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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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9-2 合流


「いつ出発されるんですか?」ロイが確認すると『君たちを見送ってからになるね』


「よかったらエアポートまでお送りしますけど。どうせ僕らも戻りますから」

『気遣いはありがたいが、私らは別ルートで帰るんだよ』


『彼らは精霊なんだよ。宇宙船に乗って帰るとは思えないけど』シュールに突っ込まれ「そうですか。では、お気を付けて」我ながらバカなことを聞いたと苦笑すると『ありがとう。君たちも、気を付けて進んでくれ』


 シュールのツッコミを聞いて、マーティが「間違えるのは仕方ない。気にするな」とロイの肩を叩くと、「私もロイと同じこと思ったから」とバーネットが苦笑する。


 アニスはなにがおかしいのかわかっていないらしく、困った顔をしている。


 同じように「どうしたんですか?」戸惑うイノンドと部下たち。「すみません。我々だけ取り残されてるんですが」困った顔をするイノンドたちに『これからも、彼らの護衛をよろしくお願いいたします』チャービルが深々と頭を下げるので「もちろん、そのことは全力で対応させていただきますが……なぜあなたにそのようなことを言われるのか……」やっぱり困惑するイノンド。


『理由はいいじゃないですか。とにかく、彼らのことをお願いいたします。あと、対応をお願いした昨日の件も、お願いします』イノンドの手を握るので、訳が分からないが「承知しました。どうぞ心配されませんように」チャービルの手を握り返す。


 その後、鍵が入った箱はマーティが持ち、小屋から出ると、チャービルたちも出てきてロイを引き留め、小声で『次の門を通るのはかなり難しいと聞いてる。充分に注意して進みなさい』


「ありがとうございます。いざというときは」指に填めている黒曜石の指輪を見せ「頼りますから」


『ああ、そうだな。心強い味方がついてるんだったな』笑顔になり『気を付けてな』と言って見送ってくれた。



 来た道を戻る途中「彼らはどうやって帰るんだろう?」ロイが考えると『この公園から帰るんだって』とシュールが言うので(なんでそんなこと知ってるんだ?)イノンドから離れて聞くと『さっき教えてくれたの。この公園の一角に、妖精の道に入る入り口があるんだって』


(妖精の道がここにもあるのか?)ロイが林の中を見回すと(本当に、どこにでも存在するのね)バーネットが話に入ってくるので『人間には入り口が見えないから、わからないだけだよ』


(確かに「幻想の星」に行くときと戻るとき、どこから妖精の道かわからなかったな)思い出すロイ。


「何を話してるんですか?」前を歩くイノンドが振り向くので「どうしてここだけこんなに荒れ放題なのか、と話してたんですよ」ロイが返事をすると『イノンド、敏感になってきてるから、彼の前で話すときは気を付けたほうがいいね』シュールに言われてみんな軽く頷く。



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