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27話:幕間、打つ手を考える人

「そうか、アシュクロフト伯爵があの庶民を」

「血縁がないことを宝珠で確認の後、一時的な措置として決まったとのこと。先だってのパーティーでの毒殺未遂から、狙われた娘達をひとところに置いて守ろうと言う魂胆でしょうな」

いつとも知れぬ時、どことも知れぬ場所で。互いに顔を見せぬようにして、密談をする二つの影があった。締め切った窓にネズミ1匹、虫の1匹まで追い払った小さな暗い部屋でのことである。毒殺未遂の経緯からしても、どこの誰が、ではなく何が、話を聞いていても今はおかしくない時代が今だ。ネズミに毒を仕込むところを見られて、それを王子が聞いたことで毒も露見しているのだ。黒幕は特に慎重だった。

「いくつかの家が、アシュクロフト伯爵令嬢と庶民との囲い込みには反対しております。恐らく、正式な身柄預かりにはならないでしょう」

「そうだな、それはあまりに伯爵が有利過ぎる。いくら戦功ある身の上とは言え、すべてに無茶が効くわけではあるまいよ」

それはあの男の驕りだ、と言いながら、黒幕は書類に書かれた名前のリストを見ていた。令嬢の一時預かりに反対する立場を表明している者たちであり、それなりの数がある。大半は、自分の娘を婚約者候補にしている者たちだった。

「それと、アータートン男爵家から馬車が一台、アシュクロフトに向けて発ちました。誰が移動しているかは確認中です」

「あそこは平民に近いからか、子供も数が多いからな……早急に調べろ。それと、手の者を何人かアシュクロフトに潜ませるように」

「かしこまりました」

消えるように部下が去り、黒幕もそのうちいなくなった。

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