101.パーティーその後
パーティーが無事に?終わり、また日常に戻った。と言っても相変わらず依頼を受けてこなして、リクの食料調達に付き合い、走らせて。
コハクとは時々、コンコンして双子の重い愛を受けながら料理を作る毎日だ。
リヴ兄様とニア兄様の愚痴はもはや常態化している。
そうそう、遂にモンブランを完成させた。マロングラッセも作った。これは意外なことにアマランとウルグが狂喜乱舞した。
もちろん、セイも双子も大絶賛だったが、どうやらアマランとウルグの故郷でたくさん取れる味覚だったらしく、懐かしさも相まっての、だったようだ。
モンブランにはさすがに驚いていたが、マロンクリームは作っていたらしく、懐かしそうに食べていた。
俺も懐かしさで目が潤んだのはここだけの秘密だ。良く食ったな…甘いものは苦手な俺が食べたケーキはイチゴのショートケーキとモンブランだったから。
で、日常に戻った。しかし、次の問題がやって来た。
リヴ兄様が屋敷に来て俺に封筒を手渡した。
「確かに渡したからな!」
と念を押して。デジャヴ…。
やっぱりその日、双子は蹲り、夜に帰宅したセイは萎れていた。
そう、新年を祝うパーティーだ。しかも、こちらも全貴族は強制参加の。マジか。
やっと終わったと思ったのに。
秋の収穫祭の兼ねたパーティーは10月の初め。で、今は11月の終わり。
新年の祝賀を兼ねたパーティーは1月の頭。
なんでこれほど時期が近いか、それは政治的な諸々故だ。
春は他国からの賓客が来訪する。そして、王族による各地への視察、そして聖女の巡礼と行事が続くのだ。
俺が転移した4月は、主に王宮が忙しい時期。
周辺の都市が忙しくなるのは秋から冬にかけて。で、今がそれだ。
で、セイと双子に泣きつかれて、また衣装を作ることになった。採寸のたびにいやらしいことをされそうになるのは確かに可哀想だし、俺の家族と婚約者に何しくさってんだよって事で今回も承諾した。
セイは未婚を貫く構えだから、今後の衣装は俺作だな。
また生地を買いにレイラシティに赴く俺。今度は客間じゃなくて双子の部屋の間に作られた俺の部屋に案内された。前回、厩舎で双子に襲われる俺を見て、双子の近くに部屋を作ろうと決めたんだとか。
恥ずかし過ぎる。
「孫ができないのは残念だけど…」
と抜かしやがった。やめてくれ、俺のライフが削られるだろ。
話は逸れたが、双子の部屋に挟まれた部屋で、廊下にでなくで行き来出るように扉が付いている。しかも、その扉には鍵が無い。なんでだよ!
双子が
「「鍵はいらない」」
宣言をしたとか。文句を言う気力も削がれた。俺のプライバシーは遥か彼方に飛び去った。さようならプライバシー…
今回はリヴ兄様に、顔は見たことがありつつも正式に紹介されていなかった長男のモーリスさんを紹介された。
「やぁ、カスミ君。私のことはモス兄様と呼んでおくれ!」
初っ端から飛ばしすぎじゃね?両手を握ってぶんぶん振るモス兄様。
「あなた…困ってましてよ?」
優雅に横で微笑むのはモス兄様の奥さんでリリカナ様。
「私の事はリリ姉様と…ほほほっ」
何がほほほっだよ!モス兄様が離した手をぎゅっと握って微笑む。
「兄様も姉様もダメ」「ダメ、離して」
双子の抗議もなんなその。手は離したが
「髪の毛サラサラだな」「お肌艶々ね」
と髪の毛やら頬を撫でられた。
俺は固まって立ち尽くす。やっと双子が背後から俺の腰と肩を引き寄せて解放された。いや、双子に挟まれたからどうなんだ?解放されてないような。
「あらあら、懐いちゃって…」
「微笑ましいな」
この会話から分かる通り、リリ姉様は双子を弟としてちゃんと見てる。モス兄様が結婚相手に求めたのは、双子を男として見ない人。それだけだったんだとか。
リリ姉様は正しくモス兄様を愛していて、双子は可愛い弟だ。女性が怖い双子を知っているので必要以上に接触をしない。そんな気遣いの出来る人。だから珍しく双子が
「いい人」「珍しく」
と言っていた。出来れば俺への接触も少なくして欲しいものだ。
その日の夕食は双子の要望で俺が少しだけ手伝った。と言っても調味料を少し足しただけ。素材は間違いなくいいものだから。
調理人に嫌な顔をされるかと思ったが、大絶賛だった。
買いたいと言うので、リヴ兄様に丸投げした。後でまた怒られるような気もするが、面倒な事はお任せだ!
キリッ
で、お父様やお母様、モス兄様とリリ姉様にも大絶賛されて夕食が終わり、居間でコーヒーとチェコチップクッキーをお披露目してこちらもお褒め頂いた。
明日はリヴ兄様とお母様が商会に付き添ってくれる。そしてせっかくだから1日、観光をする事にした。
アマランとウルグは護衛を兼ねて観光に参加する。
俺は仕方なく、貴族仕様で。なので、アマランとウルグも騎士仕様だ。俺がデザインした騎士服はマジでカッコいい。ガタイのいい2人が際立つ逸品だ。だから俺も我慢して貴族服だ。
どうやら双子と俺用にお母様が誂えてくれたようだし。
で、その日の夜は当然なように双子のお風呂を世話をして、俺の部屋で寝た。おかしいと思ったんだ。やたらとベッドがデカくて。3人用なのな、全く恥ずかしい。
双子は
「我慢してた」「抱く」
俺に拒否権はなかった。
実際の所、2人はかなり我慢してるみたいだ。俺はそもそも子供だからか、こっちの欲は今のところ沈黙している。しかし10代後半ともなればそりゃな…
しかも婚約者と同じ家に住んでいる。抑えるのも大変だろう。かと言って俺はまだ子供。
なので必然的にそっちの欲を魔石に変換している訳で…溜まる魔石、焦る俺だ。
なので、こういう時は好きにさせている。…好きにさせて…いや、限度があんだろ!!
俺は疲れ切って朝を迎えた。
「リグ、回帰…」
冷めた目で見ないでくれ、俺のせいじゃ無い。
目を覚ましたら麗しき双子は寝ぼけた顔で俺を抱きしめて…再びリグに回帰させた。
朝食は部屋で食べた。飲んで無いがお粥の気分だ。双子にはだし巻き卵と肉も付けたぞ!俺はお粥だけでいい。
着替える。えっとマジで?
襟と袖にフリル…俺は男だぞ?シャツなんて前身頃までフリル付きだ。
しかも、ズボンは5分丈で靴下にはタッセルと膝下にガーダー付き。ボウイスカウトか?恥ずかしい。着てすぐ脱ごうとしたら
「脱いじゃダメ」「可愛いからそのままで」
双子に抑え込まれた。
しかも、双子が楽しそうに俺の髪の毛をいじる。
「「はい、出来上がり!」」
鏡で見たら片側が三つ編みになってた。後ろは紫のリボンで結んである。
双子は俺と同じ色でデザイン。パイピング付きでそこが水色。全体は光沢のあるグレーだ。
いや待て、ペアルック(死語)か?
「お揃い」「一緒」
小っ恥ずかしいが、双子が嬉しそうなので耐えた。
そして俺たちを見てお父様お母様兄様たちは笑顔で、アマランとウルグは腹を抱えて笑っていた。
ちなみにアマランとウルグは紺色の立襟の膝丈の上着。襟と袖に、ズボンの裾に白の3本線。帽子付き。
それがめちゃくちゃ似合ってる。白い手袋もポイント高い。
「どうだ?」「似合うか?」
悔しいが似合ってるから素直に
「凄く似合ってるぞ!護衛騎士様」
と言えば真っ赤になった。ふははっ、笑ったお返しだ。
「カスミちっちゃい」「心狭い」
煩いわ!
って事で商会に向かった。
今日は正面からだ。
リヴ兄様がお母様を、双子が俺をエスコートする。店内は優美な空間だった。派手ではないが、上質で適度に華美で。シックな色合いは気持ちが落ち着く。
迎えた店員も比較的年齢の高い人ばかり。
どうやら、貸切みたいだ。そして、双子に配慮して若い店員を遠ざけていると。さすがお母様だ。
今回はそのまま、店の中を見る。壮観だ。色とりどりのたくさんの布。気分が上がる。
セイや双子に何を作ろうか?今回は自分の服も作る。
さらに今回は両お母様からも頼まれた。だから責任重大。
リヴ兄様にドレスコードと色合いのアドバイスを貰って、手元で簡単なラフ画を描いた。お母様と双子にはまだ内緒だ。
「こんな風で…どう?」
と見せればリヴ兄様が止まった。そしてため息を吐いた。
「毎度毎度、本当に素晴らしい…その後に来る問い合わせがなければ純粋に喜べるんだが」
と言われた。
ダメかな?と思ったら優しく頭を撫でられた。
「自慢の弟の婚約者だ!いいぞ、全力で支持する」
*読んでくださる皆さんにお願いです*
面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価をよろしくお願いします♪
評価は任意ですが…もらえるととっても嬉しいです!
モチベーションになりますのでどうぞよろしくお願いします♪




