俺たちとベル、リノ、トルフまでは一緒に食べる。

 白龍は自力で頑張れ!


 でもベルナ商会で俺の調味料を買い、広場でも調味料を買ったようだ。コンプリートしたと自慢げに言われた。

 肉や魚を焼くだけで美味い飯が食えるからな。

 お勧めだ。


 実はセイから提案があって、クリスとトーカそしてリグが冒険者登録をした。いいのかって思ったがまぁいいみたいだ。彼らはまだEランクなので、荷物であっても護衛依頼は受けられない。だから、俺たちの補佐として青い稲妻が雇った形にした。


 おれが青い稲妻から抜けてと思ったが、双子に反対された。

 で、クリスたちは3人でパーティー登録した。名前は水龍。分かりやすいと評判だ。


 ベルはクリスと面識があるから、特に反対もされなかった。

 水龍は守護者だからある意味ぴったりだ。誰の?もちろん俺の守護者だ。


 しばらくは街道沿いの街に泊まれるんだが、かなり急ぐらしく街には寄らずに進みたいと言われた。

 俺は構わない。快適野外装備があるからな。ってか青い稲妻はみんな持ってる。もっとも、今回は双子と一緒のテントだから自分のは使わないが。


 で、前回は街に泊まっていたのが、野営になると思っていたら約倍の速さで進んだ。

 なので、3日の距離を1日半で進み街で泊まった。

 そう、あの同郷の玄一郎さんのいる街だ。


 着くなり広場に走る。

 でもそこにたこ焼きの屋台はなく、玄一郎さんは居なかった。辞めちゃったのかな?

 スペアリブの屋台で買いながら聞いてみた。

「なぁ、玄一郎さんの屋台って辞めたのか?」

 去年も一昨年も、俺は参加していないな、アマランたちが玄一郎さんに会っている。


 お兄さんはあっという顔をして

「同郷の?そうか…死んだぞ」

 …えっ?

「寿命だな。なんせもう70近かったから」

 死んだ?玄一郎さんが…?

「あぁ、家族み看取られて…穏やかな最後だったって」

 そんな、玄一郎さんが?そんな…。


「カスミ」「大丈夫?」

「屋敷に行こう!」

 トーカとクリスが俺を引っ張って玄一郎さんの屋敷に向かう。どうしよう、体に力が入らない。


 寿命、確かにこの世界の平均寿命は65才。ならば決して早くは無い。

 でも、もっと長生きすると思っていたのに。


 ふらふらと玄一郎さんの屋敷に向かう。

 ゲイリーさんは在宅だろうか?

 門に着くとクリスが門番さんに話をする。あっさりと中に通された。

 また執事に案内されて居間に向かう。


 そこで待っていたらゲイリーさんが入って来た。俺は立ち上がると

「ゲイリーさん、玄一郎さんが…」

 仄かに微笑むと

「あぁ…今年の春にな。カスミに会いたがっていたぞ」

 そんな、そんなことって。涙が溢れる。


 ゲイリーさんがそっと肩に手を置く。

「う、うっ…そんなっ。そんな…」

 しばらく部屋に俺の泣き声だけが響いていた。


 少し落ち着いた俺に、ゲイリーさんが

「渡して欲しいと頼まれたものがある。父の部屋に来てくれるか?」

 俺は頷くと

「みんなはここで待ってろ」

 双子は何か言いたそうだったが、頷いた。


 玄一郎さんの部屋は落ち着いた色合いで、どことなく和風だった。これは、和紙?

 玄一郎さんのジョブか。俺に近い感じのものづくりだ。


 ゲイリーさんはノートを俺に渡した。

「カスミに渡して欲しいと」

 それはリングの付いたノート。表紙に英語でノートと書いてある。罫線付きとも。

 あちらから持ち込んだノートだ。震える手で受け取る。


「後はこれ。父上が渡して欲しいと」

 それはたこ焼き機だった。屋台で使っていた奴。2人で並んで作った思い出のたこ焼き機。また、涙が溢れた。


「カスミ、聞いてくれ。父からの伝言だ。本当に信じられると思った人に、必ず真実を伝えなさいと。私たち転移者はとても孤独だ。だから味方を作りなさい。そうすれば、救われる。私にとってのゲイリーのように」

 真摯に伝えてくれるゲイリーさんに縋って泣いた。ゲイリーさんも涙を流す。


「こんなに思ってくれて、ありがとう。父はカスミを孫のように思っていたんだ。また訪ねてくれてありがとう。私も父も、カスミはきっとまた来るって信じていた。渡せて良かった」

 俺は顔を上げて頷く。


「はい、大切にします」

 俺は乱暴に涙を拭ってゲイリーさんを見た。

 頷いてくれる。

「私はまだ死なないから。辛くなったら会いに来なさい」

「はい、必ず」

 俺は泣き腫らした顔で応接間に戻り、屋敷を辞した。


 ルキもロキも何も聞かない。

 話す頃合いなのかもしれないな。ただ、まだ旅の途中だから。機会を見て話そう。

 もう、みんなは俺の家族だからな。


 宿に帰るとセイが走って来て俺を抱き上げる。もう子供じゃ無いのに俺の頬に手を当てて

「カスミ…」

 口をつぐんだ。セイ…触れていれば俺の気持ち汲み取ってくれる。その肩に頭をもたせた。


「そうか…今日は俺と寝るか?」

 …何故そうなる?

「大切な弟であり息子だからな」

 双子を見ると頷く。

「なら…よろしく、セイ兄様」

 真っ赤になった。ふふふっ照れ隠しで首に抱きつくとしっかりと抱きしめてくれた。


 その日はセイに抱きしめられて寝た。恥ずかしいが、今だけは甘えさせてもらう。相当堪えてるからな。

 大きな体に包み込まれて、俺は安心して目を閉じた。




 腕の中のカスミは背は伸びたが体はまだ細い。宿に戻ったカスミを見て驚いた。目は赤く腫れて頬に涙の跡があったから。乱暴に拭った跡が見えた。慌てて近寄って抱き上げる。まだまだ軽い。


 その頬に手を添えて顔を見れば目を伏せた。カスミは俺に気持ちが伝わることを嫌がらない。むしろ、口下手なカスミは俺に伝わることを好む。

「上手く言葉にできない気持ちを汲み取ってくれるからな」

 そう言う。普通なら気持ち悪いとか嫌だと思うのに。


 触れたカスミから伝わって来たのは悲しみと懐かしさと深い喪失感。あぁ、故郷のあの人か。

 行きは別だったが、帰りは一緒だったから俺も会った。あの屋台の丸いのは本当に美味しかった。故郷の味だとカスミが呟いたのを昨日のことのように覚えている。

 その横顔はとても寂しそうだったから。


 そうか…消えて行く故郷の繋がりと思い出。今…何を思うんだ?代わりにはなれないが、頼って欲しい。一緒に寝るか?と聞けば恥ずかしそうに頷いた。双子のフォローは明日以降、自分でしろよ!

 白い頬を撫でるとキスをして俺も目を瞑った。もう、どうしたって家族なんだ。




 翌朝、目を覚ます。目の前にはセイ。珍しく起きている。透明な水色の目で俺を見ていた。そんな間近で見るなよ、恥ずかしい。腰はしっかりと抱きしめられているから当たるだろ!それはそのな、クリスで頑張れ。

 あ、顔が赤くなった。ん、もうしたのか?


 目をじっと見たら逸らしやがった。待て、味見は俺じゃなかったのか?

「こら、味見とか言うな」

 おでこをコツンとされた。

「したのか?」

「…だ」

「ん?」

「まだ、だ…!はぁ。クリスがな…初めてはカスミじゃ無いとダメだと」


 へっ?

「ジョブに関わる決まりみたいだな」

「聞いてないが?」

「あ、あーそれは、まぁ」

 濁しやがった。気を付けよう。


 伸びをして体を起こす。セイも起こしてベッドから降りた。今日は雨か…。涙雨かな。

 玄一郎さん、安らかに…。

 俺は亜空間に仕舞ったノートを思い浮かべていた。読むのはまだ先かな。


 その日は雨の中を進み、それでも予定より早く距離を稼いで野営だ。

 タープを張って食事の用意だ。今日は手抜きだな。ローストビーフを作ってパンとスープ、サラダだな。

 サラダは茹で野菜のゴマドレかけ。スープはビーフコンソメで牛肉でローストビーフだ。


 火加減と火の通り具合はトーカが確認。

 双子は背後から俺に引っ付いて離れない。動きづらい。でも心配かけたから我慢だ。


 おい、涎を垂らすな!




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