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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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8-1 動きだすもの

 

(シュール、何者なんだ?)運転席に座るロイが小声で聞くと『見張ってた奴らがこっちに来るよ! 早く車を出して!』


 急いでエンジンを掛けるロイが「どこへ行く?」と聞くと「ホテルに戻りましょう」後部座席のイノンドが案をだす。


 来た道を戻っていく途中、バックミラーを見ると、シュールが言ったとおり、サングラスを掛け、スーツを着た三人の男が道路に出てきて、ロイたちの車を見送っていた。


 助手席に座っているマーティは、サイドミラーで男たちを確認する。「家の中にいた奴も仲間だな。中に入ってたら危なかった」


「証拠として動画を撮ってるので、あとで照合しましょう」と言うイノンドの隣で、赤茶髪の部下が肩越しにスマホで動画を撮っている。



 泊まっていたビジネスホテルの駐車場に車を停め、エントランス横にあるカフェに入ると、奥のボックス席に座る。


 それぞれ飲み物を注文したあと、赤茶髪の部下から受け取ったスマホの動画を見るイノンドが「どこかのSPみたいですね」と話しはじめる。「この動画を本艦へ送信して、映ってる人物の照合を依頼してくれ」スマホを部下に返す。


「SPか。では、例のなんとか大臣がらみだな」


「家の中にまで入り込んでるからには、令状も持参してるだろう。そうなると、許可を出した政府機関も関係してるね」


「それって、昨日、イノンドに話したことがバレてたってこと? 」盗聴を疑うバーネット。

「寄付を断ってる家全部に仕掛けてあると、みたほうがいいな」同意するマーティ。


「となると、チャービルさんたちの安否が気になる」不安になるロイが「連絡先を聞いてるから、電話してみる」席を立つが、赤茶髪のイノンドの部下が「通信障害が起きてるようで、今、メールも電話も繋がらないです」自分の携帯を見てロイを止める。


「通信障害? このタイミングで?」


「そういえば、時々起こるらしいですよ」とイノンドが言うので「ますます危機感を感じるぞ」眉間にしわを寄せるマーティ。


「参ったな。連絡が取れないんじゃ、受け取ることができないぞ」席に座りなおすロイ。


 なんといっても、第四の門の中にある「沈黙の神殿」の宴の間の鍵はチャービルが持っているのだ。


「こうなると、チャービルさんは常にマークされてたと見たほうがいいですね」

「それで今日、家の近くで僕たちが来るのを待ち伏せしてたのか」


「じゃあ、私たちが依頼相手だってバレてるんじゃないの! こんなところにいたら危ないじゃない!」慌てるバーネットに「大丈夫だから落ち着て」声を掛けるロイが「ここには来ないよ」と言うので「どうして?」意味がわからず首を傾げる。


「奴らがどうしてチャービルの家の中にいて、わざと音を立てたかわかるか?」マーティが問題を出す。


「不正を訴える資料を探してたとか?」

「違う。俺たちがドアを壊して踏み込んできたところを、不法侵入として捕まえるためだ」


「エエッ!」驚いて口を塞ぐバーネットとアニス。「私たち、捕まえる、ため? でも、イノンドたち、一緒だから……」


「そう。イノンドたちが宇宙管理局員だとわかってたから、言い逃れができない現行犯で捕まえようとしたんだよ」


「そんな……」



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