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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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23-1 脱出に向けての準備

 

 リシェルと話し終わったバーネットが作戦会議室へ行くと、誰もいなかったのでコントロール室へ行き、エルと交代した夜間の通信担当のタンジーにロイたちのことを聞くと、仮眠を取るために自室へ戻り、午前五時半に会議室に戻ると教えてくれた。


 そのため、起こしにいくか迷ったが、こんな時に迷う必要はないと思い、ロイの部屋の前に行くと携帯電話を鳴らす。


「ロイ! 起きて! シュール! 起きなさい!」


 しばらくの間コール音をしつこく鳴らしていると「……どうしたの? バーネット……」寝ぼけた声のロイが返事をするので「ロイ! 起きて! 脱出方法が見つかったのよ!」


「なんだって!」大声を出してベッドから飛び起きると「どんな方法!」

「その前に、部屋に入れてもらえる?」


「あ、ああ。ちょっと待ってて」電話が切れると、少しして、ラフな格好をしたロイがドアを開け「入って」中に招き入れる。


 奥のリビングへ行くとソファに座るよう言われ「なにか飲む?」

「ああ、私が入れる。インスタントのコーヒーでいい?」

「いいよ。ありがとう」


「座って。入れながら話すから」

「わかった」ロイがソファに座ると「脱出方法って?」

「その前に、シュールはどうしたの?」


「ベッド脇の椅子の上で爆睡してるよ。僕たちと一緒にずっと起きてたから、お腹が空かないと起きないだろうね」


「……そう。シュールらしいわね」


「それで、脱出方法って?」


「ロイがコモンと話したとき、星の内部に入る方法が見つからなくて、話が止まってるって言ってたけど」


「そうだよ。星の外側には、イノンドが連絡した宇宙管理局の近くの支部から艦隊が来てるらしいんだけど、放出してる電磁波が強くて、長時間、星の表面での作業が難しくなってきてるから、外側からシェルターを切り離す作業ができないらしいんだ」


「外と連絡が取れてるの?」


「いや。シェルターの外側に監視カメラが付いてるんだけど、そのカメラを外側に向けたら、管理局の艦が、3Ⅾ映像を使って現状を説明してくれたらしいんだ」


「へぇ、そうなの。監視カメラも使いようね」カップに入れたコーヒーをロイの前に置くと「ありがとう」まだ頭が動いていないのでコーヒーを飲むと「ああ、やっぱりバーネットが淹れてくれるコーヒーはうまいね」


「まだまだ、何回でもレギュラーを淹れるわよ」笑顔で話すバーネットを見て、出られることを確信するロイが「見つかった脱出方法を教えてくれないか?」と聞くと「謎かけしたいけど、今はそんなことしてられないから単刀直入に言うわね。コモンなら、「妖精の道」を通って星の中に入ってこられるでしょう?」


「アアアアッ!」頭を抱えるロイ。「そうだよ。あの林の中に「妖精の道」の出入り口があるって、わざわざチャービルさんが教えてくれてたじゃないか!」



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