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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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29-3 謎の予告者


 要約すると、


・黒くて赤い目をした大きな狼の群れの出現は悪い兆候。

・黒いマントを羽織った大柄な男が狼の群れを操り、破壊工作を始める。


・そのキッカケは、ある宇宙船の火災。

・それが合図となり、次々と破壊工作がいろんな場所で起きはじめる。


・最終的に、半分くらいの宇宙船が、破壊工作によって爆発するだろう。

・星外にいる宇宙管理局をはじめとする支援の宇宙船も、星の爆発に巻き込まれる。


「ナオは予知夢を見ることがあるのか?」ロイが聞くと「予知夢ですか?」

「未来に起こることを夢で見ることだよ」


「いえ。今までそんな夢は見たことがありません」


「他に、変わった事や気になった出来事の話をした者が周りにいたかな?」

「変わった事ですか? ……いえ、特にそんな話をした者はいませんでした」


「そうか、わかった。ありがとう。もし何か思い出したことがあったら、マーティに話してくれないか?」

「承知しました!」


 苦笑するマーティが「ロイ、どうする?」

「この件はこっちで手を打つ。マーティはそのまま迎えに行ってくれ」

「わかった」



 電話を切ると考え込むロイに『ロイ。ナオって人の夢に出てきた奴って、誰だと思う?』一緒に話を聞いていたシュールが小声で聞いてくるので「今、思い付くのは奴しかいないだろう?」ロイも小声で返す。


『奴って?』

「インサニアだよ。シュールだってそう思っただろう?」

『あ……うん』


「しかし、 奴はコモンと戦ったとき、大ケガして動けないんじゃなかったか?」

『すごいケガして、ずっとベッドに横になってたよ』


「ああ、シュールは奴のところにいたから、見てるんだったな。だったら、他の誰かに頼んだのか?」

『そうかもしれないね』


「俺たちのあとを追ってきたのか? それにしても、なにをする気だ?」


『きっかけは宇宙船の火災って言ってたけど、どの宇宙船なんだろう? エンジントラブルらしいようなこと言ってたよね? エンジン爆発したら、近くの宇宙船も爆発しちゃうんじゃない?』


 頷くロイが「エル。イノンドに連絡して、ゲートナンバー五に停泊してる宇宙船のエンジンを、至急確認するよう伝えてくれ」作戦会議室の中央テーブルで、ナオの話を一緒に聞いていた、向かいに座っているエルに声を掛けると「夢の話を信じるの?」少し怪訝そうな顔をして「ちょっと現実離れしてると思うけど」


「なにもなければそれでいいじゃないか。万一のために、確認しとくほうがいいだろう?」

「それはまあ、そうだけど」と言いつつ、渋々キーボードを出して連絡を取りはじめる。


(絶対リシェルじゃない。でも、どうしてリシェルが変装したときの格好や、しゃべり方を知ってるんだろう?)考えるシュール。(そういえば、バーネットがリシェルと話したはず。あとでどんな話をしたか、聞いてみよう)



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