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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
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31 東の塔

 

 そして、アニスとモスカールは東の塔へ行くと、中央ホールからエレベーターで五階へ上がり、ホール右手にあるフロントへ向かっていた。


『宮殿の(おも)だった部屋には、特殊加工が(ほどこ)してある鏡が置いてあるんだ。そして、幾つかの部屋に置いてある別の鏡を通して、部屋の中が見られるんだよ』


「鏡のこと、どのくらいの人、知ってる、ですか?」

『私たちだけだよ。私たちだけにしか使えないんだ』


「そう、なんですか。でも、なんで、そんな鏡、置いてる、ですか?」

『宮殿を守るための手段の一つだよ。今回のような事が起きたときのね』

「セキュリティー、一つ、ですか?」

『そう。機械に頼りすぎると恐いからね』


「でも、どうして、そんなに、利用する、部屋、置いてる、ですか?」

『どういう事態が起こるかわからないから、いろんな所に置くことにしたんだよ』


「そう、なんですか。それで、その鏡、使って、敵の居場所、探る、ですね?」

『そう。奴は宮殿のコンピューターを操作してるだろうから、下手に動かすと警戒されてしまうからね』


 フロントへ行くと、モスカールが呼び鈴を鳴らす。


「ハイ」受付嬢が出てくると『第三秘書室を使いたいんですが、空いてますか?』

「あの部屋は、現在工事中で使用できません」

『エエッ!』


「申し訳ございません。隣の第二秘書室でしたら空いてますけど」

『ンー、わかりました。では、第二秘書室を借ります』


「それでは、こちらに、お名前と使用時間をお書きください」入力フォーマットが表示されているダブレットとペンを出すので アニスが記入すると内容を確認し、第二と書いてある札がついた鍵をだすので、モスカールが取ると『どうなってるのか見にいこう』


 フロントの向かい側にある右奥へ伸びる通路の入り口の壁に「秘書室一~五」と案内プレート板が貼ってあり、その通路へ歩いていく。


 第三秘書室のところへ行くとドアが開放され、数名の作業員が、中から椅子や机を運びだしていた。


『どんな工事をするんですか?』部屋に入ろうとする作業員を止めると「壁紙を張り替えるんですよ。大分汚れてますからね」額の汗を拭いて答える。


『かなり掛かりそうですか?』

「そうですね。取り掛かったばかりですから、しばらく掛かりますよ」


『中の物はどこへ運んでるんですか?』

「この通路の突き当たり右側にある倉庫です」奥を指さすので『そうですか。では、宜しくお願いします』お礼を言うと『倉庫を見にいこう。鏡さえ手に入ればいいんだから』アニスに声を掛けて、目的の部屋へ向かう。


 倉庫前に行くと、運良くドアが開いていたので中を見ることができたが、かなりの物が運び込まれていたので、鏡を探せる状態ではなかった。


『仕方ない。他の部屋に行こう』

「どこ、ですか?」

『資料準備室』


 二人は六階へ上がり、毛足の短い絨毯(じゅうたん)が敷いてある長い通路を右へ歩いていくと、資料室と案内プレートが壁に貼ってある通路を左に曲がり、資料室一・二・三と札が並ぶ通路へ入る。


 モスカールは資料室五と書いてあるドアの前で止まったが『使用禁止だって!』ドアには赤文字で書いてある札が掛かっていて、ご丁寧に鎖つきの鍵までついていた。


『どうなってるんだ?』困惑するモスカール。

「長い間、開けられて、ない、みたい。ドアの、隙間、埃、詰まってる」

『なんか、嫌な予感がしてきた』モスカールは少し考えると『とにかく、次の部屋へ行こう』


 二人は来た道を引き返すと、五階へ降りていく。


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