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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律


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11/25

10.コーヒー

 俯いている子供。テーブルにトンと指を突く。

「1杯くれ」

 俺が牛乳とか入れてる辺りでポカンと見てフリーズ中の女の子。

「えっ、ええーー!何入れたの?お兄ちゃん」

「牛乳と砂糖」

 その子は屋台を見て、駆け出した。なんだ?向かった先には牛乳の屋台。


 牛乳は飲むためって言うか、料理用なのか?飲んでる人はいない。容器に入れてもらって金を払った。

 帰ってきてカップにコーヒーを注ぐと牛乳を入れる。

 コクコク。砂糖ないと甘くはないが酸味は緩和されるだろう。

「うそ、美味しい…」


「牛乳入りで売るなら60リラとかにしたらいいぞ」

 付加価値だな。

 やりとりを見ていたらしい人たちが声を掛けてきた。

「なぁ、牛乳入れたら美味いのか?」

 子供はハッと顔を上げると

「うん!酸っぱいのが無くなった」


「牛乳入り買うぞ!60リラだな」

「う、うん!」

 その人に牛乳を入れて渡す。ゴクンゴクン飲んで

「確かに、これなら飲めるぞ!なんか眠気が取れた」

 抗酸化作用だな。


「俺も買うぞ!」

「うん!」

「あっ確かにこれは美味い」

 あ、砂糖は貴重品だっけか?まぁ明日には店をやるから安く売るか。それも下調べだな。


 確か食料品の市場があった筈。後で値段を見ておこう。

 牛乳が足りなくなって買いに行ってまたコーヒーが売れた。なんとなく眺めてたら売り切れてた。あれ?俺の分は…?

 あっと言う顔の女の子。


「ご、ごめん…」

 豆があるなら自分で挽いてもいいんだよな、コーヒーがあるって分かっただけでも儲けもんだ。

「いいさ。豆は何処かで仕入れてるのか?」

「えっと…」

 秘密か。

「言わなくていいぞ!探してみる」

 そう言って屋台を離れた。


 実は透視スキルで

(近くの平原に自生しているぞ)

 と出たから。豆は収穫して焙煎だな、で挽く。ここで香りが出る。

 香ばしい香りは飛んでたから挽いて時間が経ってるんだろう。

 じっくりと焙煎すると酸味が少ないコーヒーになる。もっともその分苦味が勝つから中程度の焙煎が良さそうだ。市場はもう空いてるか。


 広場から少し離れたところに食品の市場がある。そこに向かう。小麦粉も欲しいな。10分ほどで着いた。

 そうそう、魚も食いたい。今日はコーヒーとか魚を取りに行こう。

 肉や魚は値段だけ見ておく。牛、豚、肉、猪、角うさぎ。魔獣の肉もオークは売ってるな。やっぱり魔獣の肉は安めか。


 おっ、粉きたぞ。

 小麦粉…うーん挽きが粗いな。目の細かい小麦粉が欲しいが無理か。

(その為のジョブだろ?)

 透視スキルって人格あるんじゃないかと?

(ねーよ!)

 …まぁでも具現化が使えるか。


「小麦粉だぞ!1袋で5000リラ」

 高いのか安いのか分からんな。

(妥当な金額 重さだと30Kg)

 おっ、しかも薄力粉と強力粉があるな。ん、あれは?

 俺の目線を感じた店のおじさんが

「これか?塩の塊を引く道具だ。ミルって言う」

 ミル来たぞ?

「2種類ある?」

「あぁ、大きいのと小さいのだ」

 見せて貰う。これは…タイムリーじゃ無いか。よし、買おう。


 小麦粉は薄力粉と強力粉を1万円とずつ、大きなミル1個、小さなミル3個買った。全部な15000リラだった。

「ありがとよ!これはオマケな」

 貰ったオマケがイースト菌だった。

「こっちこそありがとう!」

「配達するか?」

「頼む、ギルド併設の宿だ」

「おう、夕方に行く」



 また歩く。調味料が見たいな。おっこの辺りだ。塩は拳大で1000リラ高いな。無しだ。砂糖は…更に高いな。

 で、あっこれは買うか。

「何か欲しいのか?」

「それが欲しい。いくらだ?」

「辛味だな、こいつぁ1袋で1000リラだ」

「買う。後あれは?」

「サンショってんだ。潰して薬味にする」

 まんまだった。青山椒だ。


「いくらだ?」

「一房で500リラ」

 安い。一房には…

(300粒以上あんだろ)

「なら2つと、そっちのは?」

「齧ると甘いぞ?オヤツみたいなもんだな。1束200リラ」

 安いだろ。1束は抱えるほどある。

「10束くれ」

 感謝された。たくさん買ったからな。カバンにしまう。驚いてはいたが、これくらいの容量ならなくも無い。


 更に進むとこれは…まさか。

(まさかも何も見た通り米だろ。玄米だがな)

 だよな?

「あーそれは硬くて食えたもんじゃ無いぞ。家畜のエサだな」

 勿体無い。まぁ玄米のままならそれもそうか。


「沢山欲しい」

「1袋で1000リラ」

 30Kgか、安い。

「あるだけ欲しい」

「7袋あるぞ?」

「配達頼めるか?」

「もちろんだ!ありがとよ」

 お金を払ってギルド併設の宿と伝える。白玉にイナリとコハクがいるからな。


 最後に果物。あ、あれは…。

「兄ちゃん、こっちのオレンジがお勧めだぞ!」

 ゴツイお兄さんが売り物をカットして渡してくれる。思わず受け取って食べる。

 美味い!瑞々しくて甘い。そりゃお勧めするか。残った皮は白玉が食べた。


「凄く美味い。やっぱり高いか?」

「それなりにはな、1山1000リラ」

(買わなきゃ損だぞ)

 あれ、スキルがソフト対応してる。

 よし、なんかリクは丸呑みしそうだし…

「3山買う」

「おう!」

 隣のアレを指して

「こっちは?」

 お兄さんは残念そうに

「酸っぱいし不味いぞ」


(果肉より皮に価値があるからな!知らなきゃこういう扱いになる)

 やっぱなぁ。

「そのかわりに安いぞ!1籠1000リラ」

 背負い籠みたいなのに山盛りにある。

「そっちも買う」

「嬉しいけど、あとで不味かったとか言うなよ?」

「従魔がいるから大丈夫」

 よし、ゲットだ。


 買い物はこんなんでいいだろう。宿に戻ってリクとカラスを連れてコーヒー豆と魚の採取だ。

 宿に着くとリクはベッドで優雅に体を投げ出して寝ていた。凄いリラックスしてるな。普段見ることのない腹が見えてる。思わずそこに顔面ダイブ。おぉ、ふっかふかだ。


 ゴン

 いてっ!背中を蹴られた。全く器用な。仕方ない、起きるか。

「リク、外に出るぞ」

(チッ)

 機嫌悪いな、でも仕方ないだろ?俺の足なんだし。


 歩いて門を出る。そのままポクポクすすむと森に入る。更に進むとおぉ、ここだ。平原と湖。

 まずは平原でコーヒー豆の採取。具現化で良さそうな豆を厳選して取る。人の手をイメージした。

 どっさり。大きな袋に2つ分。それでも全体から見たら僅かだ。沢山は要らないからな。そのまま煎る。前に機械が欲しいな。


 鉱物があれば…。見回していると

(鉱物が埋まっている洞窟があるぞ)

 やっぱり透視スキルは人格があるみたいだ。ん?待てよ。具現化でスキルを実物化したらいいのか。

 透視スキルは今までの言動からヤンチャな若者かな。執事って感じじゃ無いしな。

 美人な不良…いや、やめておこう。夢がなくなる。

 よし、透視スキルを具現化だ!

(スキルの実体化をします…)


 ポン

 あれ?イメージと違う。

 目の前にいるのは白い髪に紺色の目、白いゆったりした前合わせの膝下の服に下は裾が窄まったパンツに靴。前合わせの服には銀色で細かい装飾が施されている。ウエストはやっぱり銀色の帯みたいなので締めてある。


 髪の毛は長くて背中で括られていて…背中から羽が生えていた。

 可愛い…とても可愛い。紺色の目は切れ長て少し吊り目。なのに可愛さ満点。どうしよ?この顔であの悪態?

「何ジロジロ見てんだよ!変態」


 ほらーほらーだから…はぁ。ヤンチャな見た目なら許容できるけどこの可愛い顔でそれなの?

 嫌だー。夢が…。

 そういや羽のところは服ってどうなってんだ?捕まえて羽を付け根を見る。

 ドン

 空気砲みたいなのが来た。痛くは無いけど衝撃はある。


(チッ不作法な奴め)

 いやいや、気になるじゃんか。

 そういや透視スキルって名前なのか?

(それはスキル名で、個の名前じゃねーよ)

 だよな。欲しいのか、コイツ。

(なきゃ不便だろうが!毎度毎度透視スキルって言うのか?たくさんスキル持ってんだろ?)

 それらそうか。

「トーカ」

 透視と透過を掛けたのさ!

(まぁまぁだな…)

 やっぱりツンデレかよ。


 そんなこんなで手のひらがサイズのトーカが白玉の背中に跨った。

(ちなみに俺は普通の奴には見えないからな!)

 普通じゃ無い人って誰だ?

(聖人とか聖女、高位の神官あたりなら見えるな)

 なら普段は気にしなくていいな。まぁ独り言言ってるみたいに思われないように気をつけるさ。





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