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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第十章 決戦に向けての最強要員
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8-3 考察

 

「闇の精霊界からルーが出てくれば、あなたを呼びにいくだろう……」言葉を切るので「どうしたの?」バーネットが聞くと「なぜルーが呼びにいくのを止めなかったんだ?」

「どういうこと?」


「彼を強敵と思ってるなら、こんな大事なときに呼びにいかせないだろう。偽物のルーに書簡を送らせてまで騙してきたんだから、そのまま騙し続けてればいいわけだ。なのに、なぜわざわざ来るように仕向けたんだ?」


『それは、復讐の女神像の正当な所有権を、取ろうとしているからですわ。コモンから奪おうとしているんですのよ』

「では、人質を取ったのは、彼に取引に応ずるようにするためと言うんですか?」

『そうですわ』


『アイツ、何様だと思ってんだ? 呆れてものが言えねえぞ』鼻で笑うグリーク。『コモン様と同等に戦える奴がいるとしたら、兄貴ぐれえだ』


『そのグレイターを、七十年も閉じ込めているんですのよ、グリーク』

『でも! それは……』

『コモンも、そのことに気付いているのでしょう?』

『……まあな』


「なぜ、奴はそこまでして復讐の女神像に固執(こしつ)するんですか? 確かに話を聞いてすごい力を持ってると思いますが、管理者であるあなたに戦いを(いど)んでまで、所有したいと思うのはなぜですか?」


『それは……』言葉を詰まらすので「理由に思い当たることがあるんですね?」すると急に押し黙ってしまう。


「あなたも、理由に心当たりがあるのではないですか?」ワームウッドに振ると、彼女も黙ってしまうので「ここまで来て、内緒事はやめませんか?」それでも口を開こうとしないので「では、別のことを聞きます。なぜ奴は、三枚の鍵やラディウス・ソリッシュを欲しがるんですか?」


『それは……』

「なぜ僕と入れ替わろうとするんですか?」

 顔を逸らすコモンとワームウッド。


「奴の最終目標は何なんですか? あなた方はそれを知ってるはずだ」

 しばらくの間、沈黙が訪れる。


「グリーク。グリークはどうなんだ?」

『俺は……多分そうだろう、と思うくらいだぜ』

「それは?」

『わりい。俺からは言えねえんだ』


「話してもらえないのであれば仕方ない」コモンを見ると「それでは、僕の推測が正しいか答えてください」

『君の推測?』

「そうです。奴は、僕が会いにいこうとしてる、アミークスと呼ばれる人物のところへ行こうとしてますよね?」


『それは……』

「違うんですか?」


『まあ、このことはすぐにわかるな』ため息を吐くと『そうだ』と答える。

「でも、それは最終目標ではないですよね?」と言うと驚いた顔を向けるので「その先があるはずです」


『フフッ』コモンは笑って頭を抱えると『頭の回転の良さから気付かれるだろうと思っていたが、ここまで見透かされるとは思わなかった』真っ直ぐロイを見ると『ある程度話さないと、引き下がってもらえそうにないな』


「ここまで来たら」


『わかった。話せるところまで話そう』ワームウッドに『構わないだろう?』と聞くと『そうですわね』頷くので『そう、君の言うとおり、奴の目標はラディウス・ソリッシュの本当の持ち主だ』


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