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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
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26-3 反撃 準備開始

 

『そのため、太陽のある世界から来た者を、避けたりするんだ』

「どうして、ですか?」

『彼らから言わせると、日向(ひなた)くさい嫌な匂いがするらしいよ』


「それは、太陽の匂い、ということ、ですか?」

『そうらしいね。でも、しばらく滞在するとその匂いが消えるので、その頃になって、ようやく話してくれるようになるんだよ』


「でも、ここに、入った人達、みんな、動物、変化してしまう。彼ら、会っても、話せないんじゃ、ないですか?」


『確率的にはかなり低いけど、太陽の匂いが消えるまで、水を飲まない者がごく僅かではあるけど、いるからね』

「水さえ、飲まなければ、動物になること、ない、ですか?」

『処置してない水を直接飲まなければね』


「では、草とか果物、食べても大丈夫、なんですか?」

『まあね。植物に取り込まれると水の毒素を分解するので、直接取り込むより害が少なくなるんだよ。解毒草はその作用が一番強いんだ』


「そう、なんですか。では、その人達、闇の精霊、会うこと、できるんですね?」

『そうだね』

「じゃあ、幸運にも、動物にならなかった、人達、どうしてるんですか?」

『闇の世界の住人になってるよ』

「どうして、ですか?」


『いくら直接水を飲まなかったといっても、その水の成分をふくむ土や空気を触ったり吸ったりすれば、影響があるということさ』

「どんな?」


『日の光に当たると溶けてしまうんだよ』

「それって、闇の精霊たち、同じになる、ことですか?」

『そうだよ』


「そうなると、動物になること、免れても、二度と、日の光に当たること、できないん、ですね?」

『そうだね』

「でも、ルーは、大丈夫、なんですよね?」

『もちろん』


「どうして、ですか?」と聞くと小声で『それは、解毒草と同じ役割をするものがあるからだよ』

「それは?」

『内緒』

「どうして、ですか?」

『ここでは話せないことだから』と言われ、渋々頷く。


「あの、もう一つ、聞いても、いいですか?」

『いいよ』


「ある特定の、精霊、この中に入ること、できない、ですか?」

『そんなことないよ』

「そう、ですか」


『どうしてそんなこと聞くんだ? 何か気になることがあるみたいだね』

「それは、シーホリーたち、現れないから」


「あら、そういえばそうね」バーネットがペンダントを見るので『ああ、鍵の守護神のことか。それは、ペンダント内に封印されてしまってるからだろうね』


「封印ですって! いつ、誰がそんなことしたの?」

『たぶん奴が、宮殿に入る前に掛けたんだと思うよ』

「そんな前から!」


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