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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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41-2 謎の襲撃者

 

 バーネットは持ってきたコーヒーを渡し、アニスの隣に座ると聞く体制を作る。


「バリエガータを襲った奴は、インサニアと名乗ったそうだ」


「エッ? どういうこと?」ロイの言葉に違和感を抱くバーネットが確認する。


「マーティの話から、バリエガータが追ってたのがインサニアらしいんだが、奴が連れてたのは「破壊の女神」だった。インサニアが召喚したのは「復讐の女神」で「破壊の女神」は、「水の宮殿」を破壊したサチェルドス・デイ(神の巫女)。となると、奴の偽者であることが濃厚。その為、僕たちは奴ではなく、別の偽者だと考えてる」


「インサニア、偽者。どうして?」首を(かし)げるアニス。


「それは今のところ分からないけど、コモンが「冥府の宮殿」に戻ったとき、バリエガータに聞いてくれるらしい」


「偽者の狙いは私たち?」顔がこわばるバーネット。「なんのために、私たちを狙うのかしら?」


「考えられることは一つ。目的地まで行かせないこと」

「アアッ!」思わず声を上げるアニスとバーネット。


「何者なのかしら? 正体を確かめる手立てはないの?」

「まずはコモンに頼むことだな。僕たちの世界の者じゃないことは確かだろうし」


「そうね」


『変装できるってことから調べることはできないのかな?』考えるシュール。『それに、サチェルドス・デイ(神の巫女)を召喚できるんだから』


「バーバスカム語を習得してる者ね」


『そう! 宮殿監督庁にリストがあるらしいけど、見ることが難しいみたい』


「貴重なリストだから、閲覧希望理由でも聞かれるんでしょうね」


『すごいバーネット! そのとおりだよ。コモンでも見るのが難しいんだって。だから、昔から懇意にしてる古代神に頼んでくれるんだって』


「古代神?」


『うん。でも、どんな古代神なのか教えてくれなかったんだよ。詳細を話すには、承諾を取る必要があるって』


「まあ、でしょうね。バリバリの個人情報だろうから」頷くバーネット。


「ねえ、ロイ。文献、見た?」話を変えるアニス。「夢に、出てきた、文献、こまめ、見ろ」


「ああ、そういえば、あれからまた更新されてるかもしれないね」


 ロイは、中央テーブルの端に置いてある分厚いハードカバーの文献を引き寄せると、ページをめくって続きが書いてあるか、確認する。


 すると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 どうして門外不出のサチェルドス・デイ(神の巫女)が、九体もあなた方がいる星に来ているのかわかりませんが、その中の三体が、あなた方の宇宙船を壊しにきます。


 しかし、あなた方はゲートナンバー二十のメインシェルターが取り外されるまで、持ち堪えなければなりません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「サチェルドス・デイ(神の巫女)が九体いるって?」ロイが読み間違えたか確認するが、合っているので「コモンが連れてきた「報復の女神」とインサニアの偽者が連れてる「破壊の女神」のほかに、サチェルドス・デイ(神の巫女)が来てるのか?」


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