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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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14-1 進む異変

 

 ロイはエアポートの管制塔に連絡して艦の状況を説明し、宇宙管理局の艦の右側にある空きスペースへ移動する許可を取ると、メインパイロットのセイボリーに電話を引き継ぎ、モニターにイノンドの艦の通信担当が映ると、彼とはサプパイロットのオリバが対応して、二人のサポートを受けながら艦を移動させることになった。


「マーティ。艦の体勢を元に戻すから、周りのものに気を付けろ」手配を終えたロイが注意を促すと「わかった。アニス、エル、脚を少し開いて、左右の動きを止めるんだ」両脇にいる二人に声を掛ける。


 少しすると、艦内マイクを通して、メインパイロットのセイボリーの声が聞こえてくる。


“ これから折れた接続ブリッジを切り離し、艦を移動させて正常な位置に戻します。周りの危険物に注意して、近くにあるものに掴まってください ”


 少しして折れた接続ブリッジが切り離されると、何分か間があって ゴオッ! と音がしてエンジンが掛かり、反重力で艦が浮いて体制を立て直すと、ゆっくり前方へ移動していく。


 突きあたりを右へ曲がって出入り口へ向かう通路を進んでいくと、左側の出入り口には行かずにそのまま直進し、少し先の右側に停泊しているイノンドたちの護衛艦を通り過ぎて、右側の空きスペースに入線する。


 元の位置に戻った会議室では「バーネット。マーティのケガを見てくれ。アニスはケガをしてないか?」


「大丈夫」

「では、クラリー夫人たちの様子を見に行ってくれ」


 アニスが会議室から出ていくと、ロイはエルと一緒にコントロール室へ向かった。


「みんな大丈夫か? エル。艦内の状況を確認して、あとで報告してくれ」声を掛けてコントロールルームの中央にあるメインシートに座ると、モニターを点ける。


『外はどうなってるんだろう?』とシュールが言うので、三台横並びにあるモニターの一つをこの星のニュースチャンネルに繋ぎ「シュールはニュースを見ててくれ。エル、被害状況は?」


「ケガ人が多数出てるけど、大きな被害は今のところ報告なし」右側の通信席に座って連絡を取り合っている。


『ロイ! ニュース見て!』シュールに言われて左端のモニターを見ると、街中にある大きな公園に集まる人の群れが映っていた。


「たくさんの人が一ヶ所に集まる。普段着、昼間」


『今日だったんだ。そうなると、今度は隣の化学工場のパイプが爆発して、真っ暗になっちゃうんだよね?』


「真っ暗になるということは、この星のメイン発電所が止まるということだ」

『そうなるとどうなっちゃうの?』


「ほとんどのものが機能しなくなる。アッ!」

『どうしたの!』


「出入り口のシェルターが塞がるというのは、このことも原因だったのか。だから、イノンドが打つ手がないと言ってきたんだ」


『なに? どういう意味?』


「アニスが言ってた、周りの壁が崩れて、出入り口が塞がってしまうというのは合ってると思う。けど、もう一つ原因があったんだ」


『それは?』

「出入り口のシェルターの動力は電気で動くんだ」


『それじゃあ』

「メイン発電所が止まったら、シェルターが動かなくなる」


『発電所が止まらないようにできないの? 予備電源はないの?』

「ここはイノンドに頼もう」



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