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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第十章 決戦に向けての最強要員
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9-1 口伝の人物

 

「そこに、どうして復讐の女神像が必要なんですか?」

『今まで何回もその像の力について話しただろう?』

「像の力ですか?」

『そうだ。あの像の一番の力は、隠れてる者を捜しだすこと』

「アッ!」


『理由がわかったか? あの像は、対象がどんなものであれ、必ず捜しだすことができるんだ』

「例えそれがアミークスでも」

『そうだ。だから、あの像は門外不出だったんだ』


「なるほど」大きく頷き「でも、僕と入れ替われば会えるはずですよね? なのに、なぜ危険を冒してまで、復讐の女神像を盗りにいったんですか?」


『それは……尋ね人になれば必ず会えるという確証がないからだ』

「エ? そうれはどういう意味ですか?」


『君も三つの門を通ってきたからわかると思うが、門の場所やキーマンを捜すのに苦労しただろう? 通らなければならない門はまだ残ってる』

「なるほど。最短で行けるようにしようとしたのか」


『あの像があれば、門の場所もキーマンも瞬時にわかる』

「そして、アミークスがいる場所も」

『……そうだ』


「直接アミークスのところへ行けるんですか?」

『それはわからない。彼女がどこにいるか知ってる者がいないから、判断できない』

「彼女? アミークスは女性なんですか?」


『いや、性別もハッキリしない。両方の説がある』

「あなたでもわからないんですか?」

『ああ。私たちでもハッキリしたことはわからない』

「本当ですか?」


『本当だ』真剣な顔をするので「では、なぜ彼は、彼女、いや、これは正しいかわからないから、アミークスに会いに行こうとしてるんですか?」


『あの方について、何か聞いてないか?』

「ラディウス・ソリッシュを渡されたとき、少しだけ聞きました」

『どんなことだ?』


「この剣を保管してた人は予言者の長老で、以前、アミークスに会ってます。その時、この剣を託され、いつか自分の元へ来ることがあるだろうから、その時はこの剣を持ってくるよう言われたそうです。そして、アミークスから授かったという力の一つを貰いました」


『どんな力だ?』

「浮遊する力です」

『やはりその能力を貰ったか。水の宮殿で役に立ったろう?』

「はい。水に浮く宮殿と言われるとおり、宮殿内は、浮くことができなければ歩けませんでした。でも、どうして僕がその能力を貰ったと知ってるんですか?」


『尋ね人に最初に授けられる能力だからだ。続きを話してくれ』


「その時アミークスの居場所を聞きましたが、他言できないと言われて教えてもらえませんでした」

『あの方のことは、迂闊(うかつ)に口に出せませんのよ』


「知ってます。僕も他言するなときつく言われましたから。でも僕たちは、アミークスがどのような方なのか、知る権利があります」

『そうだな』

「教えてください。どういう方なんですか?」


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