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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
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7-2 マーティの救出 完了

 

「マーティ! 無事でよかったわ」立ち上がるバーネットに「酔いは覚めた?」ロイが聞くと「酔いだと?」マーティが聞き返す。


「ロイを迎えに彼が入ったドアの中に行ったとき、アルコール度数の高いワインを飲んで酔っ払っちゃったのよ。まだちょっとクラクラするわ」


「何やってんだ」

「仕方ないでしょう。いろいろと大変だったのよ」

「酔っ払ったら何にもならないだろうが」

「不可抗力よ。こうなると予測できなかったの」


『ロイ、マーティ、お帰り。今回はずいぶんと早かったね』シュールが話に割って入ってくる。


「入ってからどのくらい経った?」ロイが確認すると『えっと、四十分くらいかな?』

「何だと!」耳を疑うマーティ。「そんなはずない! もっと経ってるはずだ!」

『でも、マーティが入ってから、六時間くらいしか経ってないよ』

「時計が壊れてるんだ」


「実はマーティ」深刻そうに声を掛けるロイ。「ドアの中の世界とこことでは、時間の経過が違うらしいんだ」

「いくら違うといっても、俺は丸二日、中にいたんだぞ」

「僕は四日いたよ」

「エエッ!」


『なんかメチャクチャだね』混乱してくるシュール。

「信じられない」腕時計を見るマーティ。


『そろそろお腹空いてきたな。もう午後七時になるんだ』呟くシュール。

「この宮殿に来た日の午後七時ということか? 俺の時計は、二日後の午後二時半だぞ」

「僕は四日後の午後十時半だよ」

「みんな時差ボケになるわね。私は三日後の午前十一時半よ」腕時計を見せるバーネット。


「僕が一番長くドアの中にいたのか」複雑な心境になるロイだが「一日や二日くらいじゃ変わらないか」

『鏡の部屋へいくメインドアの上に大きな時計があるから、合わせたら?』とシュールに言われ、それぞれ腕時計の時間を直すと「さて、最後はアニスだ」とロイが言ったとき『戻ってきたよ!』モスカールの声が、石のドアの奥から聞こえてくるのでロイとマーティが走っていき、中に入って話し込むと、ドアを閉めて戻ってくる。


「そういえば、ニゲラは大丈夫なのか?」剣の横でうつ伏せになっている彼女を見てマーティがバーネットに聞くと「睡眠薬を飲ませてあるから、当分起きないわ」


「そうか。で、例の親玉は大丈夫か?」

「問題はそれなのよ。みんなが揃うまで、気付かれないことを祈るしかないわ」


「そんなこと、神頼みする気にならんが」

「あら、苦しいときの神頼みって、案外効くと思うけど」

「俺たちの悪運に掛けたほうが、真実味があると思うぞ」

「確かに」


「じゃあ、これからアニスのところへ行ってくる」声を掛けるロイが「バーネットは引き続き、ニゲラを見ててくれ」

「わかった。なるべく早く戻ってきて」

「シュール、頼んだぞ」

『気をつけて、早く戻ってきてね』


 ロイとマーティは、アニスが入った床にある赤茶けたドアの中へ入っていく。


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