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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 アグリモニー星
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20 元の場所へ

 

 二人が作戦会議室へ行くと、エルはすでに待っていた。


 神妙(しんみょう)な顔をして二人が向かいに座ると「では、今回の経緯(いきさつ)について話してください」


 ロイが内容を()(つま)んで話すと「フウン、そんな事があったんだ。(うわさ)に聞いてたよりひどい所だったんだね」


「無理なことを頼んで悪かったと思ってる。でも、時間がなかったんだ」

「いいよ。そういう事なら怒らないよ」


「すまなかった」マーティが頭を下げると「もういいよ。疲れただろうから、今日はゆっくり休みなよ」

「悪いな」怒られずに済んだのでホッと胸を撫でおろす。



 二人は会議室から出ると、自分たちの部屋へ戻った。


「なんか、長いこと戻ってなかったような気がするな。たった三日のことなのに」首から下げているチェーンからペンダントヘッドの大きさの剣を外すとテーブルに置き、ソファに座ると『戻ってきたんだ』シュールのホッとした声がする。


「大丈夫か?」

『うん。たくさん寝たから元気出た』

「そうか」安心すると「もう、元の長さに戻っていいよ」


『うん』と返事をすると剣が光りだし、元の長さに戻ると『ああ、窮屈(きゅうくつ)だった』

「その割にはぐっすり寝てたな」


『眠さには勝てなかった。でも、変な格好で寝てたから首が痛い』

「じゃあ、ストレッチして首のコリを(ほぐ)したほうがいいな」


『わかった』運動を始めたらしい。

「それにしても、今回はどうなるかと冷や冷やしたよ」


『すごい恐怖だった』

「ホント、一時はどうなるかと思った。それにしても、こんな所でお師匠様の仲間に会うとはね」


『そうだね。それに、怖いこと言ってたね。追っ手が来るって、誰なんだろう?』

「ああ、そんなこと言われたな。過信するなと言ってたっけ」


『なんか、怖そうな感じがする』

「ファイヤーブリザード星で会うと言ってたから、そのとき誰なのかわかるだろう」


『それと、アニスという女の人を捜せって言ってたね』

「彼女が第二の門のキーマンだろうな」


『私もそう思う』

「門が開くというフェスティバルまであと一ヶ月。第二の門か。どんな所だろう?」


『氷の炎の門なんて、想像できない』

「門の名前を知ってるのに、どういう門なのか知らないのか?」


『教えてもらっただけだから、知らない』

「ああ、そうだった。確かに、どう解釈(かいしゃく)したらいいのかわからないな」


『寒い所にあるのに炎って、どういう意味なんだろう』

「僕たちが想像できないようなことなのかもな」


『そうかもしれない』

「行ってからのお楽しみだな」


『そこで驚くことがあるよ』

「ヘェ、何?」


『それは、行ってからのお楽しみ』

「こっちもお預けか?」


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