表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
552/1026

35-2 情報交換

 

『ところで兄貴。俺たちの正体がバレるようなことは書いてねえだろうな?』

『当たり前じゃろう。わしがそんなドジを踏むと思っとるのか?』

『そうは思ってねえけどよ。念のために聞いただけだよ』


『そうそう。これが二人の素性じゃよ。出発前に頭に叩き込んどくんじゃぞ』二人にメモ用紙を渡すと『俺たちが兄弟? どう見ても無理だぜ』

『そうかのう。よく似たキャラじゃから、みんな納得すると思うが』


 聞いているアニスが笑うので『何だよ。なに笑ってんだよ』

「ごめん、なさい。でも、モスカール、同じこと、言ってた、から」

『何だって?』モスカールを見ると『尋ね人と似てると言われるのが、そんなに嫌か?』


『そんなことねえけどよ』

『じゃあ、いいじゃないか』

『……わかったよ。で、出発はいつなんだ?』

『明日の昼じゃよ』

『どこへ行けばいいんだ?』


『ここに詳細が載っとる』別の紙を渡すと『集合場所は、南の塔の裏にある倉庫じゃ。食事が終わったら必要書類を作って受付窓口にデータを送っとく。書類のコピーはあとで持っていくから、試験会場で待っとれ』


『何時頃になんだ?』

『そうさのう。二時過ぎになるかのう』マーティを見ると「そんなところだ」


『それと尋ね人。あんたは少し変装したほうがいい。髪を隠す必要はないが、帽子やメガネなどで雰囲気を変えておいてくれ。これから偽物と会うじゃろうからな。同じ顔がいたら周りが混乱するじゃろう』


「ああ、そうですね。わかりました」

『グリーク、何か見繕(みつくろ)ってやれ』

『わかった』


『ところで、主のほうはどうなんだ?』モスカールが状況を聞くと『今、宮殿内の機能がどうなっとるか、調べとるところじゃよ』


 宮殿内の機能をこちらが握れば、中にいるインサニアは袋のネズミである。


「奴もコンピューターを操ってるだろうから、見つかる恐れがあるんじゃないですか?」ロイがリスクを考えると『じゃから、マーティに頼んだんじゃよ』

「なるほど」


『となると、問題は、奴の居場所がわかんねえってことか』とグリークが言うので『なんじゃって? 例の鏡はどうしたんじゃ?』モスカールを見ると『鏡は全部、冬眠中だ』


『どういう意味じゃ?』

「実は」アニスが訳を話すと『なんじゃと! それは困ったのう』


「使えないのであれば仕方ない。他の手を考えるしかないだろう」と言うマーティに「何か、案、ある?」

『コンピューターで警備状況を調べ、どこにいるか割り出すしかないじゃろうな』


「時間、掛かり、ませんか?」

『使用禁止の部屋を漁って、見つかるよりマシじゃよ』

「……そう、ですね」


『仕事を増やして申し訳ない』モスカールが謝ると『気にせんでいい。スムーズに事が運ぶのは、何万に一回くらいの確率じゃろう。ところで、ルーたちが来とらんが、大丈夫じゃろうか?』


『あの子のことなら心配ない』

『あそこはルーの管轄だぜ。忘れたのかよ』

『忘れとらんが、長期間離れとった。何が起こるかわからんから、心配じゃよ』


『年老いて心配性になっちまったのか?』

『余計なお世話じゃ。わしはそんなに年老いとらん!』

『本当は若いんだって言っても、誰も信じねえぜ』

『二人とも、そこら辺でやめとけ』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ