18-2 迫る恐怖との戦い
その時、またしても爆発音が響いてきた。
「今度はどこが爆発したんだ!」コントロール室にいるエルに聞くと「今調べてる!」
振動の余震が艦を揺らす。
「この揺れはまずいぞ!」ロイとマーティがコントロール室に駆け込むと「前方スクリーンにエアポートの外を映せ!」ロイが怒鳴る。
メインパイロットのセイボリーが回線をエアポートの通信コードに繋ぎ、外を映すと「なにも変わってないのはどうしてだ?」眉間にしわを寄せるマーティ。
「エル。地殻の変動を確認してくれ」ロイが声を掛けると「やばいよ! 一つが動きはじめてる!」
「なんだって!」エルのところへ行くとモニターを確認する。
そこには、何本もの断層が広範囲に広がっていて、端に移っている断層の一つが少しずつ動きだしていた。
「止める方法はないのか?」
「そんなの、専門家じゃなきゃわからないよ」
「とにかく、イノンドにこのデータを送ってくれ」
「わかった」
ロイとマーティが作戦会議室へ戻ると、バーネットから電話がかかってきた。
“ ロイ! 今の地震、大丈夫なの! ”
「わからないけど、イノンドには連絡してるから、じきに詳細がわかると思う」
“……そう ”
「そっちは大丈夫?」
“ ええ。地震が来ることを前提で整えたから被害はないけど、今ので道路が陥没したり、建物が崩壊して道路を塞いでないか、心配 ”
「確かに、その恐れはあるね。ちょっと調べてみるよ」
横で聞いていたマーティが星のネットニュースを調べると、準備中 となっていた。
「逃げ出したのか、次の記事を載せるために、本当に準備中なのかわからないな」
「情報が取れないのであれば、他の星が発信してる情報は取れないか?」
「無理だな。イノンドも言ってたが、電磁波の影響で、星の内部の電波しか拾えない」
「……そうだった」
「とにかく、イノンドの艦なら情報が集まるから、連絡してみる」マーティが通信を繋ぎ、情報提供を依頼すると、バーネットが懸念したことが、数ヶ所の道路で始まっていた。
道路の陥没や建物崩壊による火災、道路封鎖など、刻々と崩壊に向けて事態が進みはじめていることが、目に見えてきた。
その後、マーティが街中に取り付けてある監視カメラの映像に回線を接続し、乗艦予定の人達を迎えに行ったトラックを探すと、いくつかの監視カメラに、建設会社の人達だろうか、瓦礫で塞がれた道路を、重機を使って車が通れるくらいのスペースを作っている様子が映る。
「住民の人達も、率先して動いてくれてるんだな」
そこへ、エルから連絡が来て “ 乗艦予定者を迎えに行ってるトラックの運転手と連絡が取れたよ! ”
「本当か! 大丈夫なのか!」ロイが大声で聞くと “ 途中で道路が塞がれて立ち往生してたら、近くで工事してた会社の人達が瓦礫をどかして、道を作ってくれたから、もうすぐ目的地に着くって! ”
「そうか、良かった。彼らとは連絡取れるようにして、なにかあったら連絡するように言っといてくれ」
“ 了解 ! ”




