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浦川 日歌里ノジュウニシ【side:H】

夜をかける

作者: 日浦海里

私の感情は

収束するように出来ている


何を見ても

何を聞いても

一時のゆらぎはあったとしても

収束するように出来ている


窓の外を見る

一面星が広がっている


変わらない

変わらない


何もない景色

変わらない景色


それがいい

それでいい


小さな変化は必要がない

わずかな変化は見逃せない


変わらない

変えられない


繰り返されることこそが最上 


私の感情とおんなじで


すべての出来事を

収束するよう求められる


何が起きても

どんなことでも

一時の変化は許されていても

収束するよう求められる


部屋の中を見る

一面ケースが広がっている


液体の中に浮かぶ過去

それは

液体の中に眠る未来


変わらない

変わらない


繋いでく命

変えられない景色


それがいい

それでいい


いつか鐘がなる日まで

終わりの鐘がなる日まで


変わらない

変えられない


繰り返されることこそが最上 


私の感情とおんなじで




白と黒に溢れた海が

蒼と青に溢れた海に

塗り替わる日が来るのなら

その時こそは私の心も

凪ぐことはなく揺らぐだろうか


一陣の風が吹き抜けたように

心の鈴が鳴り響くだろうか


いつかのその日を何処かで夢見て

私の心はまた収束する

凪いだ心でいなければ

音の鳴らない鈴でなければ

この孤独には耐えられない

過ぎない時には耐えられない

だから風は無くていい

命を継げればそれでいい


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時をかけると同世界線の作品です

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― 新着の感想 ―
[一言]  三編読んでしまったので、もうこの一編での感想を書けず。  でも確かに振り返るとそういうことの描写なのかと思うところがいくつもあって。  ひとりきり、他者の音のない世界。  フラットであ…
[良い点]  夜をかける少女は何に乗ったか海にかけ  波に乗ったか見える景色は海そのものに  風にうねり波は起こるもやがて凪となる  凪となり風は無くとも波を起こせるのか
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