20 元の場所へ
二人が作戦会議室へ行くと、エルはすでに待っていた。
神妙な顔をして二人が向かいに座ると「では、今回の経緯について話してください」
ロイが内容を掻い摘んで話すと「フウン、そんな事があったんだ。噂に聞いてたよりひどい所だったんだね」
「無理なことを頼んで悪かったと思ってる。でも、時間がなかったんだ」
「いいよ。そういう事なら怒らないよ」
「すまなかった」マーティが頭を下げると「もういいよ。疲れただろうから、今日はゆっくり休みなよ」
「悪いな」怒られずに済んだのでホッと胸を撫でおろす。
二人は会議室から出ると、自分たちの部屋へ戻った。
「なんか、長いこと戻ってなかったような気がするな。たった三日のことなのに」首から下げているチェーンからペンダントヘッドの大きさの剣を外すとテーブルに置き、ソファに座ると『戻ってきたんだ』シュールのホッとした声がする。
「大丈夫か?」
『うん。たくさん寝たから元気出た』
「そうか」安心すると「もう、元の長さに戻っていいよ」
『うん』と返事をすると剣が光りだし、元の長さに戻ると『ああ、窮屈だった』
「その割にはぐっすり寝てたな」
『眠さには勝てなかった。でも、変な格好で寝てたから首が痛い』
「じゃあ、ストレッチして首のコリを解したほうがいいな」
『わかった』運動を始めたらしい。
「それにしても、今回はどうなるかと冷や冷やしたよ」
『すごい恐怖だった』
「ホント、一時はどうなるかと思った。それにしても、こんな所でお師匠様の仲間に会うとはね」
『そうだね。それに、怖いこと言ってたね。追っ手が来るって、誰なんだろう?』
「ああ、そんなこと言われたな。過信するなと言ってたっけ」
『なんか、怖そうな感じがする』
「ファイヤーブリザード星で会うと言ってたから、そのとき誰なのかわかるだろう」
『それと、アニスという女の人を捜せって言ってたね』
「彼女が第二の門のキーマンだろうな」
『私もそう思う』
「門が開くというフェスティバルまであと一ヶ月。第二の門か。どんな所だろう?」
『氷の炎の門なんて、想像できない』
「門の名前を知ってるのに、どういう門なのか知らないのか?」
『教えてもらっただけだから、知らない』
「ああ、そうだった。確かに、どう解釈したらいいのかわからないな」
『寒い所にあるのに炎って、どういう意味なんだろう』
「僕たちが想像できないようなことなのかもな」
『そうかもしれない』
「行ってからのお楽しみだな」
『そこで驚くことがあるよ』
「ヘェ、何?」
『それは、行ってからのお楽しみ』
「こっちもお預けか?」




