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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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10-1 アニスの予知夢 更新

 

 その後、ロイたちはリニアが通っている駅まで戻ってレンタカーを返すと指定席のチケットを買い、改札を通って通路を歩いているとき、イノンドの携帯が鳴った。


 少し離れた所へいって電話に出ているイノンドの声が、徐々に大きくなっていく。


「何か起きたな」マーティに話し掛けると「イノンドがなんと言ってくるかで、アニスの夢が解明できるだろう」


 少しして、イノンドが深刻そうな顔をして戻ってきた。


「何があったんですか?」ロイが聞くと彼は深刻な顔をして「大変な事態になってることがわかりました。この星の地殻が、爆発する危険性が出てきたらしいんです」


「何だって!」耳を疑いたくなるロイが「それで、このところ地震が続いてるのか」

「俺が調べた星の基礎データは、そんなに悪い数値じゃなかったぞ」


「データを改ざんしてるんだ。そうなると、かなり深刻な状態だと考えたほうがいい」

「とにかく、急いで艦に戻りましょう」アニスと一緒に話を聞いていたバーネットが声を掛ける。


 ホームに上がると、平日の昼間という時間のせいか待ってる人はそれほど多くなく、時刻どおりに入線してきたリニアに乗り込むと指定席に座る。


 ロイは座席を回転させてアニスたちと向かい合わせにすると、通路を挟んだ隣の席に座るイノンドたちも、座席を回転させて向かい合わせに座る。


「先ほどの話はまだ公になってないので、艦に着くまで口外しないでください」通路側に座るイノンドが注意してくるので、同じく通路側に座っているロイが「わかりました。気を付けます」返事をする。


「ねえ、アニスの夢が一つ当たったわよ」ロイの向かいに座っているバーネットが小声で話し掛けてくるので「しかし、順番が違うぞ。イノンドの話を聞いて艦に戻るのは、最後だったはずだ」記憶をさかのぼるマーティ。


「でも、こうやって急いで戻ってるじゃないの」


「ちょっと待って」ロイはポケットから携帯を取り出すとメモ欄をあけ「アニスが言ったことを書き留めておいたんだ」端から読んでいく。


 一、期間はあと五日。イノンドが打つ手がないと言ってくる。


 二、どこかの工場が爆発して振動が起き、真っ暗になる。


 三、たくさんの人が一ヶ所に集まる。普段着。昼間。休日。


 四、警察がどこかのビルに向かっている。


 五、イノンドの話を聞いたあと、急いで艦に戻る。


「どういうことなのかしら?」難しい顔をして考えるバーネット。

「この次、何が起こるかで、どういう順番なのかわかるだろうね」メモを見るロイ。


「夢の一つが現実に起こった。次に何か起こるのは近いぞ」窓の外を見るマーティ。

『じゃあ、今日中に大変なことが起こるかもしれないの?』不安になるシュール。


「その可能性は高いね」

「イヤだわ。何が起こるのかしら?」


「何か起こる前に、艦に戻れればいいんだが」

「艦、大丈夫? エル、聞いてみる?」


「そうだな。電話してみよう」ロイは席を立つとデッキに向かい、エルに電話をかける。



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