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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
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12 宮殿の管理者

 

「インサニア?」内心驚きながらも、顔に出さないよう平静を保つロイに「私のことだよ」向かいの壁の前に、紺色の軍服を着た赤い髪の男が立っていた。


「いつの間に」驚くロイ。

「どこから入って来たんだ?」不審感丸出しのマーティ。


『申し訳ございません! インサニア様!』ニゲラが謝ると「私の監督不行き届きだ。申し訳ないことをした」


「監督不行き届きと言うからには、あんたが責任者か?」マーティが警戒した目を向けると「そう。私がこの宮殿の責任者だ」部屋の真ん中まで歩いてきて「挨拶が遅れて申し訳ない。今回のことで気を悪くしないでくれ。こうするように決められているんでね」


「決められてるだと?」不満をぶつけると「最初に与えられる試練なんだ。これらをクリアしなければ、二枚目の鍵を渡せないんだよ」


「最初と言うからには、まだ何かやらせる気か?」

「申し訳ないね。この事は決められているんでね」

「決められてるんじゃしょうがない。で、次の試練とはどんな事だ?」


「ニゲラ。次へ案内しなさい」

『かしこまりました』

「では、無事に乗り越えられることを祈ってるよ。またあとで会えるのを楽しみにしてる」

 そう言うと、姿がスーッと消えていった。


「確かに、一筋縄でいくような奴じゃないな」隣のロイに声を掛けると「そうだな。でも、やっと敵が姿を現したぞ」

『あれ、映像だったのかもしれないよ』シュールが話に加わると「いや、奴は実体だった」マーティが否定する。


「とにかく先へ進もう」ロイが「ニゲラ、次へ案内してくれ」と言うと、まだ睡眠薬が効いているのか、フラフラしているが『付いてきてください』ヨロヨロと部屋の奥の壁へ飛んでいく。


 ふらつくニゲラは奥の右端の壁にある木でできた粗末なドアの前におり、振り返ると『このドアを開けてください』ロイを見るので「次はこの中なのか?」ノブを回して開けると、奥へ続く廊下が現れた。


「この中はどんな世界なんだ?」中を覗くロイ。

『付いてくればわかります』ニゲラが中へ飛んでいくとロイが入り、アニス、バーネットが入る。


 そして、最後に入ったマーティが「今度はいきなり建物の中か」周りを見回し「古代風の建物らしいな」白い石造りの廊下を進む。


「今度はどんなものが出てくるか楽しみね」アニスの隣を歩くバーネット。

『初めてドアの中に入った』

「そうか。シュールはずっと留守番だったな」

『なんか、不思議な感じ』キョロキョロと辺りを見回しているらしい。


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