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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 「時の宮殿」での戦い
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3-4 マーティの救出

 

 しばらくして気を取りなおしたロイが汗を拭くと、案内役の女性を先頭に苔むした通路を進み、少しすると天井の高い大広場にでた。

 その奥に、石でできた大きな館が、ヒカリゴケと外灯に照らされてぼんやりと見える。


「あれが魔導師の館です」案内役の女性が通路の出口で止まると指をさすので「あれが目的地か」見上げるロイ。

 すると、モスカールが『ここからは私たちだけで行くから、ここで待っててくれないか?』案内役の女性に声を掛けると「わかりました。お気を付けて」


 ロイとモスカールは曲がりくねった木の間に作られた通路を進み、二メートルはあると思われる鉄柵で作られた門の前に出ると、右横にある出入り口用の扉を開け、中に入ると、再び木の間に作られた通路を進んで玄関の前までいく。

 

 (かし)の木で作られたような硬さを感じる木製のドアを見上げ、深呼吸をして呼び鈴を鳴らす。


「大丈夫かな?」不安そうなロイに『身構えず、いつもどおりにしてれば問題ないよ』モスカールが落ち着いた口調で声を掛ける。


 少しすると、腰の曲がった小さなお婆さんが顔をだし「どちら様でいらっしゃいますか?」ゆっくりと、しかしハッキリと聞こえる声で訪ねてくる。


 モスカールはお婆さんの横に屈み、ゆっくりと大きな声で『二、三日前に、鍵を探しにきた者の連れです。ここの主人に会いたいのですが、取り次いでもらえますか?』


 お婆さんの耳元で理由を告げると「ああ、あの方のお連れ様ですか。それでは、これから取り次いで参りますので、少々お待ちください」返事をするとドアを閉める。


 そして、五分ほど待っていると再びドアが開き、先程のお婆さんが顔を出して「旦那様がお会いになるそうです。どうぞ、お入りください」と大きくドアを開ける。


 豪華な装飾品で飾られた広い玄関にはいり、ゆっくり歩くお婆さんのあとに付い屋敷の奥へ歩いていく。


(中は石と木材の混合で作られてるんだな)中を見回すロイ。

 廊下の床は石でできているが上に絨毯(じゅうたん)が敷いてあり、各ドアは木製で石の壁には大きなタペストリーが飾られていて、冷たい印象がしない。

(結構、考えて作られてるな)

 

 お婆さんは屋敷の奥までいき、いくつも並ぶドアの一つを開けると「こちらでお待ちください」

 通された部屋は客間らしく、いろんな置物が部屋のあちこちに置いてある。


 モスカールはすぐソファに座ったが、ロイは部屋の中を見てまわった。


 そして、お婆さんがワゴンに乗せてお茶を運んでくると、少しして、ここの主人である魔導師が「お待たせして申し訳ありません」にこやかな顔をして入ってくる。


 どんながめつい奴が来るのかと思っていたのに、長身で細身の身なりのいい紳士だったので、ロイは(いささ)か戸惑った。


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