115.夏休み
こうしてレナン湖でツリーハウスの夏休みを過ごしていた。ただな、じじばばが孫会いたさに帰ってこいと矢のような催促で。
え、俺たちの子供ってバレてるのかって?
両親たちには伝えたんだ。兄弟には伝えていないが、明らかに俺と双子の色味を持っている。
俺はみんな双子に似たと思ったが、俺にもちゃんと似てるらしい。
なので、まぁ俺のジョブを知っていれば有り得るって感じだ。
それに、魔女の秘薬…俺ならクリスで作れる。だからまぁ流石に女になって産んだとは思ってないだろうが、俺たちの子だと認識している。
で、話を戻すとじじばばがな。で、それならいっそ招待するかとなり、水龍もいいと言ったので両親限定で呼んだ。ちなみに水龍の名はリュカだ。
いつも冷静なお父様とお母様が笑顔で固まった。
「水龍様…?」
「次代はカスミの子…」
「真珠が」
「水龍様の…」
「「「「えぇーーー!」」」」
「父上、母上、諦めてください。カスミなので」
「お父様」「お母様」
「「カスミだから、なんでも有り」」
「「「「……」」」」
笑顔でぎこちない動きのまま俺を見る。
水龍の子供が2匹、湖から顔を出して
『父さん!』
俺に巻き付いた。よしよし、全く体は大きいのに甘えん坊だなぁ。鱗を撫でると頭を寄せてくる。そして頭を順番に甘噛みした。歯を撫でてやればゴロゴロと喉がなる。
お母様方が倒れた。どうした?
「カスミはこういう子」
「気にしないで」
「「無理だ!」」
お父様方は仲良しだな。
ちなみに子供の名前はリュクスとカリュだ。
なんて事があった。水龍の人型に会ってみんなが頭を垂れた。
「ルイスたちはお乳も貰ったんだ」
「母乳大事」
「一緒に子育てもしてる」
「屋敷に住んでる」
「諦めが肝心ですよ、父上」
セイはフォローになってないだろ。
しかしさすがは貴族。翌日には打ち解けて一緒に酒を飲んでいた。子育て中だからと控えていた俺たちも久しぶりに飲んだ。
いや、マジでビール最高!夏はやっぱりコレだな。
「乾杯!」
もう何度目か分からない乾杯。ふわふわして気持ちいい。頬を染めた双子がかわいい。
子供たちはじじばばが離さないので、任せている。だから大人の時間だ。
双子を抱き寄せて手を触る。撫で撫で…艶々だな。やっぱり体用のオールインワンのおかげかな。艶々でぷるんだ。
「今日はする」「たくさんする」
双子が何か言ってるが聞こえない。ふわふわして気持ちいい。そして双子に抱きつかれて…
翌朝、頭は痛くないが体が重い。物理的に。双子に両脇から乗り掛かられている。そりゃ重い。俺は背は伸びたがまだ成長途中だ。
転移で抜け出そうとしたらロキにブロックされた。はぁ?!転移阻害の魔法をベッド周りに展開してる。いつの間に。
はぁ仕方ない。そのきれいな顔を見ながらまったりしよう。
……無理、重い!
もぞっとルキが目を覚まして動く。よりホールドされた謎。なんとか抜け出そうと格闘すること1時間。やっと抜けた。
だが、体が怠い。なんでだ?コハクがジト目で俺を見て
(浮気者!)
今更だろう?双子と結婚したんだぞ。
でもコハクが一番目だからな、と抱きしめると後ろ足でけりけり。抱きしめて耳を揉んでキスをする。大人しくなった。全身もふって腹に顔を埋めた。柔らかい。
デレたな。可愛いぞ!
コハクを抱きながら
「リグ回帰…」
ミニクリスならぬミニリグが俺には付いていて回帰させた。ふう、スッキリした。
霰もない姿で双子に挟まれて寝ていたのなら、まぁナニをしたんだろう。俺の分身は双子にしか反応しない。こちらも絞り尽くされた感があるので、まぁそう言う事だ。
何故なら子供たちをお母様たちが嬉々として受け取ってくれたから。双子は久しぶりに俺を満喫したようだ。
いつも
「カスミ成分が不足」「カラカラ」
と言ってたからな。
俺は成分じゃ無いんだが、一定時間俺に触れていないと干からびるらしい。これは大変だ。なので、学院に通っている間も毎日ベルシティの屋敷に帰っていた。
夏休みも半分が過ぎた頃、
「頼みます」「お願いします」
「お願いします。何かあれば連絡を」
レイラシティのハンナお母様に子供たちを託した。双子が俺と依頼を受けたいと言ったから。
久しぶりの青い稲妻としての依頼だ。俺も楽しみだ。
なんとなくみんな浮かれていた。久しぶりのパーティー勢揃いだし、それぞれ相手も出来て、気持ちが逸るんだろ。
レイラシティの冒険者ギルドでAランクの依頼を受けることにした。そうそう、双子はAランクに上がっていた。俺?俺はBランクのままだ。
セイにも
「これ以上目立たない方がいいから」
と言われてな。
パーティーランクはAだし、俺は困らないから。
掲示板を見ていると、声をかけられた。女性の冒険者パーティーだ。どうやら俺に話しかけている。
「あなた、臨時で私たちのパーティーに入れてあげるわ!Cランクよ」
リーダーらしき少女がそう言った。チラッと胸元を見る。ぺたんだ。お呼びじゃ無いな。ちなみに俺も双子も目を前髪で隠している。それでも声をかけられるのは謎だ。
「ちょっと聞いてるの!」
静観の構えだったアマランが
「おい、俺のパーティー仲間に何言ってんだ」
俺を後ろに庇う。こんな時、双子は基本ノータッチだ。彼らは女性が嫌いだから。
いきってた女の子はアマランを見て俺を見て焦った。
「えっ?青い稲妻…嘘」
「普段は一緒に活動できていないだけだ。大切な仲間だ。慎め!」
「ご、ごめんなさい。てっきり…」
まだ何か続けそうだったので
「俺に話しかけるな」
被せた。どうにかして俺と仲良くしたい、そういう感情が漏れてたから。
俺は双子に挟まれて場所を移した。依頼はアマランに任せよう。ウルグもそばに居てくれる。
アマランが依頼を決めて受注する間も視線を感じていた。しつこいな。双子も嫌がったのでウルグと先に外に出た。
「なんだよ、あれ」
俺が呟くと
「カスミはお面被る」
「顔出し禁止」
夏なのにお面って暑いだろ!
「自覚ない」「危険」
「あーカスミはなんて言うか、ちょうど少年から青年に移る時期独特の色気というか、な」
「うん」「うん」
「「目を引く」」
知るかよ!自分のことは分からん。顔だって前髪で殆ど隠れてるのに。
アマランが出て来ると
「いや、カスミはギルドに来ない方がいいな。ベルシティならまだしも…」
ボヤかれた。解せぬ。
「依頼は?」
ウルグが聞くと
「少し離れたところにあるレグナ湖で魚を取る」
あ、もしかして…魚はアレか?レイラ湖のうなぎは外来種だったので繁殖した。なので別の湖で養殖した。またうなぎならさらに増やせるな。
稚魚を取れば養殖し放題。
街を出て湖に向かう。久しぶりに俺はリクに乗る。嬉しそうだ。ふかふかの背中を撫でる。良き。
そしてその湖はやっぱり黒いモヤに覆われていた。
「うなぎだな」
トーカが呟く。
なんか丸くなったな。アマランと婚約してから少しだけ優しくなった。
「トーカって俺にだけ当たり強いよな?」
と言えば
「フン」
ほらーほらーやっぱり。
「トーカはカスミが好き」「だからツンツン」
ルキ、ロキ。なんのフォローにもなってないぞ。
「クリス、どこかで養殖したい。みんな大好きだからな!」
クリスは
「はい、ルキ様とロキ様が大好きですもんね」
う、まあな。俺も好きだぞ!故郷の味だし。おい、その生暖かい目は辞めろ!
で、大きな水槽(クリス作)に湖の水ごとうなぎを転移させて、隠蔽した。
そして
「リク、よろしく」
(手伝え)
もちろん、そのふかふかの背中に手を当てる。
ドゴーン
バリバリッ
ぷかー
はい、いっちょ上がり!
みんなが風魔法で各自寄せるとせっせと採取した。
これは討伐だけだから、ブツを見せれば終わりだ。うなぎは俺たちのもの。
うなぎ入りの水槽はロキが浮かせて運んだ。さすが賢者だ。
あっさり依頼が終わった。でもリクやイナリ、コハクは物足りないらしく
(走って来る)
と言って消えた。
「程々にになー」
聞こえてんのかよ!あちこちで魔獣らしき断末魔の叫びが聞こえるんだが?だから何やってんだよ。
リクたちが嬉々として取って来るから俺の亜空間は魔獣の展覧会だぞ。
俺はと言うと隠蔽を掛けた状態でうなぎの蒲焼風を焼いている。
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