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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

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106.家族の話題

 僕は馬車に乗って王都のタウンハウスに帰った。領地からは通える距離ではないから、王都の屋敷で3年を過ごす。領地にいるお母様と妹と弟は明日まで滞在してから帰る。


 ここには兄上が住んでいて、王宮で仕官している。結婚していて、子供もいる。賑やかでいい。

 なんせ9人も子供がいる領地の屋敷はいつでも賑やかだから。


 屋敷に入るとお母様と一つ下の弟と妹の双子が待っていた。居間のソファに座ると話しかけられた。

「ミルロス、学院はどうでしたの?」

「はい、知っている人ばかりですし…クラスは9人と少ないのでなんとかなりそうです」


 お母様は頬に手を当てて

「あなたは兄弟に挟まれて…そのせいか人見知りするから。心配していたのよ」

 苦笑する。確かに。そんな僕があのカスミ様に話しかけるなんてな。


「ミル兄様、会えたの?あの深窓の公爵家令息様に」

 妹のミルラだ。髪の毛を撫でながら

「会えたぞ!すっごいきれいな方だった」

 驚いたミルラは

「えっ?でも令息でしょ?」

「そうだ。でも本当に儚げできれいなんだよ」

「へーどんな色なの?」


 それからかわるがわる質問された。

 カスミ様の容姿を伝えるとみんな驚いていた。

「パルシェン公爵様と奥様の色だね!」

 とお母様。そうなんだ。水色の目はセイルール様と同じで顔立ちは似ていなかったけど、その美しさは確かに公爵家って感じだった。


「背は?」

 それは弟のミラバス。

「セイルール先生は190cm超えるくらい。カスミ様は多分、175cmくらいかな」

「ミル兄様より高い!」


 そう、僕が170cm。周りより少し高いくらい。レオハルト殿下と僕が同じくらい。エルサダ様は小柄で160cmくらい。

 ガイ様は180cmは有りそうで、ナリウス様とユリウス様は165cmほどだ。

 ブランシェ様とマリエール様は150cmと小柄。


 セイルール様はガッシリとした、でも良くしまった体付きで対してカスミ様は華奢だった。

 レオハルト殿下は細いけどしっかりとした体躯で、ガイ様はさらにガッチリしている。

 エルサダ様はひょろっとしている。ナリウス様はごく普通だ。


 そんなクラスメイトの話を楽しそうに聞く家族。

「でも、そのカスミ様は…無口なお方なんだね」

「うん、そんな感じ。なんだか凄く大人びているんだ」

 思案げなお母様は

「ほら、ダンスとかパーティーとかあるでしょ?お相手がいないのなら…いいパートナーになるかと思ったんだけど」

「うん、僕もお願いしたいんだけどね…」


 そう、この学院ではマナーの授業の一貫でダンスを披露する必要がある。と言っても相手は学院にいる人に限られる。婚約者がいても、他国の人だったり学院を卒業していたり、はたまた未入学だったりと様々な理由で婚約者がいても相手が学院にいない人がいる。


 かく言う僕も、婚約者は商家の息女。だから平民だ。僕のクラスでは、殿下方は他国の王女や卒業した先輩と婚約しているからお互いがパートナーを務める。

 それはもう一組の双子も同じだ。


 エルサダ様は嫡男でお相手は伯爵家の次女だから学院にいる。

 マリアージュ様のお相手も伯爵家の長男だから、お相手がいる。残るはガイ様と僕、そしてカスミ様だ。

 ガイ様も嫡男だからお相手は貴族だろう。とすると多分、決まった相手がいるはず。余るのは僕とカスミ様だ。

 よし、明日話をしてみよう。


 夕食の後も団らんは続いた。

「ミル兄様、皆様のお洋服はどうでしたの?」

 学院には制服がない。だから個人で服を用意する。ただ、貴族といえども懐具合はまちまちで、だから標準服がある。

 僕はもちろん、比較的裕福だから誂えたブレザーとスラックスにシャツだ。


「そのカスミ様のお洋服は?」

 お母様が聞く。やはり商会を持っているから気になるのか。

「カスミ様の服装はとてもシンプルだったよ」

 そう、濃いグレーのジャケットに同色のスラックス。どちらも敢えてなのか、体をラインを拾わない造りだった。でもその生地は明らかに高級で、デザインも間違いなくオーダーだと分かる。

 体のラインを拾わないのに、ぴったりだったから。計算されたゆとりだろうか。

 そして、それはセイルール様も同じだった。


「女性方は?」

「ブランシェ殿下は流石だった。一見すると地味なんだが、そのカットやダーツがとてもきれいでな。襟と袖とさらにドレスの裾から見えるレースが素晴らしかった。主張し過ぎず、控え過ぎず。そのレースも繊細で」

「まぁ!」

 ミルラが目を輝かせる。


「レイナルド殿下も、さりげなく襟にフリルをあしらっていた。それがまた甘過ぎず、完璧なんだよ」

 そう、俺は服飾に強い興味があり、自らデザインは出来ないが好評は出来るタイプだ。


 宝飾品との組み合わせも得意だ。その俺をして、完璧と言わしめるのはなかなかだ。

 セイルール様もカスミ様も、ごく目立たないように気を遣っているのが分かる絶妙な組み合わせだった。

 なのに、耳に嵌るピアスがとても色っぽく感じた。


 と、そろそろ今日は寝る事にした。明日はお昼過ぎまであるから。僕は不安もありつつ、楽しみでわくわくしながら眠った。


 翌朝、ご飯を食べて馬車で学院に向かう。今日からは先輩方も同じ時間だから、馬車寄せはやっぱり少し混んでいた。待っていると、馬車の横をスタスタと歩く人。えっ?寄宿舎の子かなと思って見たらカスミ様だった。

 えっ…馬車は?


 スタスタ歩くカスミ様の隣には当然のようにセイルール様。待てなくて歩いたのかな。相変わらずカスミ様の手をセイルール様が掴んでいる。絵になる2人だ。朝からいいもの見たな、と思ってようやく動き出した馬車で登校した。


 教室に入ると、カスミ様が紙を見ていた。みんなの机の上にも置いてある。

 座ってカスミ様に挨拶する。

「おはようございます」

「…おはよう」

 返してもらえた。それだけで嬉しい。


 僕も紙を見る。

 選択科目の一覧だ。一年次は必修と選択科目に分かれている。

 必修は地理、歴史、魔法学、算数、語学。

 選択は様々ある。


 武術系だと剣術、体術。理論系だと魔法理論、物理理論、植物理論、魔獣理論など。魔法学だと魔法力学、流体力学など。後はマナー、外国語、服飾、魔道具などもある。

 そしてほぼ全員が履修する魔術。


 全部で違う分野から最低3つを選択する。

 僕は服飾を絶対に取ると決めていて、後は悩んでいる。でもやっぱり魔術は外せないだろう。後は…どうしよう。剣は幼い頃から貴族の嗜みとしてしっかりと型を習った。商人に剣術は要らないけど、自分の身を守る術はあってもいい。

 チラッとカスミ様を見る。

 紙を見るのを終えたのか、窓の外を見ている。


「あの、カスミ様はもう選択科目を決められたのですか?」

 勇気を振り絞って聞く。カスミ様は僕を見ると

「カスミ…呼び捨てでいい」

 僕はとても嬉しかった。呼び捨てでいいんだ。


「カスミはそのもう決めたのか?」

 普通に話してみた。カスミは頷くと

「えっと、名前…ミルロスだったか?愛称とか無いのか?長い」

 え?長い…むしろ短いけど。どうしよう、妹はミル兄様って言うけど。


「妹はミル兄様って…」

「じゃあミロって呼ぶ」

 ミロ…それはカスミが付けてくれた相性?うわ、嬉しい。

「うん!」


「で、選択科目だったか。入る前から決めてたからな」

「何か聞いても?」

 身を乗り出してその細い指で僕の紙を指す。それは剣術と魔法理論、そして魔術だった。驚いた。魔法理論と魔術は分かる。でも剣術?


 その華奢な体を見る。

「ミロって素直だな」

 あ…体付きを見たのがバレてる。顔が赤くなる。

「腹になんか抱えてるやつよりはいい」

 カスミはそう言ってくれた。


「それなりに振れるぞ。みんな俺のこと弱いって思うんだよな…」

 そう目を伏せる。そんな姿さえも絵になる。うん、目の保養だ。


「おはよう、カスミ。グラスゴー公爵令息とは話をするんですのね」

 ブランシェ殿下だ。

「おはよう。名前で呼んでと言ったのに、相手のことはそう呼ぶのか?」

 ブランシェ殿下はふんと顎を上げ

「これからですのよ。ミルロス様とお呼びしても?」

「は、は、は、はひ!」

「うふふっ」

「楽しそうだな、ブラン」

「まぁ、レオ。さっそくのお名前呼びですわ」

「それは羨ましい。なら私もミルロスと呼ばせて貰う」

 僕は直立不動だ。


 カスミは全く動じずに

「レオ、おはよう。まずは朝の挨拶からだろう?」

「これは一本取られたな。おはようカスミ、ミルロス」

「おらおはようございます!」

「で、何の話だ?」

 殿下方は前の椅子に座った。


「せ、選択科目の件であります!」

 へーと笑うとレオハルト殿下はカスミに

「これとこれとこれか?」

 指を指した。当たりだ、凄い。


「奇遇だな、私もだ」

 僅かに眉を顰めるカスミ。対してレオハルト殿下はご機嫌だ。

「ミロは決めたのか?」

 僕はまだ迷っている。服飾と魔術は決めた。カスミが剣術を取るなら僕も取ろうかな?


「その、カスミと同じこれとこれ、後はこれでって思ってて。まだ悩んでる」

 カスミは僕を見る。

「そうか」

 そっけなく返された。どうしよう、同じ授業を受けたいなんて気持ち悪いかな。


「理由なんて何でもいいだろ。まだ15才なんだ。なんでも完璧に考えて行動できるわけじゃない。好きな教師が教えるから、でもいいと思うぞ」

 剣術はセイルール様だった。それは、でも…うん。そうしよう。


「うん!」

 カスミは僕をじっと見ると

「グラスゴー侯爵家って商会してるよな?南の海産物だったか」

「うん!お母様の実家から仕入れてるんだ。グラスゴー商会だよ」




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