5-2 アニスの予知夢 発動
「どんな夢だった!」向かいに座っているロイが勢いこんで聞くと「それが……」アニスは困った顔をして「どこから、話す、いいか、途切れ途切れ、らしい、から……」
「では、最初に見たのはいつ頃だ?」隣に座っているマーティが別のことを聞く。
「最初は、一週間くらい、前だった」
「そんな前から見てたんだったら、どうしてそのときに言わないんだ!」
『マーティ! そんなに強く言ったらダメだよ!』シュールが注意すると「あ、すまない。怒鳴って悪かった」
「……見たとき、このこと、思わなかった、から……」
「では、どこでわかったんだ?」
「チャービルさん、寄付のこと、お断り、ロイに、言ったとき」
「寄付がキーワードか」
「それで、どんな夢だった?」ロイが先を促すと「それが……」
『見たとおりに話せばいいんだよ』とシュールが言うと「最初は、みんな慌てて、走り回ってた、ところ」
『それから?』
「あと五日しかない。打つ手がない、イノンドが、言ってた」
『五日? なにがあと五日なんだろう?』
「なにか、期限、らしい……」
「……なんか、この先を聞くのが怖くなってきたわ」不安になっていくバーネット。
『それで、その次は?』シュールが先を聞くと「次は、どこかの工場、爆発してる、ところ」
「爆発だって!」驚くロイとマーティ。
「そのあと、すごい地震、起きて、真っ暗、なった……」
「爆発のせいで、地下都市の電気系統が故障したのか?」深刻な顔をするロイ。
「地下都市の電気系統が破壊されるほどの爆発となると、星自体が危ないぞ」マーティが携帯を出して、この星の基礎データを検索しはじめる。
「この星が爆発してしまうの!」慌てるバーネットに「まだそこまではわからない。アニス、続きを話してくれないか」ロイが声を掛けると、アニスは思い出そうと目を閉じ「その次は、たくさんの人、一ヶ所、集まってる、ところ」
「それはいつ?」
「日にち、までは……」
「じゃあ、その人達はどういう服装してた?」
「服装? 服装……普段着」
「何時頃かわかる?」
「時間は、わからない……」
「明るかった? 暗かった?」
「明るかった。そう、昼間。たぶん、休みの日。いろんな人、街、歩いてた」
「今日は何曜日だ?」マーティが聞くと「木曜日よ」バーネットが答える。
『そうなると、なにか起きるのは土曜? それとも日曜なのかな?』呟くシュールに「それはわからないな」考えるロイが「でも、この星での出来事なんだろう?」
「そうだと、思う」アニスが頷くので「次はどうなった?」
「次は……警察の人達、あるビル、向かってる、ところ」
「警察が?」




