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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

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108.新入生歓迎パーティー

 学院でのオリエンテーションは概ね終わり、いよいよ授業が始まる。

 そして、今夜はついに新入生歓迎パーティーだ。

 主催は生徒会で、上級生たちが諸々の手配をする。僕は今夜、エスコートをする側だ。


 昼間の話が終わると、夜のパーティーに備えて寄宿生以外は帰宅する。僕もタウンハウスへ戻った。

 すでにお母様、弟と妹は領地へ帰っている。迎えてくれた執事と、従者が着付けてくれる。


 今日のカスミはどんな服装だろう。それに相手のクリスは?

 あれからクリスとは時々、話をした。カスミの近くでは愛想がいいが、それ以外では澄ました顔でいる。やっぱりカスミは特別なんだろう。


 カスミと同じ色合いで、より大きくて潤んだような目のクリスはクラスでも人気があるようだ。カスミの従者ともなれば尚更だろう。

 セイルール様にも可愛がって貰っていた。食事はカスミと個室で取っているようだ。羨ましい。でも誘って欲しいとは言えなかった。何となく、それは拒否されそうだと感じるから。


 で、支度を終えた僕は学院で落ち合う予定のクリスを迎えに馬車で学院に向かった。

 かなりの人が集まっている。そこで一際目立つ姿を見つけた。うわ、凄い。

 小さな体を完璧に整えたクリスがそこにいた。立ってるだけなのに、みんなの目が凄い。


 濃いグレーのストライプの上着とスラックス、立ち襟にはフリルで、上着の袖からもフリルが覗く。胸元には水色のペンダント。完璧ない装いだ。いつもしている手袋は今日はグレー。隙のない服装だった。


 見惚れていると

「ミロ様」

 声を掛けられた。華やかに微笑む姿はへたな女性より可愛らしかった。

 近づいてその手を取る。

「とても可愛いらしい、クリス。今日はよろしくお願いする」

「ありがとうございます。ミロ様も素敵です。こちらこそよろしくお願いします」


 まだ入場が始まったばかり。なのでサロンで少し待つ。ここでもクリスにみんなの目線が刺さる。クリスでこれだとカスミが言う悪目立ちってどんなだ?

 やがて順番が来て、クリスの手を取って会場に入る。そして騒めいた。それほどクリスが可愛いらしいのだ。


 そして、次に入場したマリアージュ様にはほとんどの人が注目しなかった。

 マリアージュ様の次はカスミ、じゃない。エルサダ様だ。こちらもあまり注目を集めなかった。


 そして、次はなんとブランシュ様とセイルール様だった。確かに学院にいる人とは言われたが、生徒とはなっていなかった。

 またとても絵になる組み合わせだった。確かセイルール様とブランシュ様は従兄妹だ。なるほど、考えたな。

 ん、ってことは最後は、うわぁ、そりゃ目立つよ。


 予想通り、最後に入場したのはレオハルト様をエスコートしたカスミだった。これはまた…。その場がシンとした。それほどまでにみんなの目を惹きつけたのだ。


 カスミは黒い上着とスラックスに、濃いグレーのシャツ。そして、レオハルト様は濃紺の上着に同色のスラックス。シャツはライトグレーで白いクラバット。

 そして胸元には淡いグリーンの、あれは魔石。王家の紋章を模っている。

 何もかもが素晴らしかった。明らかに2人の服装はデザインを合わせてある。


 中央に進むと爆発するような騒めきに変わった。これは確かに目立つな。例えカスミだけでも相当に目立つだろう。殿下方とセイルール様にカスミ。そこだけ全く違う空気感だった。


 新入生の入場が終わると在校生の挨拶があり、歓談の時間となった。

 立食パーティーと言っても、さすがに王族には席がある。そこに殿下方とセイルール様とカスミがいた。僕はクリスと共に挨拶に行く。


「殿下、セイルール様、カスミ…皆様素晴らしい装いですね。見惚れました」

 と僕が言えば

「嬉しいわ」「当たり前だな」とレオハルト様とブランシュ様が応えた。セイルール様は口角を上げ、カスミは特に反応しなかった。


 カスミはクリスを見ると

「クリスは女装しても良さそうだな」

 と言った。確かに、と思った。可愛いらしいからな。

「主のエスコートなら喜んでしますよ」

 カスミは嫌そうな顔をした。クリスはふふっと笑う。なんかこういうカスミを見るのは珍しい。いつも飄々としているから。


「カスミ、腹減った」

 セイルール様の言葉を聞くとカスミはクリスに目配せをして立ち上がった。殿下方には別で配膳される。

 僕も付いて行くと、カスミとクリスは沢山のお皿に山盛りに料理を載せた。それを器用に腕にまで載せて席に戻る。そして、取り皿に取ってセイルール様の前に置いた。

 カスミの分はクリスが取り分けて、食べ始める。


「我々も食べましょう」

 クリスと今度は自分たちの分を取りに行き、豪華な料理を食べた。

 伯爵家の人からクリスが話しかけられていて、ぼくも挨拶をしながら飲んで食べた。


 音楽が鳴る。ダンスタイムだ。

 王族の2組が踊る。と思ったら組み合わせが違う。レオハルト様とブランシュ様、そしてセイルール様とカスミだ。セイルール様にエスコートされるカスミは殿下方よりも目立つ。

 そして優雅にダンスを踊った。まるで舞っているみたいに軽やかに。


 ダンスが終わるとセイルール様がカスミの腰を抱き寄せて頬にキスをした。あちこちから悲鳴が上がる。上気した顔のカスミは男から見ても魅力的だった。


 次は僕たちの番だ。クリスの手を引いて中央に進む。曲に合わせて踊る。クリスも軽やかに華やかに踊った。上手だからすごく踊りやすい。

 ダンスを終えて挨拶をすると、端に戻った。

「クリスはすごく上手だな」

「主の練習相手をしていましたから」

 なるほど納得だ。


 王族方のいるテーブルに人が集まる。しかし、ここは学舎だからと殿下方が言った。しかも食事中だからと。

 エルサダ様もマリアージュ様も追い払われていた。いや、まぁそれぞれの婚約者はまぁごく普通だ。

 普通に美形なんだが、相手が悪い。


 マリアージュ様は明らかに伯爵家の嫡男に不満そうだ。必死にセイルール様とカスミに話しかけている。

 あ、いい加減嫌になったらしいレオハルト様が他の方との親睦も深めるといいと、遠回しに追い払った。


「あの方は伯爵夫人になることが嫌なのですかね主だって継ぐ爵位はないかも知れませんのに」

 クリスが呟く。

「周りが見えていないんだろうな。目先のことに囚われて」

「まだ15、されど15です」


 僕はクリスを見ると

「その、カスミはあんなに魅力的なのに婚約者が居ないのか…?」

 クリスの顔が硬くなった。聞いちゃいけなかったかな。


「あ、詮索するつもりは」

「…分かっていますが、それについては黙秘します」

「申し訳ない」

「これから何度も聞かれるでしょうから、構いません。答える気はありませんが」


 僕は雰囲気を変えるために

「その、クリスは?」

 と聞いてみた。真っ直ぐにカスミを見つめると

「私は主のものです。誰のものにもなりません」

 衝撃的な発言だけど、何となくそのことにも触れられたくないと感じた。


 気まずい。すると今度はクリスから

「グラスゴー商会で扱う果物は、小売りもしていますか?」

 と聞いて来た。良かった。ホッとして

「してるよ。何か欲しいのか?」

 そういえばカスミも聞いてたな。

「パインやドランは数が欲しいんです。あと、出来れば枝に付いた状態で購入出来たら嬉しいですね」


 枝?もちろん出来る。

「数もそれなりには大丈夫だし、枝も輸入時には付いてるから大丈夫だよ。クリスの伯爵家当てかい?」

「いえ、出来ればカミール商会で購入を」

 カミール商会!?それは嬉しい。


 カミール商会は取り引き相手を選ぶと有名な商会で、カミール商会に卸したものは必ず売れると言われているのだ。

 ベルシティの大店が大口の仕入れ先となるからだとか。僕は色めき立った。


「ぜひ!」

「窓口はベルシティのカミール商会で、担当はリナです。商会の雑務を担当しています。平民ですが有能なので、ぜひ連絡をお願いします。リナには私からも連絡をしておきます」


 僕はもしかしたら今日1番の成果かも知れないこの話に大いに喜んだ。


 こうして新入生歓迎パーティーは無事に終わった。




もうしばらくミルロス視点です



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