表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

出会い

美生がおすすめしてくれた店とは。


通っている大学の路線から1本ずれた駅にあるコンカフェの激戦区にあった。

コンカフェとは、コンセプトカフェの略であり、一般的なカフェとの違いとして、特定のテーマやコンセプトに基づいた飲食店のことである。


私がハマったコンカフェ、

『マリーガーネット』のコンセプトは「いろんな恋をあなたと」


その言葉通り、いろんなボーイたちが在籍しており、王子系・インテリ系・ヤクザ系・友達系・後輩系などのジャンルから好きな相手を選び、おしゃべりすることができる。オプションも各種用意されており、腕組み、抱きしめ、耳元で囁くなどといった疑似恋愛を楽しむことができるのだ。


恋愛経験に乏しい私を見かねて、美生が異性と話す練習になれば、と教えてくれたのだ。


私がそこで出会ったのは友達系担当のケイト。

黒髪のセンターパートで、目はぱっちりとした二重。形の良い眉毛。顎のラインもすっきりとしており、いわゆるイケメンだった。


「ケイトの顔が良すぎて直視できない…」

「なんだそれ、もっと気楽にしてよー」


私は思わず手で顔を隠して、指の間からケイトを覗き見た。


「友達系ってもっと親近感の湧く顔じゃないの…?」

「俺の顔気に入ってくれたんならよかった」


ケイトは賛辞など聞き慣れているのか、そのまま淀みなくメニュー表の説明をしてくれた。

「まずこの店の通貨はイェンだからな。っていっても1円=1イェンだけど」


チャージ+1ドリンク+1オプション 3000イェン

ランダムチェキ            800イェン

ピンチェキ             1000イェン

ツーショットチェキ         1500イェン

「で、次がオプションでー」

腕組み     500イェン

抱きしめ    800イェン

耳元で囁く  1000イェン


延々と説明が続き、頭の中に???が埋め尽くされていくところで


「最後、月ごとのランキングなー」

「…はっ!!」

「何、話長すぎて気を失ってた? まとめると、みんなが頑張ってくれたら俺がうれしいってこと」


ケイトは分厚いアルバムみたいになっているメニュー表をパタンと閉じて


「よし、説明は以上!ごめんな、初来店はメニューの説明しろって店から言われてるんだ。でも、こっからが…」


対面の座席から、ソファ席の私の横へ移ってくる。


「楽しい時間の始まりな!」


距離が近づいてなおさら顔すら見れない私を気遣って、ケイトからポンポンと話題を投げてくれた。

趣味の話から休日の過ごし方。


男性とあまり話したことない私。

ケイトの話に合わすのがやっとな状態。

でもこれでもお金かかってるからなんか喋らないと…!


ようやく意を決したところで、時間迫ってきたよとの案内があり。


1オプションついてるけど何する?と聞かれ、せっかくならと1番お得なツーショットチェキを選択。


「チェキ撮影お願いしまーす」


ケイトが他のボーイへ声をかけ、より私との距離を詰めてくるケイト。いままで申し訳程度に空いていた距離が、ゼロへ。


「ひぇ! な、なんでもっとくっつくの?」

「ひっつかないと画角に映らないだろ?ほら、カメラ向いて」


そうしてケイトは私の腰を抱き寄せ頭を撫でるポーズ。


「はいチーズ」


パシャリ。


「はい終わったよ!徐々に写真が浮かび上がってくるから楽しみにしててね!」


王子様系ボーイがキラッキラな笑顔を振り撒きながら去っていった。


「おーい、終わったよー。戻っておいでー」


ケイトが私の顔の前で手を振る。


そのあとは何を喋ったのか、何を聞いたのかも覚えていない。


帰宅後スマホを見ると、いつ交換したのか、


「今日はありがとねー出勤日とかあるから、次予約したい時ここに連絡してね!」


とケイトから連絡が来ていた。


顔面真っ白な私をしっかり抱きしめたケイトのツーショットチェキが、本当にカフェに行ったという証拠だった。


最後まで読んでいただいてありがとうございます!


すこしでも続きが気になる!と言う方は評価、ブックマークなどよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ