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■オカルティクス

 ファンタジーでも見過ごせないような矛盾点などありましたら是非とも報告よろしくお願いします。

 お楽しみ頂けたら幸いです。

 (かのう)市中央にある広い都市公園の一角。

 東京ドーム七個分はあるその自然溢れる公園には、各エリア毎に大きな屋根付きの休憩所、つまり東屋が設置されている。

 そして、そこは小高い丘の上に建てられた休憩所だった。


(ギチッ、コロロ……)


(ギチッ、コロロ……)


「なるほど、なるほど……。こいつぁ、見たらぶったまげるわな。で、その通りになってビビったランニング中の女が警察に通報した、と。そんでもって、急行した警官も物怖じしない馬鹿に荒らされないよう機動隊を要請して公園一帯を封鎖。俺たちまで駆り出されることになった。で、いいんだな?」


 中肉中背の七三分けにした中年サラリーマンのような刑事は、ベンチの上に置かれている『もの』を見て驚嘆しながら隣に立つ後輩刑事に確認した。


「はい、これから搬送して詳しく調べることになりますが、爆発物処理班からは『本物』だそうです。中に危険物が含まれている心配は無いとのことですが……」


 大柄で角刈りの後輩刑事は言い淀む。

 東屋のベンチに置かれている『もの』が発見されてこの場にいるのだが、爆発物でも毒物でもない『もの』とはいえ、思想的には危険物には変わり無いのではないかと思ってしまったからだ。


「つまり、これは、見たまんまってことね」

「まあ、おそらく……ですが」


『もの』の形が万人受けするようであれば、大抵の人間がその美しさと価値に魅入られていただろう。

 しかし、瞬間こそ眩しさに心奪われたものの、中年サラリーマン風の先輩刑事が感じたそれは、その価値を台無しにする醜悪さから来た『怒り』と『哀しみ』だった。


「この場合さあ、見たまんまじゃないってのが一番マズいってのは分かりきっているんだけどさあ。どう転んでもやべえ事件だよな?」

「まあ、見たまんまじゃないとマズいってのは、よくわかりませんが、これを見て事件性を疑えないのは刑事失格かと」

「だよなあ……」

「まあ、どんな金銭感覚でこんな『もの』を作ったんだろうと好奇心が出せるほど平和ボケはしていないつもりですよ」

「ま、これを見てただの『芸術作品』でしょうなんてお花畑な回答されたら、俺はお前さんをぶん殴ってたかもしれないわ」

陽菜(ひな)ちゃんも同じ歳ですもんね」

「そりゃ親だからってものあるが、こんな『もの』作る奴を放置しておけるほど俺は寛容じゃないんでね」

「これを許すのが寛容だと言うのなら、自分は寛容さなんて要らないって言うでしょうね」


 二人は同僚たちから温厚で通っている。

 普段は取引先に媚びへつらってヘラヘラ、ヘコヘコして平身低頭で誤ってばかりのサラリーマンなイメージの彼ら。

 しかし、そんな彼らにピリピリとした苛立ちの顔が見えると、彼らの怒り狂った場合の伝説にもなった暴力団事務所襲撃を知る現場の同僚たちは、より一層の緊張を走らせて二人から自然と距離を取った。


「自分はまだ親の気持ちは理解できないですけど、先輩と同じく怒りが込み上げてきますよ」

「ま、私情をあんまり持ち込みたくはないんだがね。見ていて気分が悪くなる。これが『本物』だったらと思うとぞっとしちまうんだよ。それが見たまんまじゃないのがマズいって言った話につながってくるんだが……俺の言いたいこと分かってくれたか?」


 大柄な後輩刑事は首を傾げて眉間にしわを寄せた。


 先輩刑事が言う『本物』とは、爆発物処理班の告げた『もの』として『本物』か『偽物』かということではなくて、『不快な芸術作品』に使われている材料が『本物』だったらということだ。


 つまり――。


「これが『本物』の『死体』である可能性があったらマズいってことですか?」

「そういうこと」


 後輩刑事は、その答えに目を剥いて驚いた。


「いや……、それは……」


 狼狽えながら、今二人で見ている『もの』が『死体』かもしれないという可能性を考慮する。

 そして、そんなことが起こり得るはずがないと現実的な思考が即決した。


(ギチッ、コロロ……)


(ギチッ、コロロ……)


『もの』はキラキラと輝いていた。


 当然だ。

 純金のバラバラに砕けた黄金が公園に投棄されているのだから。

 その量、およそ七〇〇キログラム。

 ニ〇億円相当であろう砕けた金塊。


 それが『死体』であるはずがない。

 爆発物処理班が『本物』の金塊だと告げたからだ。

 金塊なのだから、人間の死体だと関連付ける方が普通なら間違っていると断言できるだろう。


 しかし、即決したはずの思考が再び再審議を始める。


 確かにこの金塊が『死体かもしれない』と考えられる条件ならば、『見た目』だけならばそうなのだろう。


 その二人が見下ろしている『もの』は、『死体の形をした金塊』なのだから。


 そして、そのバラバラに砕けている金塊は、黄金人形が壊されたものではなく、壊れているように作られた、所謂バラバラ死体をモチーフにしたとしか思えないものだった。


 何故なら、黄金人形を作った作者にとっては芸術作品と言えるのであろうそれは、臓器までもが純金で作られていたからだ。

 それだけではない。

 漏れ出た血液やら、糞尿やら、胃や腸の内部に残されたカスまでが純金で再現されているのだ。

 しかも体の細部までご丁寧に作られたそれは、十歳の少年の服を脱がせて観察した上で作られたとしか思えないほどに悪趣味な作品だった。


 少年の悲痛な顔、それですら痛ましいと思えるものが、脳味噌を剥き出しにしてバラバラに、眼球までもが飛び出しているのだ。

 これが本物の死体であったのなら、こんな猟奇的なことまでしていたのだとしたら、最早二人の怒りはとっくに限界を超えていたに違いない。


 だが後輩刑事は知ってしまっている。


 このモデルとなった少年が生きているという事実を。


「確かにこれは、『バラバラ死体』の形をしています。ですが、死体を黄金に変えるなんて事件は聞いたことがありませんし、少年は二時間の行方不明の後に発見されました」

「ま、そうなんだけどな……」


 今度は先輩刑事が写真を取り出しながら言い淀む。


 そこには人形と同じ顔をした少年が写っている。


 立華(たちばな)(あゆむ)という名の十歳になる少年だった。


 入院中の患者が消えたと連絡があったのが朝の六時。

 病院内をくまなく探しても見当たらず、難病の手術当日だからと大慌てで捜索願いを出したのがその時間だった。それから二時間後、警察に連絡したことを後悔するように「見つかりました。お騒がせして申し訳ございません」と少年の親から電話があった。


 少年は病院内で発見されたらしい。

 どうやら手術を受けるのが怖かったらしく、見つかりにくい場所に隠れてしまっていたとのことだった。


 向かわせた警察官が本人を確認したので間違いはないようだ。


 そのような経緯があって、これは死体でないと後輩刑事は断言できる。


 できるのだが――。


 いくら物質的に価値があるとはいえ、こんなにも迷惑で、幼い少年や、その家族の尊厳を傷付ける『もの』を投棄した危険な思想を持つ犯人を逮捕して、余罪まで追求しなければならないのは当然なのだ。


 だからこそ、当然なことだと断言できることを躊躇している先輩刑事に疑問を抱く。


「何が引っかかってるんです?」

「それ、見てみろよ」


 先輩刑事が指をさしたバラバラ人形の下顎。

 舌に彫られた文字があることを後輩刑事は発見した。

 それは、まるで少年が最後に発したダイイングメッセージのようでもあった。


「『G.D.』……ですか」

「これ、何だと思う?」

「簡単に思いつくのが、作者のイニシャルってところでしょうか」

「そうだよなー。お前に難しく考えろってのが無理だもんなー」

「煽らないで先輩の考えを教えて下さいよ」

「んー、前置きをしときたいんだが、俺、今からぶっ飛んだ推理するけど怒らないで聞いてくれるか?」

「何ですか? 改まって、先輩、気持ち悪いですよ」

「いや、お前さんさ、もう少し手心っていうか、オブラートに包んでくれていいんだよ?」

「残念ですがオブラートを用意するほど子供じゃないんで。まさか、苦い薬を嫌がる男に見えます?」

「誰が本物のオブラート用意しろって言った!? まあいいや話を戻すぞ。俺がさっき言った、このバラバラ黄金人形が死体かもしれないって言った話がまともだと思うか?」


 しばらく顎に手を当てて考え込んだ後輩刑事は、「トチ狂ったとしか思えかったですね」と返す。


「おいっ! オブラート! って、いや、いいんだ。俺が常識の枠を無理して飛び出そうとしてるのは確かだからな」

「つまり、普通じゃ有り得ない可能性を探っているってことですか?」

「そうだな。つまり、だ……。死体を黄金に変える事件なんて知らないって、お前言っただろ」

「言いましたね」

「じゃあ、現実的な方法から一旦離れて見てくれ。お前さん、非現実的な話で鉛を黄金に変える学問の存在を聞いたことがないか?」

「それって、まさか――」


(ギチッ、コロロ……)


 後輩刑事がその答えを口にしようとした時だった。

 情報の波のようなものが頭の中を駆け巡った。


(プレイヤーは十三人……)


(ニ〇ニニ年……)


(神の遊戯(ゲーム)を託された観測者の代理(サブマスター)二重橋(にじゅうばし)ジュディによって自分と先輩は死亡遊戯(デスゲーム)に招待された……)


(そう、ここは死亡遊戯(デスゲーム)の世界……)


(この死亡遊戯(デスゲーム)の中では、神からプレイヤーネームが与えられる)


(神の祝福と共に名付けられた者、地名などは特殊な力

を発生させる)


(先輩は鬼京(ききょう)(いつき)という名を)


(自分は釣枝(つりえだ)比譜斗(ひふと)という名を)


(プレイヤーの人数分、遊戯(ゲーム)の回数は存在する)


(一回ごとに異なる世界線(リージョン)で行われる……)


(最低一回、殺人衝動に駆られ、自分が殺人鬼となる遊戯(ゲーム)が用意される……)


(殺人鬼に選ばれた者は、世界線の支配者(リージョンルーラー)となり、世界線の独自理論(リージョンルール)を追加できる……)


世界線の独自理論(リージョンルール)は、その者の原風景(アンコンシャスハート)とリンクしており、魔法が使いたいと心の底で願えば魔法が存在する世界となり、王様になりたいと心の底で願えば、自身の独裁、王政が認められた世界が誕生する……)


世界線の支配者(リージョンルーラー)に選ばれた者は初日から行動が可能……)


(普通に日常を行動をしているように感じるが、実際には遊戯部屋(ゲームルーム)にて、観測者の代理(サブマスター)と二人きりの空間で会話をしながら進行し、ダイスを振って遊んでいるに過ぎない。その結果をリアルな感覚で受け取ることが可能というだけだ……)


遊戯部屋(ゲームルーム)は、いわば己の精神世界。最も心地良い場所にて遊戯(ゲーム)がプレイできるように配慮されている……)


世界線の支配者(リージョンルーラー)に選ばれなかった残りのプレイヤーは、遊戯(ゲーム)をするために十分な記憶を取り戻すまでダイスロールで判定して半覚醒状態を目指す……)


(半覚醒に満たないプレイヤーは、自身が遊戯部屋(ゲームルーム)にいるということを忘れ、遊戯(ゲーム)の中で生活しているような感覚に陥る。その間のダイスロールは、観測者の代理(サブマスター)が行う……)


(支配圏外周に配置された世界線を壊すもの(ゼロサムバグ)とは、RPGゲームにおける雑魚モンスターのような存在だ。今の世界線(リージョン)を不服とする「こんな世界は嫌だ!」という大衆の心が具現化したもので、倒せば経験値が獲得できる……)


(経験値を稼いで完全覚醒へと至ったプレイヤーは、その回限定で世界線の支配者(リージョンルーラー)と同等か、それ以上の力を得る……)


世界線の支配者(リージョンルーラー)は、己の殺人衝動を満たすか、最終日エンド・オブ・ザ・ワールドを迎えることによって経験値を獲得する……)


(あまりにも大衆から望まれていない世界となると、世界を壊すもの(ゼロサムバグ)が増殖し、世界の支配圏が狭まる……)


(世界が狭まれば、他プレイヤーから位置を特定されやすくなるばかりか、他プレイヤーに経験値を大量に稼がせることにつながる……)


世界線の支配者(リージョンルーラー)の敗北とは、自身が直接的に戦闘で敗北すること。もしくは、支配圏が完全に『0』となって、強制的に最終日エンド・オブ・ザ・ワールドを迎えた場合だ……)


(敗北した世界線の支配者(リージョンルーラー)に支払われる経験値は微々たるものとなる……)


(レベルは毎遊戯(ゲーム)リセットされるが、経験値は合算され、ポイントを多く稼いだ者が勝ちとなる……)


(勝ったプレイヤーは、全遊戯(ゲーム)の中から一番都合の良い世界線(リージョン)を正史とする権利が与えられる……)


(つまり、十五年前にタイムリープして、都合の良い『やり直し』をするのと同義の報酬が得られるわけだ……)


(今日は遊戯(ゲーム)開始から二日目……)


(殺人鬼には一日の猶予を与えてしまった……)


(今回の世界線の独自理論(リージョンルール)は、『魔法』……)


「先輩、ビンゴですよ! これは殺人鬼が『魔法』を使ったからですよ!」

「はあっ!? 俺は『錬金術』って言おうとしたんだぞ! 俺のオカルト知識を披露しようとしてたってのに『魔法』とか、お前さんの方がトチ狂ったのかと――」


(ギチッ、コロロ……)


 ここで鬼京樹もダイスロールに成功し、半覚醒状態へと至る。


「おい、おい、おい、おい……。マジでビンゴかよ……。つまりあれか? 何でもありなら、行方不明の少年が見つかったと『魔法』で信じ込ませることだってアリだよな? だとしたらどうなる?」


『魔法』という存在があるのだとすれば、『死体』を『黄金』に変える『魔法』もあるのかもしれない。


 だとすれば――。


「これが『本物』の『死体』である可能性が……」

「だな。お前さん、自分のステータス確認したか?」

「ええ、使えますよ。『魔法』……。まあ、使わなくても信じてもらえますよね? 先輩だって見てきたんでしょう? 遊戯部屋(ゲームルーム)を」

「ああ、俺の遊戯部屋(ゲームルーム)は、死んだ嫁さんと暮らしていたボロアパートだったわ」

「羨ましいですね。自分なんて血塗れの暴力団の事務所ですよ? 先輩と乗り込んで行った……」

「お前さん、実は病んでるんじゃないか?」

「ジュディさんにも言われました。「こんな場所が心の落ち着く場所って、本当にどういう神経してるの?」って」

「全く同意見だねえ」

「自分、ダイスロールする度に鬱になりそうなんですが……」

「バグがあるぞってクレーム言って無理なら諦めな」


 なるほどと思った釣枝比譜斗は、無意識という名の思考の海に潜った。

 感覚的には一秒も時間は停止していなかっただろう。

 先輩刑事は、一瞬だけ時が止まったかのような錯覚を感じ、後輩刑事が遊戯部屋(ゲームルーム)と、この遊戯(ゲーム)の世界を往復してきたことを悟る。


「あ、確認しに一瞬だけ遊戯部屋(ゲームルーム)に戻ったら、正しく機能してるから問題ないって返されちゃいました」

「はっ、ご愁傷さま」


 二人の怒りで張り詰めていた緊張が解れていく。

 今、この場に死体がどれだけ積み上げられようとも、彼らはその行為を笑って許すだろう。


 所詮、これは遊戯(ゲーム)なのだから。


「先輩、これからどう動きます?」

「なあに、どうせやることはいつもと変わらないんじゃないかねえ? お〜い!」


 近くにいる者を呼び、この場は任せて二人は公園の駐車場にとめていた車へと向かう。

 そして、鬼京樹は携帯電話をかけた。


「あ、もしもし。美樹(みき)ちゃん、申し訳ないんだけどさー、昨日から今朝にかけて、薬物使用の疑いで尿検査した奴いない? 検査の結果が陰性で帰された奴がいたら特に詳しく教えてくれないかな? え、デートしてくれるなら考える? だからね、美樹ちゃん。俺は妻一筋なんだけどって、えっ!? あった?」


 通話をしながら急いで手帳へとメモをする。

 そして、彼は「情報助かったよ。デート、前向きに検討しとく。ありがとねー」と言って通話を切った。


 そして、捜査の目星がついたのか車を発進させた。


「先輩、今のって……」

「ああ、空を飛ぶ奴に襲われたとか、火の玉をぶつけられそうになったとか狂ったように訴えてたらしいぜえ。半グレ集団の抗争で警察に捕まって薬物中毒を疑われたらしい」

「殺人鬼側についたプレイヤーでしょうか?」

「『魔法』が使えるようになって、俺つえーをしてみたい可能性もあるな」

「プレイヤーの中にそんな思想の持ち主になりそうなのっていましたっけ?」

「分からん。十五年前に戻った気になって、ヤンチャしてる奴がいるのかもしれんが……」

「あっ……」

「どうした?」

「半グレって、この年ではまだ使われている言葉じゃありませんよね?」

「そっちかよ! 期待させんなよ!」

「でもまあ、そういった未来もなくなってしまうかもしれないんですね」

「まあな。仮に今回の世界線の支配者(リージョンマスター)遊戯(ゲーム)に勝利してみろ。『よく分かる魔法』とか『オカルト学(オカルティクス)』なんてもんが教科書の候補として文部科学省で審査される未来になるかもしれないんだぞ」

「でも先輩、絶対にそんな未来を選ばせるつもりもありませんよね?」


 尋ねられて、鬼京樹は、今日一番の笑みを見せる。


「ったり前だろ? 最強コンビの俺らが遊戯(ゲーム)に勝って、殺し合いなんて全部嘘っぱちでしたって未来を書き換えてやりゃあ丸く収まって終わるんだ。さっきの金塊が例え死体だったとしても、な」

「そうですね……」


 しばらくの沈黙が続いた。

 そして、車が信号待ちをした時に、釣枝比譜斗の口から疑問が投げかけられる。


「そういえば、自分たちが半覚醒した順番の最下位だと思いたくはないですけど……、まだ自覚していないプレイヤーは残っているんでしょうか?」

「さてな。最後が俺らじゃないとしたら、最後に半覚醒するお寝坊さんは、果たして誰なんだろうね?」

「さあ、自分には検討も付きませんね」

「ま、更に詳しい情報を集めるにもレベル1でウロウロしてたら苦戦するだろうし、まずは外周で経験値稼ぎだな」

「誰かに先を越されてないといいんですけどね」

「そん時はそん時だろ。さて、一狩りいこうぜ!」


 鬼京樹は髪をかきあげて整った髪を崩し、アクセルを踏み込みながら叫んだ。

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