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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
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41-1 第二段階へ向けての準備

 

 そして、次の日の朝八時半。

 ロイとグリーク以外の顔が、中央の塔の地下食堂に集まっていた。


「ロイたち、今頃どこら辺にいるのかしら?」食後のお茶を飲むバーネット。

「うまく、入れ替わって、こられれば、いいんだ、けど」心配なアニス。


「大丈夫だ。ロイたちならきっとうまくやる」マーティが安心するように言うと『そうじゃぞ。悪いことばかり考えとると、そうなってしまうぞ』

「そう、ですね」深く息を吸って気持ちを入れ替える。


『ところで主。例の件はどうなった?』モスカールが確認すると『求人募集欄を見とったら監視員の募集が数ヶ所でとってな。運良く西の塔の総合管理室もあったので、二人を登録しといたぞ。これが履歴書のコピーじゃ』受け取ると内容を確認して『完璧だよ。これなら即採用だね』


「当然だ。俺が作ったんだからな」と言うマーティに『さすがだよ』素直に()める。


『それと、ルー。向こうへ行ったら、これを渡してくれんか?』バッグから大きな封筒を取り出すので『これは?』

『今回のことをまとめた資料じゃよ。どういう事が起きとるか、読めばわかるようになっとる』

『わかりました』受け取るとバッグにしまう。


『ルーたちが助っ人を連れてきて、グリークたちが偽物とすり替わって戻ってくれば、こっちの勝利は近い。あと少しだから、それまで気を抜かないように』お茶を飲みほすモスカール。


 その後、みんなと別れたアニスとモスカールは、マーティに作ってもらった履歴書のデータを持って、西の塔の三階にある総合管理室の受付に向かった。


 担当者に会って面接を受けると一時間後には採用者が決まり、モスカールたちが選らばれると、管理室の責任者に案内されて総合管理室へ向かった。


「では、これから中を案内します」責任者のあとから部屋に入ると「まあ! 壁一面、モニター、ある!」


 部屋には五人の監視員がいて、それぞれ受け持ちのモニターをチェックしているので、アニスたちは部屋の中央に立ち、彼らの仕事を見せてもらった。


「ここでは、塔内に不審者が入り込んでいないか。挙動不審者がいないか。設備などに変化がないか。または、なにか問題が起きていないかなどのチェックを行っています」責任者が説明を始める。

「その他、事故や事件が起きていないかなども見ます」


『右端の一列だけ映像が映ってませんが、どうしてですか?』モスカールが指をさすと「あれは昨日、作業員が誤って回線を切断してしまったんですよ」苦笑する責任者。


『いつごろ直るんですか?』

「遅くとも夕方までには直る予定です」

『そうですか』


「最初は勝手がわからないと思いますが、徐々に慣れてきますから、あまり難しく考えないでください」緊張しているアニスに声を掛けると「では、お昼の交代時間まで、どのモニターがどの場所を映してるか、覚えてください」と言い残して部屋から出ていく。


『さあ、チェックするよ。アニスは左端から見てってくれ』小声で話し掛けると、モスカールは部屋の右端へいく。


 左端に座っている監視員のところへ行くアニスが「お仕事を、少し、拝見させて、いただいて、いいですか?」声を掛けると「構いませんよ。では、ここに並んでる装置の説明をしながら、モニターの見方を説明しましょうか」手元に並んでいるスイッチを指す。


 そして、中央の塔の資料室へ戻った主とマーティは再びパソコンを立ちあげ、宮殿のメインコンピューターにアクセスしていた。


『そっちはどうじゃな?』

「南の塔は一階以外、封鎖されてる。それに、進入しようにも途中でブロックされてしまうから、ここから動かすのは無理だな」

『そうか。仕方ないのう』


「東と西が三分の一。中央が半分くらいだな。北の塔は全部動いてる」

『それはそうじゃろう。北の塔はニゲラの管轄じゃからな』

「そうだったな」

『では、わしの管轄である中央の塔から始めるかのう』中央の塔のコンピューターへアクセスする。


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