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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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38 特殊資格者リスト

 

「それでは、宮殿監督庁に特殊資格者のリストがありますね?」


『資格を取得したときリストに記載されるので、歴代の取得者がわかるようになってる。そのリストのチェックも依頼してあるが、今のところ該当者なしだ』


「……そうですか。第三者がそのリストを閲覧する許可は、もらえそうにないですね」

『無理だな』


「コモンは?」

『俺でも無理だ』


「では、誰なら見ることができますか?」

『そうだな。わかりやすいところなら、古代神だ』


「古代神か……僕たちが知ってる古代神はみんないなくなってしまったから、頼むことができない」

『……心当たりがあるから、俺がなんとかしてみる』


「協力してくれそうな古代神がいるんですか?」


『俺が「冥府の宮殿」の担当になったときからお世話になってる方だ。訳を話せば、手を貸してくれるかもしれない』


「誰なんですか!」


『それはまだ言えない。先方の許可を得ないと話せないんだ。もう少し待ってくれ』

「そうですか。わかりました。協力してくれることを祈ります」


『古代神が協力してくれても、リストを見られるか、確実ではないぞ』

「どうしてですか?」


『閲覧するためには、確固たる理由が必要だからだ』

「確固たる理由があるじゃないですか」


『それは、宮殿監督庁の担当者が決めることだといえば、わかるか?』

「フゥ。本当に、僕たち人間と同じですね」


『我々は、それほど人間と変わってるところはないぞ』

「いえ、違ってるところがたくさんあります」

『そっちか。確かにそうだな』


「とにかく、特殊資格者のリストの確認をお願いします」

『申請は出しておく』


「ダメなら、他の手を探しましょう」

『そうだな』


「ところで、次のメインシェルターの取り外し作業ですが、ゲートナンバー二十五のほうを先に対応してもらえますか? たぶん、謎の召喚者の目的は僕たちだと思うので、他のゲートには行かないと思われます」


『そう言われるだろうと思って、すでに向かってる』

「そうなんですか! 先読み、すごいですね」


『今までの話を聞けば察しはつく。しかし、謎の召喚者は、本当に「尋ね人」たちが狙いなんだろうか?』


「どういう意味ですか?」


『もし君たちが狙いだとしたら、真っ先に君たちの宇宙船を狙うと思うが、実際はそうじゃないからだ』


「それは僕も気になってました。では、謎の召喚者の目的は何なんでしょうか?」

『さすがにそれはわからないな』


「そういえば、バリエガータと「漆黒の狼」のひとグループが追ってるらしいですが、なにか連絡が来てますか?」


『いや、来てない。彼女が追ってるのであれば、いずれ連絡が来るだろう。こちらはゲートナンバー二十五に着いたので、これから作業に入る』


「わかりました。お願いします。なにか進展があったら連絡します」


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