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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第二章 「第一の門 / 鏡の泉の門」
58/1020

23-1 再会

 

 刻々(こくこく)と出発最終期限が(せま)りくるある日、ロイはアルバスに呼びだされた。


 作戦会議室。


「どうしたんだ?」

「大したことじゃないんだが、忙しくてちゃんと礼を言ってなかったから」手を出し「いろいろ手伝ってくれてありがとう」


「何言ってんだよ。僕も、アルバスたちの協力がなかったら、犯人を突き止められなかった。礼を言うのはこっちのほうだよ」

「そろそろ出発するんだろう?」

「ああ。でも、期限まで手伝わせてもらうよ」

「悪いな」

「当たり前だよ」


「寂しくなるな。せっかくいい仲間ができたと思ったのに」

「帰りに寄るよ。その時までには立派な系星になってるだろう?」

「もちろんだ」


「ところでアルバス。君とセージに会わせたい人達がいるんだけど、ちょっと時間を取ってくれないか?」

「構わないが、誰なんだ?」

「それは、会うまで内緒だよ」




 そして、出発最終期限の前日。


 アルバスが時間が取れたと連絡してきたのでマーティも呼び、三人を小型艇に乗せると出発した。


「ロイ、どこ行くんだよ」後部座席からセージが聞いてくるので「惑星エルーカの尖山(とんがりやま)の基地だよ」

「あそこは今、誰もいねえぞ」

「ああ、誰に会いに行くのかわかったぞ」副操縦席のマーティに「誰なんだよ、教えろよ」

「会えばわかる」

「なんだよ二人して。誰に会うのか教えろ!」

「じきに会えるから暴れるな」

「アルバスは、誰に会いにいくか知ってるか?」隣に座っているので聞くと「知ってるわけないだろう」


 宇宙空間に出てワープを一回こなすと、惑星エルーカが見えてくる。

 独立戦争と無縁だったため、青くきれいな星のまま。


 大気圏を抜けて広大な影の森が現れると北上し、目的の尖山へ向かう。


「戻ってきたんだな」外を(なが)めるマーティ。


 あの時見た光景はまったく変わっていない。


 尖山まで来ると(ふもと)近くの広場に着陸し、外へ出ると、あの時の光景が(よみがえ)ってくる。

 逃げることに必死で、周りの景色が目に入っていなかった。


 森の入り口近くまでくると、鳥の羽音や鳴き声が心地よく聞こえてくる。


「やっぱり、自然の中は落ち着くな」伸びをするアルバス。

「さて、目的の人達はどこにいるんだ?」辺りを見回すセージ。

「今呼ぶから、もう少し待ってろよ」

「呼ぶ? こんな所で誰を呼ぶんだよ」


 ロイは森の中へ続く道のほうを向くと、小声で「シュール、あの二人を呼んでくれないか?」

『了解』


 しばらくして、森の奥へ続く一本道からメルが走ってくると、後ろからミルの姿も見えてくる。


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