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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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27-2 動きだす影の存在

 

「彼女たち?」振り返ってリシェルを見るバーネットに「ほら」と言うと、三名がフードを取る。


「アッ、「復讐の女神」」

「そう。彼女たちの力が必要だから、連れてきたんだ」


「そうなの。もう、暗がりから突然出てくるから、ビックリしたわよ」ホッとしてロゼアを見るとキョトンとしてるので「あなたは一緒に来たから、知ってたのね?」


『うん、一緒に来たの』


「そう」苦笑するバーネットが「復讐の女神」たちを見て「来てくれてありがとう」と声を掛けると、言われている意味が分からず三体とも首を(かし)げるので「リシェル、通訳してくれる?」頼むとバーバスカム語で伝える。


 すると「ヒャアア」と、真ん中の一体が言葉を返すので「「どういたしまして」と言ってくれてるのかしら?」


「そうだね」答えるリシェルが立ち上がると「さあ、もう戻ったほうがいい。そろそろ「冥府の将軍」たちがここに来る頃だろうから、私たちは陰から援護するよ」


「そういえば、コモンは「報復の女神」たちと、「漆黒の狼」を連れてくると言ってたわよ」


「「報復の女神」たちを連れてくることはわかってたけど、「漆黒の狼」か。厄介だな。気を付けないと、臭いを嗅がれたら見つかってしまう」


「どうするの?」

「見つからないように、距離を置いて対応するよ」


「大丈夫?」

「なんとかするよ」


「なにか策があるのね? でも、無茶はしないでよ」

「もちろん。君を心配させるようなことはしないよ」


「もう、バカなこと言ってないで、ちゃんと気を付けてよ」

「わかってる」


「……来てくれて、ありがとう」

「当然だよ」もう一度抱きしめると「さあ、行って」


 少し戻って振り向くバーネットが「また……」と言うと「ここから脱出して落ち着いたら、連絡して」


「わかった」リシェルの後ろに立つ「復讐の女神」たちとロゼアに手を振ると、路地から出て戻っていく。



 バーネットが持ち場に戻って受け入れ者の応急処置を始めたころ、ロイのところに、コモンから連絡が来ていた。


『尋ね人。今、「妖精の道」から出て、星内に入ったところだ』


「林の中ですか?」

『そうだ。近くに、君が話してた管理小屋が見える』


「そうですか。僕たちがいるエアポートはそこから大分離れたところにあるので、移動に時間が掛かると思います」


『そうか。では、これからバリエガータと二手に分かれて、取り残されてる人がいないか、確認しながらそちらへ向かう』


「わかりました。住民たちの乗船は大きな問題なく進んでるそうなので、メインシェルターを引き上げる作業に入る午前十時までには、完了する予定だそうです」


『承知した。こちらで取り残された人を見つけたときは、保護して、まとめてそちらへ連れていく』


「あの、どうやって連れてきてくれるんですか?」

『異次元空間を作って、その中に収容していく予定だ』


「ああ、なるほど。でも、他の人間に見られて大丈夫ですか?」

『なんとかなるだろう。今は細かいことに拘ってる場合じゃないからな』


「なにかあったら、証言しますから」

『ハハハッ イタタタタッ』


『コモン様。お笑いになるときはまだお気を付けくださいと、何回も申し上げていますよ』

『わかってる……イタタッ』


「すみません。僕が余計なことを言ったから」

『尋ね人のせいではありませんから、お気になさらないでください』


「そう言われても……」

『大丈夫だ。ちゃんと痛み止めは飲んできたから』


「まだ完治してないんですから、無茶なことはしないでください」

『何度もバリエガータに言われてるから、大丈夫だ』


「わかりました。では、よろしくお願いします」



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