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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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5-1 アニスの予知夢 発動

 

 その頃、チャービルから依頼の話を聞き終ったロイたちが席を立ち、帰ろうとしていた。


「バーネット、ホテルへ戻るよ」ロイが隣で座ったままの彼女に声を掛ける。

「ああ、話は終わったの」

「聞いてなかったのか?」


「ごめんなさい。この暗号のような口伝が気になって、どんな意味なのか考えてたの」持っていたメモ用紙を見せると「そういえば、文字にしてもらってたんだ。帰ったらみんなで検証しよう」


 その後、工場の外まで行くと、見送りに出てきていたチャービル夫妻に見送られてホテルへ引き返した。


 ビジネスホテルに戻ると、イノンドはチャービルから聞いた情報を確かめるため、艦に連絡を取ると言って部下二人と部屋に戻ると、ロイたちは、夕飯前に一息入れようと、ロイとマーティの部屋へ行くことになった。


「どこにでも、悪どいことを考える奴はいるな」


 窓際のソファに座るロイが、機械都市のように無機質に見える工場の明かりを眺めると『意思を持つ者は、どんな生き物でも、自分のためになることを一番に考えるんだよ』難しいことを言うシュール。


「人間が一番最悪で醜いな」向かいに座るマーティ。

 そこへ「ティーパックだけど」アニスとバーネットが紅茶を入れて持ってくる。


「バーネットが監禁されてた、ウッドラフ星の王室護衛団の隊長や研究所の第一情報室部長といい、奴らが連れてきた海賊、ダブルヘッドスネイクの総長とか言ったシシレイだっけ、奴らとか、「時の宮殿」を乗っ取ってたインサニアといい、どうしてこう、自分のことしか考えない奴ばかりのさばるんだろうな」


 ロイがバーネットからカップを受け取ると「悪どいことをする奴は悪運が強い。その悪運は欲望からくるんだ」アニスからカップを受け取るマーティに「理に(かな)ってるわね」ロイの隣に座るバーネットが頷く。


『リシェルは違うけどね』と思うシュールが『インサニアは悪党の設定だった』と思い出す。


「ここでの事件、巻き込まれ、なければ、いいんだけど……」マーティの隣に座るアニスが不安そうに呟くので「俺たちには関係ないから大丈夫だ」マーティが気にするなと言い返す。


「もし巻き込まれたら、またエルにトラブルメーカーと言われるわよ」バーネットが茶化すと「もう諦めてるだろう」気にせず、おいしそうに紅茶を飲むマーティ。


「そうかもしれないわね」

『バーネット。納得したらエルに怒られるよ』突っ込むシュール。


「あら、いけない。でも、どうして巻き込まれなければ、なんて言うの? 今のところ、環境保全委員会の事件と私たちには接点ないのよ」アニスに聞くと暗い顔をするので『もしかして、夢を見たとか?』シュールの言葉に小さく頷く。




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