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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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13-1 破滅への序章

 

「ロイ、イノンドと繋がったよ」エルが通信を中央テーブルの3Ⅾモニターに繋ぐと、ホログラフのようにイノンドが映る。


“ おはようございます。アニスの夢が当たりましたね ” 寝ていないのか、目の下にクマができている。


「調査はどうなってますか?」ロイが聞くと “ 入れ違いでした。我々が動いたときは、すでに環境保全委員会のメンバーが動いたあとだったんです。委員会が運営してる研究所も、も抜けのカラでした ”


「資料は残ってましたか?」


“ いえ。目ぼしいものは何もありませんでした、と言うより、なにも残っていなかったと言ったほうがいいでしょうか ”


「そうなると、かなり前から脱出計画を立ててたようだな」話に入るマーティ。


“ そのようですね。ほかの関連会社も空っぽでしたし、メインバンクの担当者も姿を消していました ”


「奴らが逃げたしたということは、この星が取り返しのつかない状態だということだな」難しい顔をするマーティ。


“ しかし、今の段階では、政府を納得させるだけの資料がありません ”


「環境保全委員会で、この星の環境調査をどこかにさせてたはずだ。そこは付きとめられないのか?」


“ 先ほども話ししましたが、関連の研究所ももぬけの殻で、調査資料のデータもすべて持ち出され、残ってませんでした ”


「宇宙管理局を動かせないんですか?」ロイが聞いたとき、グラグラグラッと艦が揺れだした。


「地震だ! 大きいぞ!」

「アニス、バーネット、テーブルに掴まれ!」ロイが声を掛ける。


 座っていられないほどの大きな地震。

 コーヒーカップが床に落ち、あちこちで物が落ちる音がする。


 自分の右側に座っているバーネットとアニスに「しっかりテーブルに掴まってるんだ!」再度注意するロイ。

 

「エル! 大丈夫か!」マーティが左隣にいる彼に声を掛けると「大丈夫!」テーブルの端を両手でつかみ、前かがみになっている。


 しばらくして揺れが収まってくると、中央テーブルに掴まっていたロイが「みんな大丈夫か!」声を掛けると「なんとか」後ろの壁まで移動していた椅子を取りに行くエル。


「すごいビックリした」肩の力を抜くバーネット。

「脚、ガクガク」しゃがみ込むアニス。


「エル。余震に注意して、各部署に異常がないか確認してくれ!」

「すぐ連絡する!」椅子に座るとキーボードを叩く。


 他のクルーに確認を取らせている3Ⅾモニターに映っているイノンドが “ どうやら、地殻の動きが本格的になってきたみたいですね ” 深刻そうな顔をする。


「一刻の猶予もない。今すぐ非常事態宣言を出して、この星から脱出するんだ!」とマーティが言ったとき、各部署に状況確認連絡メールを送信していたエルのところへ、ある部署からメールが送信されてきた。


 そのメールはリサーチ室の地殻変動調査チームからで「ロイ! 例の分析結果が出たよ! これからデータを送信する!」


 すぐにロイのタブレットへ転送すると、ロイは抱えていたバッグからタブレットを取り出して、メールに添付されているファイルを開ける。



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