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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 アグリモニー星
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11 新しい予言

 

 ロイがファルネス系で起きたことを話すと「なんて(おろ)かなことをするんだろうね」老婆は深くため息を吐く。


「兄ちゃん」ロベージがマーティの上着の袖を引っぱり「俺、腹減った」と小声で言うので腕時計を見ると、午後二時を回ろうとしていた。


「もうこんな時間なのか」


「差し向かいのお店でサンドイッチを売ってるよ」と老婆が教えてくれたので「みんなの分を買ってこい」お金を渡すと、ロベージがヘンリーと一緒に買いにいく。


 老婆はお茶を飲むと「では、私の予言を話そうかね」と言い出すので「ちょっと待ってください」ロイはバッグからタブレットを取りだすと録音ボタンを押し「お願いします」老婆の前に置く。


「まず、早くここから立ち去りなさい。みんなでな。次に、目的の星に着いたら、アニスという女性を(さが)しなさい。年は十八歳前後。彼女が先へ導いてくれるよ。それともう一つ。追っ手が来てる。用心なさい」


「追っ手ですか?」

「きっと目的地で再会するよ」

「再会ってことは、以前、会ったことがあるってことだ」

「心当たりはあるかね?」

「いいえ、ありません」

「過信は禁物。用心なさい」

「はい。気を付けます」


 サンドイッチを買ってきたロベージたちは、(かたわ)らで、お茶を飲みながら静かに食べている。


「そうそう。お嬢ちゃんはそのままだと危ないから、ババがいい物をあげようかね」


 奥から革製(かわせい)のカバーを持ってくると「この先、何が起こるかわからないから、これを着けていきなさい」ロイに渡すので「いろいろとありがとうございました。これ、些少(さしょう)ですが、シュールがお世話になったお礼です」バッグから例の袋を出していくつかの金細工を渡すと「こんなに高価な物を貰っていいのかい?」目を丸くする。


「剣を買い取ってくれた金額以上の値打ちが付けばいいのですか」

「十分だよ。欲を張ったら(たた)られると言って、そこそこの値段で引き取ったからね」

「そうなんですか?」


「お嬢ちゃんの声が聞こえてきたから、何事かと思って呼び止めたら、ラディウス・ソリッシュを持ってるから驚いたよ。男たちの人相から、盗んできたんだろうとわかったから、他へ持っていかれないようにしたんだよ」


「そうだったんですか」

「私がここに来たのは、使命だったのかもしれないね」


「あなたがいてくれてよかった。本当にありがとうございます。では、お世話になりました」改めてお礼を言うと「気を付けていきなさいよ」口元に笑みを浮かべる。


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