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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第十章 決戦に向けての最強要員
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5-3 序章

 

『でも、そうしたらコモン様が不審に思われますよね?』

『ルーから書簡が来たんだ。地下の改装を行ってるから、しばらくの間ドアを封鎖すると。私はそれを鵜呑みにしてたんだ』

『私の偽物が?』


『君が闇の精霊界にずっといたならば、書簡を送ってきたルーが君と同一人物のはずがないからな』

『……そうですね』


「妖精の道から迷いの道へ行かせて再びドアの部屋へ行かせ、またドアの中に閉じ込めようとしたというの?」バーネットが確認すると『そうだ』すぐに答える。


「でも、私たちはドアから出る方法を知ってるわ」

『同じドアの中に入れられると思ってるのか?』

「アッ!」


『ドアの部屋を管理してるのはニゲラなんだぞ。今度は、滅多なことでは出られないドアへ入れるだろう』

「……そうね。そうよね」


『とにかく今は、グリークたちが「時の宮殿」に戻るのを止めなければならない』

『知らせるにしても、今、どこにいるのかわかりません』焦りだすルー。


『確認してありますわ。彼らは今、陽炎(かげろう)の一族が住む水の宮殿にいますわ』

「三枚目の鍵があるところだわ!」

『フォンス様の宮殿に三枚目の鍵が保管されてるのか。なるほど。それでグリークたちを同行メンバーにしたのか』


『コモン様、どういう意味ですか?』

『あそこがどういう宮殿か、ルーは知ってるだろう? もし偽者があの宮殿に入ったらどうなる?』

『偽者が入ったら? アッ!』


「ルー、どうなるの?」

『偽物だとすぐにバレてしまいます』

「どうして?」


『陽炎の一族は、泉の神フォンス様が支配なさっている真水から生まれた一族です。その真水から作られた水の宮殿は、鏡のようにものを映すんです。目に見えている姿ではなくて実体を、その者の本性を映すんです。ですから、尋ね人の偽者があの宮殿に入ったら、すぐに正体がバレてしまいます』


「じゃあ」


『奴は途中で本物と偽物が入れ替わるように仕組み、三枚目の鍵を取ってこさせるようにしだんだ。三枚目の鍵は、本物の尋ね人でないと手に入れることができないからな』


「でも、ラディウス・ソリッシュを持つ者が尋ね人になるんでしょう?」

『ラディウス・ソリッシュの精霊が認めた者だ』


「ああ、そうだったわね。じゃあアイツは、偽物では三枚目の鍵を手に入れることができないことを知ってて、ロイたちが三枚目の鍵を取りに行くように仕向けたというの?」


『ロイ?』

「ああ、尋ね人のことよ」


『そうか。しかも、君たちが密かに動いてると思わせるために、気付かないフリをしてる。つけいる隙があると見せて、作戦どおりに誘導してる』

「そんな……」


『それに、今まで奴が「時の宮殿」から出た形跡がない。たぶん、自分の存在を多数の者に認知させないためだろう。ニゲラを操り、動かしてるのはそのためだ』

『そして、すべてを「時の宮殿」に集めようとしているんですわ』


「自分は動かず、周りを動かして欲しいものを集めてたというの?」

『そうだ』


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