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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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18-2 迫る恐怖との戦い

 

 その時、またしても爆発音が響いてきた。


「今度はどこが爆発したんだ!」コントロール室にいるエルに聞くと「今調べてる!」


 振動の余震が艦を揺らす。


「この揺れはまずいぞ!」ロイとマーティがコントロール室に駆け込むと「前方スクリーンにエアポートの外を映せ!」ロイが怒鳴る。


 メインパイロットのセイボリーが回線をエアポートの通信コードに繋ぎ、外を映すと「なにも変わってないのはどうしてだ?」眉間にしわを寄せるマーティ。


「エル。地殻の変動を確認してくれ」ロイが声を掛けると「やばいよ! 一つが動きはじめてる!」

「なんだって!」エルのところへ行くとモニターを確認する。


 そこには、何本もの断層が広範囲に広がっていて、端に移っている断層の一つが少しずつ動きだしていた。


「止める方法はないのか?」

「そんなの、専門家じゃなきゃわからないよ」


「とにかく、イノンドにこのデータを送ってくれ」

「わかった」


 ロイとマーティが作戦会議室へ戻ると、バーネットから電話がかかってきた。


“ ロイ! 今の地震、大丈夫なの! ”

「わからないけど、イノンドには連絡してるから、じきに詳細がわかると思う」


“……そう ”

「そっちは大丈夫?」


“ ええ。地震が来ることを前提で整えたから被害はないけど、今ので道路が陥没したり、建物が崩壊して道路を塞いでないか、心配 ”


「確かに、その恐れはあるね。ちょっと調べてみるよ」


 横で聞いていたマーティが星のネットニュースを調べると、準備中 となっていた。


「逃げ出したのか、次の記事を載せるために、本当に準備中なのかわからないな」

「情報が取れないのであれば、他の星が発信してる情報は取れないか?」


「無理だな。イノンドも言ってたが、電磁波の影響で、星の内部の電波しか拾えない」

「……そうだった」


「とにかく、イノンドの艦なら情報が集まるから、連絡してみる」マーティが通信を繋ぎ、情報提供を依頼すると、バーネットが懸念したことが、数ヶ所の道路で始まっていた。


 道路の陥没や建物崩壊による火災、道路封鎖など、刻々と崩壊に向けて事態が進みはじめていることが、目に見えてきた。


 その後、マーティが街中に取り付けてある監視カメラの映像に回線を接続し、乗艦予定の人達を迎えに行ったトラックを探すと、いくつかの監視カメラに、建設会社の人達だろうか、瓦礫で塞がれた道路を、重機を使って車が通れるくらいのスペースを作っている様子が映る。


「住民の人達も、率先して動いてくれてるんだな」


 そこへ、エルから連絡が来て “ 乗艦予定者を迎えに行ってるトラックの運転手と連絡が取れたよ! ”


「本当か! 大丈夫なのか!」ロイが大声で聞くと “ 途中で道路が塞がれて立ち往生してたら、近くで工事してた会社の人達が瓦礫をどかして、道を作ってくれたから、もうすぐ目的地に着くって! ”


「そうか、良かった。彼らとは連絡取れるようにして、なにかあったら連絡するように言っといてくれ」

“ 了解 ! ”


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