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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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17-1 星からの脱出 アニスの夢 続編

 

 次の日の朝、午前八時半。

 ロイとマーティが作戦会議室で朝食のサンドイッチを食べながら、脱出のための方法について話していると、アニスが一人で入ってきた。


「ロイ、マーティ。また、夢、見た」疲れた顔をしているので「本当! 続きの夢? どんなことだった?」隣の席に座るよう手を出すと腰かけ「でも、どういう夢、なのか、よく、わからない」と困った顔をする。


「大丈夫。僕たちが分析するから、見たとおりに話して」アニスのほうを向いてゆっくり話すと、マーティがアニスのコーヒーを持ってきて「まずは、どんな夢だったか話してくれ」アニスに渡すとロイの隣に座る。


「どう言えば、いいか……ここに、たくさんの人、乗ってて、照明、薄暗かった」


「ここって、この艦?」

「……うん」


「たくさんの人って、この星の住民ということか?」

「……たぶん」


「艦内の照明が暗かった? 電気系統が故障したのか? あるいは、電力の消費を抑えるために節電してるのか?」マーティが選択肢を出すと「たぶん後者だろうな。アニス、ここに居た人達はどんな様子だった? 座ってた? 横になってた?」


「それは、横、なってた。ベッドに、横になってる人、いた」


「なるほど。そういうことか。では、その前にイノンドから連絡でも来そうだな」

「ああ、来るだろう。たぶん、各宇宙船に乗せてくれと依頼してくるだろう」


「なぜ、イノンド?」不思議に思いながらコーヒーを飲む。


 そこへバーネットが入ってきたので「ああ、ちょうどいいところに来た」ロイが声を掛けると「あらアニス、もう来てたの?」


「夢の続きを見らしいんだ」


「本当!」カップにサーバーのコーヒーを淹れてアニスの隣に座ると「どうやら、介護や看護が必要な人達を引き取るらしい」


「引き取る?」


 ロイの予想どおり、その日のティータイムにイノンドから連絡が来た。


 リビングではなく作戦会議室で、午前中に引き続き、脱出するための方法を模索していたとき、エルから回線が回ってきた。


 中央テーブルの3Ⅾモニターにイノンドが映ると “ 会議中にすみません。急ぎ依頼したいことがありまして ”


「いいですよ」

“ ハ? ”


「介護、看護が必要な人達の受け入れですよね?」

“どうして知ってるんですか!” 大声を出すイノンド。


「昨夜、アニスが夢を見たんですよ」

“ アッ! もしかして例の? ” マーティの隣に座っているアニスを見る。


「はい。医務局には、受け入れ態勢を整えといてくれるように頼んでありますから。何名ですか?」


“ あ……いや、参りましたね。本当に、アニスの予知夢はすごいですね ”

「いえ、そんな……」


“ あなた方の艦は大型なので、ちょっと多く乗せていただきたいんです ”

「五百名くらいですか?」


“ エエッ! アニス。どこまで夢で見たんですか? ” さすがのイノンドも、今回はアニスの予知夢がどのくらいすごいのかを実感する。



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