41-3 謎の襲撃者
(この文献てなんなの?)少し焦るバーネット。(最初に文章を読んだときも思ったけど、最初から文字が書かれてるんじゃなくて、都度、その時の状況を見て、誰かが文字を書いてるみたいじゃないの。もしかしたら、私たちがリシェルたちと繋がってることに、気づいてるかもしれない)
白衣の左ポケットの中に入っているリシェルから貰ったバラのペンダントヘッドは、スイッチがオンになっているので、リシェルにもここでの会話が聞こえている。
『ロイ。文献て本でしょう? どうして今起こってることがわかるの?』不思議そうに聞くシュール。『ねえ、続きは書いてないの? どうせなら、どの女神像が来てるのか、書いといてほしいよね?』
「書いてあるよ」
『エッ? なにが?』
「ここに来てるサチェルドス・デイ(神の巫女)の名前だよ」
そう聞いて、ドキッとするシュールとバーネット。
リシェルたちが来ていることを知っているのは二人だけなので、そのことを隠している後ろめたさから、罪悪感を感じている。
『アッ、書いてあるんだ。じゃあ、わからない最後の三体は?』シュールが聞くと「奴も来てる」
『奴?』
「インサニアだよ。ここに「復讐の女神」と書いてある」文献のページを指すので「本当?」立ち上がるバーネットが、ロイが指をさすところを見ると、続きの文章を読む。
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あなた方がいる場所に来ているサチェルドス・デイ(神の巫女)は、「報復の女神」「破壊の女神」「復讐の女神」です。
この中で一番注意しなければならないのは「破壊の女神」を召喚した者になります。
その者が何者なのか、詳しくわからないので説明することができませんが、陰のエネルギーを感じるので、もしかしたら、追放された一族の者かもしれません。
そして、他にも陰のエネルギーを持つ者がいるようです。
その者が敵か味方かわかりませんので、注意してください。
そういえば、「破壊の女神」を召喚した者に消された方は大丈夫でしょうか。
意識がどこかへ戻っていったようですが、すごい衝撃を感じましたので、心配しています。
そして、何者かの目的はあなた方を消すことのようです。
目的を邪魔する存在を排除したため、ゆっくりと破壊工作を仕掛けてくるでしょう。
しかし、あなた方に味方してくれる存在があなた方の近くにいるので、メインシェルターが取り外されるまで、うまく連携しながら対応してください。
そして、すぐに対応しなければならないことがあります。
それは、何者かによって壊された宇宙船の対応です。
メインシェルター取り外し後、運搬用の宇宙船が入港して住民を乗せる時間はありません。
したがって、壊れた宇宙船をほかの宇宙船がけん引し、離陸する方向で対応してください。
今回はここまでです。
無事に脱出できることを祈っています。
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文章はここで終わっていた。




